今週の一冊『ランナーのカラダのなか』
(本日のお話 1953字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、祖父の三回忌の法事でした。
親族が集結し、たいへん賑やかな1日でした。
子ども同士で遊んでくれるのが助かりますね…!
その他、朝から7kmのランニングなど。
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さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、最近読んだ本から一冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナーです。
最近ランニングの話ばかり書いてしまっておりますが、今日もランニングに関する本を紹介してみたいと思います。
大学院とランニングのそれぞれの仲間である塩川さんのnoteで、毎回素敵なランニングの能力向上の方法などをご紹介いただいており、大変勉強になります(おすすめです!)
記事はこちら>>
今日も、その中で紹介されていた一冊をご紹介させていただければと思います。
マニアックな話で恐縮ですが、よろしければご参考くださいませ。
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『ランナーのカラダのなか: 運動生理学が教える弱点克服のヒント』
藤井直人(筑波大学 体育系 助教、博士(学術))
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■本書の概要
本書は、筑波大学の体育系の助教(博士)である藤井先生が、「運動生理学の知見からランニングを解き明かす」ことをしている、科学的かつ実践的な一冊です。
本書の紹介では、「運動生理学とは、運動中に体内で起こる化学反応、現象、影響、状態を追求する研究であり、その観点からランナーたちの弱点や能力向上のヒントを探った、意欲的なランニング強化本」と説明されています。
市民ランナーが抱える「記録が伸びない」「怪我が絶えない」「トレーニング内容が不明確」などの悩みに対し、弱点克服のヒントを示す実用的なガイドとしてまとめられており、実に興味深い内容でした!
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<目次のご紹介>
◯第1章 カラダのなかの基礎知識
代謝、呼吸調節、体温調節(汗と放熱の役割)などの基本生理機構を解説
◯第2章 ラントレの効果に関する疑問
ジョグだけでは得られない効果、有酸素能力(最大酸素摂取量)の向上、筋トレの意義、暑熱順化などを扱う。
◯第3章 レースマネジメントに役立つ生理学の知恵
朝練の是非、ベストコンディションの生理学、気象対応など実践的な知見に焦点。
◯第4章 ランナーの都市伝説的あるあるを検証したい!
安静時心拍数の優位性、「スピード持久力」の存在など、よく聞くランナーの俗説を科学的に検証。
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■特に印象に残ったこと
⑴ とにかく「高強度トレーニング」が大事
ランニングでは「ジョグが重要!ジョグが毛細血管を広げ、自分のランニング能力を高めてくれるのだ」という話は有名です。
2022年の世界記録保持者のキプチョゲ選手もジョグが大事だと言っていますが、運動生理学的には本当にそうなのか?を検証した結果などを述べています。
この本では、結論としては「ジョグは、効果はあるかもしれないが、効率的ではない」と述べています。つまり、ジョグ(低強度運動)だけでは有酸素能力は効果的に向上せず、インターバル走や閾値走などの高強度トレーニングが不可欠である、という話。
確かにこれもわかる気がします。自分の体を追い込んだ後は、自分のランニング能力が引き上げられる感じがしますが、低強度のトレーニングの場合は、「自分の走力を落とさない」にとどまっている感じがするからです。
やはり、過去の自分を超えていく自分を追い込んでいくというのが重要なのですね。(しんどいですけど)
⑵ インターバル走もとっても大事
また、ランニングの中では、だんだんとペースを上げていく「ビルドアップ走」と、一気にスピードを上げる「インターバル走」があります。
それぞれどれぐらい効果があるのか、どちらの方がより効果があるのかに関しても諸説ありですが、運動生理学的には、「結局、大事なのはその高強度の状態にどれくらいいるのかの時間が重要」ということなので、インターバル走の方が、より効果が高くなる傾向があるということでした。
改めて自分も自らの最大酸素摂取量の向上を狙う時は、インターバル走の本数を重ねていくことをしていきたいと思いました。(やっぱりこれも大変ですけど)
⑶ 筋トレも大事!
また、高負荷のウェイトトレーニングなどに関しても、筋肥大による体重増加の可能性は低く、むしろ高負荷の筋トレをすることによって、ランニングエコノミーが向上したり、怪我を3分の1以下に減らす効果があるとも述べられていました。
ふと思えば、私も遠い昔に自己ベストを出したとき、マシントレーニングでハムストリングスを鍛えまくっていたところ、跳ねるように走れる感覚があったことを覚えています。
…ということで、これからは筋トレもしようかなと思いました。
■まとめ
その他、取り入れたいエッセンスもたくさんありました。たとえば、
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・高強度のラントレの時は、糖質多めに取ったほうが良い
・あるいは鉄分を意図的に取ることでヘモグロビンの量が多くなり、酸素を運搬する力が増える(午前中の摂取が良い)
・ほうれん草などに含まれる硝酸塩も効果的
・カフェインが持久力をアップさせる
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などなど。トレーニングとは、自分の体の中に起こっていることです。それを現象として何が起こっているかを知ることで、より効果的なトレーニングが積めるようになりそうだ、そんなことを思った次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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