「弱いつながり」を持つと、どんないいことがあるのか? ーその効果と活かし方ー
(本日のお話 2163字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、金融機関の新入社員の皆さまへ
「自己理解」のための「強み発見のワークショップ」の実施でした。
また夜は、大学のリーダーシッププログラムの教員ミーティングでした。
ストレングス・ファインダーの研修とは別で
独自で開発をしているプログラムを実施させていただきましたが、
・強みを言語化する
・強みの副作用(使いすぎ)に気をつける
など、そうした観点が新鮮さや楽しさを持って捉えてもらえたことが嬉しくもある時間でした。
皆さまの今後のご活躍を応援しております!
*
さて、本日のお話です。
本日も引き続き、『世界標準の経営理論』からのまとめをお伝えしていきます。
(これまでのお話はこちら↓)
https://note.com/courage_sapuri/m/mf56335a8f492
今回は第25章、「弱いつながりの強さ」理論です。
さて、「弱いつながり」という言葉、これまでなんとなく耳にしてきた方も多いのではないでしょうか(私もそのひとりです)。
なんとなく、"広く浅くつながっておくと情報が入ってくる"というふわっとした認識で、その効果を感じていたつもりでいました。
でも今回、その元となる論文を咀嚼して伝えてくれている章を読み、「弱いつながりについて、自分は知らなかったのだな」と気づかされたのでした。
ということで、早速中身を見てまいりましょう。
それでは、どうぞ!
■「弱いつながりの強さ」理論とは
「弱いつながりの強さ」。英語でいうと "Strength of Weak Ties"(SWT)。これは、1973年にスタンフォード大学の社会学者、マーク・グラノベッターが発表した論文に集約されている理論です。
引用数が5万を超えるという、社会科学の世界でも屈指の有名論文とのこと。
この「弱いつながりの強さ」の理論は、一言で言えば「弱いつながりは、情報の伝達が幅広く、スピーディーに、遠くまで及ぶ」という話です。
そしてそれが結果的に、イノベーションなどをもたらすことにも繋がる。
一般的に「強いつながり」のほうが、信頼関係や助け合いなど、メリットをイメージしやすそうです。
しかし一方「強いつながり」は"閉じがち"になってしまう。その対比の中に、「弱いつながり」がつながりが密でないがゆえの「強さ」が見えてきます。
■弱いつながりの3つのポイント
この理論を理解する上で、3つの概念を押さえておく必要があります。
⑴ ブリッジとは何か ⑵ ブリッジの効能 ⑶ 弱いつながりの意義 です。
順に見ていきましょう。
◯⑴ ブリッジとは何か
人はどのようにつながるのか。
それは「交流の頻度」「心理的な効果」「類似性」。こうした要素があると、つながりは自然と生まれやすくなります。
たとえば、AさんとCさんが親友で、CさんとBさんも親友だったとする。
この場合、「Cさんの友人だから」という「心理的な効果」と「類似性」によって、AさんとBさんも直接つながっていく。
結果として、三人は"閉じた関係"になります。
ところが、弱いつながりの場合は違います。
この閉じた三角形の一辺が欠けた、くさび型のような形が生まれる。これが「ブリッジ(橋)」です。
◯⑵ ブリッジの効能
では、このブリッジが何をもたらすのか。
密な高信頼のネットワークは、深い関係を築くという意味では優れています。
でも、情報を遠くまで、幅広く、多様に届けるという点では、どうしても非効率になりやすい。
一方、弱いつながりからなるネットワークは「多様な情報を素早く、効率的に、遠くまで伝播させること」に向いている。
これが、この理論の中心的な命題です。
弱いつながりがすべてを解決するわけではないのですが、あくまで「情報が遠くまで行き渡る」という、その一点において、弱いつながりは強いということです。
◯⑶ 弱いつながりのメリット
では具体的に、弱いつながりはどんな場面で力を発揮するのでしょうか。
代表的なものが「イノベーション」です。
「イノベーション」とは、「新しい知」であり、それは既存知と既存知の新しい組み合わせから生まれます。
でも人には認知の限界があり、視野はどうしても狭くなりがちです。
そこで弱いつながりを持つと、自分から遠く離れた知を幅広く探索することができる。
それが知の探索につながり、イノベーションも起こりやすくなる、というわけです。
また、「就職活動」も例に挙げられていました。
強いつながりの中にいると、どうしてもネットワークの範囲が狭くなり、似たような業界・企業の情報しか入ってこない。
でも弱いつながりがあると、ブリッジの多いネットワークに接続できるため、遠い場所から早く、多くの情報が流れ込んでくる。ゆえに、有利になり得るということでした。
■まとめと感想
今回この章を読んで、あらためて気づいたのは、「弱いつながりが情報をもたらす」という感覚的な理解の奥に、「ブリッジという具体的な仕組み」が存在していたということです。
こういうのを「理論」と呼ぶのだな…と唸らされました。
ふと思えば、自分も、ランニングのコミュニティ、ピアノや音楽のコミュニティ、大学院のコミュニティ、大学の講師仲間、人材開発のコミュニティ、そうした異なる"場"を複数持つことで、
確かに違う情報が流れ込んでくる感覚があります。趣味や領域が広がると、視点も広がるもの。それがまさにこの理論が言っていることなんだと、腑に落ちた気がしました。
一方、まだまだ繋がりも限定的だとも思います。
ゆえに、「弱いつながり」をもっと育てようとするなら、たとえば「一度会った人と食事に行く」「半年に一度でも、異なる業界の人と顔を合わせる」、そういう小さな行動の積み重ねが、ネットワークの幅を少しずつ広げていくと、より多くの情報に触れて、さまざまなアイデアが広がるのかもしれないな…そんなことを感じたのでした。
いろんな人と、いろんな話をする。
それをこれからもっとやっていけると、面白いことが起きそうだな、と思った次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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