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2621号 2021年4月24日

たかが問い、されど問い 。ピアノの先生から学ぶ「伸びる教え方」

(本日のお話 2054字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日金曜日は4件のアポイント。
また夕方からは大学院の授業でした。



さて、本日のお話です。

1ヶ月前にピアノの
個別レッスンに入会しまして、

そして本日もレッスンに
いってまいりました。

そこの先生の指導方法から

「このスタンス大事だなあ…」

と(生徒目線で)
まま感じることがありましたので

本日はその学びと気付きについて
皆さまにご共有させて頂ければと思います。

それでは早速参りましょう。

タイトルは

【 たかが問い、されど問い 。ピアノの先生から学ぶ「伸びる教え方」】

それではどうぞ。

■今月から、

中学1年生以来の
ピアノ教室に通っております。

以前メルマガでも
書かせていただきましたが、

ピアノを習い始めたのは、
割と合理的な理由です。

・リモートワークが増えた

・息抜きとして生産的なことをしたい
(Youtubeじゃなくて…)

・あ、ピアノは脳トレにもなる

& 音楽は精神的な癒やしになる
& ちょっとオシャレ

ということで、
リモートワークが増えて
ピアノを弾き始めました。

■ただ、一人で黙々と弾いていても
どこをどう直せばよいのかわからない。

2週間に1回、45分程度であれば
スケジュールも問題はないし、

定期的な先生からの
フィードバックがあって

そこから改善を重ねたほうが
単位あたりのピアノ時間生産性(?)も
高まるであろう…

ということで習い始めてみました。

■教室を決めるにあたって、
3つの教室に体験レッスンにいきましたが、

入会を決めた一番の理由が

「コーチング的関わりをしてくれたから」
(=寄り添ってくれるスタンスがあった)

でした。

そして、

教室に通い始めて3回ですが、
改めてその先生に間違いはなかった!

と感じており、

そして同時に今日のタイトルにも記載した

『「伸びる教え方」とはなにか?』

について、考えさせられる
良い機会となっております。

■「教える」という行為は、
簡単なようで結構、難しい。

例えば授業などで、
イケてない先生の退屈な講義(失礼)のように

「一方的に知識を淡々と語る」

のは、”教える側”は
自分のペースで話せて楽。

でも”教わる側”は
しんどいことが多いこともあります。

一方的に話すのではなく、

対話をしながら
巻き込みながら「教える」ことが難しいし、

そこに技術があると感じます。

■そしてその文脈において、

教わっているピアノの先生の
どこか素晴らしいかというと、

【教える前に、必ず「問い」を挟む】

ことです。

■例えば、私があるパートを
弾き終わった後に、こう先生が”問い”ます。

「この半音階で下がっていくところ、
弾いてみて、どう感じましたか?」

聞かれますから、必然的に
私は考えることになります。

「うーん、、、、
粒を揃えて弾くのが難しい感じですかね」

先生が質問をする、ということは
なにか引っかかるところがあるのだろうな、

と頭をよぎりますが、

いずれにせよ誰もが
「問われると考える」のです。

■そして、私の回答を聞いて、
先生が、言います。

「そうですよね、私も少し弾きづらそうだな、
と聞こえました」

そして、目線があったところで
”教える”が始まります。

「だとするとですね、
こうやって弾くと弾きやすくなります。

少し手首を立てて、指をまとめる感じで、こういう感じ。

やってみてください」

と、「教える」パートに入っていきます。

そして他の部分を”教える”ときも、
先生は必ず”問い”をはさむのです。

「ここに書かれている
sotte voceってどういう意味だと思います?」

「このパートのイメージを言葉にすると、
どんな雰囲気でしょうか?」

「どう観客に聞かせたいでしょうか?
とすると、右手と左手のバランスは
どんな風に工夫をすると良さそうでしょうか」

、、、と。

そして、答えた後に、
”教える”行為があるのです。

■実にシンプル。

「問い」→ 「教える」。

たった、これだけ。

でも、この流れで
伝えてくれると、

教わる側としても、教わる内容が
スッと入ってくる感じがするのです。

自分の意識を
「指導ポイント」に集中させてくれる。
何が問題かを、考えさせてくれる。

その上で教わると、
突然、思いもよらなかったところを
指導されるよりも、ずっと入りやすくなる。

”問い”を投げかけるというのは、

教える側、
教わる側の視点を合わせて、

教わる側が教わる内容を
最大限吸収するための、

”「器」をつくる行為”、

といっても良いかもしれません。

■なーんだ、そんなことか。

、、、と思うかもしれませんが、

「教える時に問いを挟む」

というのは重要であると同時に

実際にやってみようと思うと、
意外とできなかったりするのが

”問い”なのです。

問いを活用できない理由は、

・「伝えれば、伝わるもの」と誤解している、とか

・「適切な質問」を思いつかない、とか

・とにかく答えを言いたくなってしまう、など

様々あるでしょうが、
上手に活用できる人のほうが
珍しいかもしれません。。。

実際に、私が体験レッスンにいった
ピアノの先生は3人いましたが、

3人中2人は、”問い”はなく、

「この部分はこう弾いたほうがいいですね」
「ここが合っていないですね」

と”指導”にすぐに入っていました。

しかしそうすると、なんとなく

「押し付けられている」という感じを
受けてしまうこと、あるのですよね…

■と、ピアノの先生の教え方で

【教える前に、必ず「問い」を挟む】

ことの効果を
生徒目線にてお伝えさせていただきました。

ただ、これは何も
ピアノのレッスンの話だけではなく

むしろ仕事の現場での
上司・部下、先輩・後輩等でこそ有効である、

と感じます。

”教える・教わる”の
関係がある、あらゆる場面。

その際に機能すると思うのです。

自分の言いたいことを伝える前に、
「問い」を投げること。

このシンプルな行為で
自分の伝えたいことが

相手に格段に入りやすくなるのです。

”たかが問い、されど問い”、

です。

小さなことですが、
実に大事なことだよな…

そんなことをピアノの先生から
(ピアノ以外でも)学んだ次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>
羊の群の完全無欠な一員になるには、
まず、とにもかくにも、自分自身が羊になることである。

アルベルト・アインシュタイン(ドイツの物理学者/1879-1955)

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