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4098号 2025年5月15日

160カ国の調査でわかった「2025年の世界の職場の課題」とは? ーGallup社『State of the Global Workplace 2025 レポート』のまとめー

(本日のお話 2115字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は、終日研修でした。
強みの「ストレングス・ファインダー」を活用した研修で、
キャリアやマネジメントに活用するヒントをお伝えさせていただいております。
自分の情報が増えるたび、伝えたいことが増えすぎてマニアックになっている気がするのが、目下の課題でございます。



さて、本日のお話です。

先日『State of the Global Workplace 2025 Report(世界の職場の状況 2025 レポート)』を読みました。
State of the Global Workplace ReportGet the workplace trends, global engagement metrics and advicwww.gallup.com

以前から Gallup は「日本の“熱意ある社員”は 6 %」(2017 年)など、なかなかインパクトのあるデータ提示していました。もちろん それはGallupの Q12®という指標に基づくため“ひとつの物差し”ですし、また「文化的な謙虚さ」を差し引いて考える必要もあるでしょう。

とはいえ、日本のエンゲージメントの低さは看過できないものです。
加えて昨今は「マネジャー職が罰ゲーム化している」という話題も耳にします。うーん、悩ましい…。

では世界ではどうなのか?
そして、日本は世界と比較して、どんな職場の状況なのか?

──その疑問に答えてくれるのが本レポートでした。
ということで、マイパートナーの生成AI君とともにまとめた内容を共有させていただきます。

それでは、どうぞ!

――――――――――――――――――――――――
<目次>
『State of the Global Workplace 2025 Report』とは?
レポートの概要
調査方法
本レポートの主要ポイント(2025年版ハイライト)
日本の傾向
日本特有の示唆
まとめと感想
――――――――――――――――――――――――

■『State of the Global Workplace 2025 Report』とは?

◎レポートの概要
本レポートは、以下の目的と構成で作られています。

・タイトル:Gallup State of the Global Workplace 2025 Report
・目的:世界160超の国・地域の「従業員エンゲージメント」と「ウェルビーイング」の最新動向を可視化し、企業や政策決定者に改善アクションを示す。
・構成:世界・10地域のトレンド、重点セグメント(マネジャー・若手など)、国別指標、改善提言の4部構成。

◎調査方法

またレポートの調査は、以下の対象で行われました。
・母集団:各国15歳以上で就業している人
・サンプル:2024年単年で227,347人(累計約549万人)。国別1,000人を基本に電話/対面を中心とした確率抽出。
・期間:直近データは2024年4月〜12月。国別値は3年間ローリング平均で平準化。

◎主要指標
・エンゲージメント:Gallup Q12®で Engaged / Not Engaged / Actively Disengaged を算出
・ウェルビーイング:カントリラダーで Thriving / Struggling / Suffering を判定
・ネガティブ感情(ストレス等)・労働市場感覚(転職意向など)を併せて分析

■本レポートの主要ポイント(2025年版ハイライト)

では、本レポートではわかったことは、どのようなことでしょうか?
7つのポイントにまとめてみます。

1.世界のエンゲージメントが再び悪化した
「Engaged」比率は21%( 2pt)。経済損失は年間4,380億ドル。

2.エンゲージメント低下の理由は、“マネジャー危機”が主因である
マネジャー自身のエンゲージメントが30%→27%へ低下。チーム成果の70%を左右する層の疲弊が世界的課題。

3.生活満足度(Thriving)も33%( 1pt)にダウン。
・特に女性・ベテランマネジャーの落ち込みが大きい。

4.ストレスは高止まり(40%)怒り・悲しみ・孤独感も依然高レベル。

5.地域差:最高は北米・中南米(31%)、最低は欧州(13%)。

6.離職に関連した指標
世界の50%が「転職を探している/様子見」。
「今は良い就職時期」51%( 3pt)。

7.推奨されるアクション
・全マネジャーへの基礎トレーニング
・コーチング型マネジメント習得
・継続的成長支援——で生産性ブームを創出。

■日本の傾向

また、世界のレポートなので、日本の固有データは詳しくは掲載がないのですが、一部付録に日本の状況が記載されていました。それらを含めて、以下の示唆が得られます。(どれもわかるー、という感じです)

◎日本特有の示唆

1.超低エンゲージメント
日本の 7% は世界最低水準。エンゲージメント向上施策の余地がきわめて大きいことを示唆します。

2.感情面では比較的ネガティブが少ない
怒り・悲しみ・孤独感はいずれも世界平均を大きく下回り、ストレスも平均並み。感情的負荷よりも「やる気の欠如」が課題。

3.雇用市場は“売り手感覚”
「今は良い時期」53% は世界平均より高く、前年から大幅改善。求職者優位の市場観が強まっています。

4,離職意向は控えめ
転職を検討する割合が世界より低いため、人材流動性は限定的。ただし優秀層は流出しやすい環境が生まれつつある点に注意。

■まとめと感想

本レポートを読んで「マネジャーの負担増」は世界共通の課題であることが、まず発見でした。当然ながら、マネジャーが冷え込めばチーム全体も冷え込みます。それくらい、チームのリーダーの影響は強いものです。
改めて、「マネジャーへの支援による、マネジャーのエンゲージメント向上」がいかに重要かを明確にさせられたレポートでもありました。

加えて、Gallup Q12® の中でも日本が特に低いと言われるのが「職場に親友がいるか」「自分の意見が尊重されるか」というのも興味深いものでした。年功序列やヒエラルキーを超えて、良いアイデアは素直に取り入れ、深い人間的つながりを醸成する、そんな職場設計は欠かせないと感じた次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

※本日のメルマガは「note」にも、図表付きでより詳しく掲載しています。よろしければぜひご覧ください。

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