今週の一冊『生きていくあなたへ 105歳どうしても遺したかった言葉』
(本日のお話 1763字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
さて、毎週日曜日は
お勧めの1冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナーです。
それでは早速まいりましょう!
今週の一冊は
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『生きていくあなたへ 105歳どうしても遺したかった言葉』
日野原重明(著)
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です。
■著者の日野原重明氏。
聖路加国際病院名誉院長を務められ
1995年に起こった地下鉄サリン事件では、
聖路加国際病院を開放する決断をされ
陣頭指揮を取られて、事件の対応をされた事でも有名な
日野原先生の著者です。
先生は2017年、
105歳でご逝去されましたが、
その年に、実質上
最後のメッセージとして、
『生きていくあなたへ』
にかかれているインタビューを行われ
残した言葉がまとめられています。
■日野原先生は、
太平洋戦争が終わった時に33歳。
日本初のハイジャック事件よど号事件に遭遇し、
帰還をされた、という経験を持ちます。
誰かのために命を使うことを
決められて、人生を歩んで来られた、
と著書でも語られています。
実際に本を読み進める中で
生涯現役で、誰かのために
その身を捧げてきたという生き方が
ご家族からのメッセージからも、
また周りの方からの言葉からも、
決して嘘ではない方であられるのだろう、
、、、と自分自身を振り返りながら、
身につまされるような思いがしました。
■何かのきっかけで進められて
購入してみた一冊でしたが、
読むに連れ、
背筋が伸びてきて、
「まだまだ人生は続く」
「もっといろんな体験をしていこう」
「感動できる毎日を送ろう」
という活力を打ち込まれたような
気持ちになりました。
■著書では、
日野原先生への質問への回答を
インタビューとして言葉にしています。
例えば
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Q、105歳になられた日野原先生、
死ぬのはこわくないのですか?
Q、人目ばかりが気になります。
自然に自分らしく生きていく秘訣はありますか?
Q、長年連れ添った夫に死なれ、
毎日さびしくてしかたありません。
早く忘れる方法はありますか?
Q、そもそも愛ってなんですか?
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など。
実に、深い問いです。
それらの内容について、
シンプルな言葉ですが、
日野原先生の考えを語られています。
その内容が、すっと胸に入ってきて
スッキリするような気持ちがしました。
■個人的に印象だったのか
日野原先生自体が、
104歳になられた時に
「年末に、肌のしみとりに
チャレンジしてみた」
「外見を整えることで、人に会いたくなったり、
積極的な気持ちが湧いてきたりすると実感した」
と語られたり、
「絵を習い始めた」
とか
「100歳を超えたあたりから、
自分がいかに本当の自分を知らないでいたか
ということを感じる」
など語っています。
■つまり、
本当に言葉通りいくつになっても、
常に新しい経験をし続けているということです。
それは日野原先生が
特別な人だからしている、
と言う話ではなく
「そういったスタンスを持ち続ける」
ということは
誰でもできる選択であり、
それが結果的に
生涯現役を形にした原動力でも
あったのではなかろうか
、、、
そんなことを
読んでいて思いました。
■以下、一部ですが、
アンダーラインを引いた
心に残った言葉をご紹介させていただきます。
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「僕は妻をはじめ、たくさんの親しい人を亡くしましたが、
亡くなった後のほうが、むしろ生きていたときよりも、
その人の姿が僕の中で鮮やかになっていくのを感じます」
「たとえば妻とは、今もともにいるという感覚があるのですが、
その実感は彼女が生きていたときよりも強くなっているのです」
「ああ、今まで探求してきたことはほんの一部であり、
真の意味では、僕はまだまだ自分のことをまったく
理解できていないのだな」と心から感じるようになりました。
80歳の頃の自分がかわいかったなとさえ思います。」
「自己がある生き方というのは、簡単にいうと、
自分という人間が何処に向かって生きていくのか、
きちんと意識できている、確信が持てている状態のことです」
、、、その他多数
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誰かと比べるわけではなく、
日々感謝しつつ、
新しい体験をできる喜びを
毎日かみしめるような日々を送りたい、
そう思わせてもらえた一冊でした。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<今週の一冊>
『生きていくあなたへ 105歳どうしても遺したかった言葉』
日野原重明(著)
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