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2457号 2020年11月12日

質問の技術(5) 〜質問をグッとマイルドに答えやすくする、『「Why」を「What」に変換する』技術〜

(本日のお話 2152字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は、終日、
友人が代表を務める弁護士事務所の皆様への
『ストレングス・ファインダーのワークショップ』
の実施でした。

温かく素晴らしい皆さんで、
実施した私がとてもエネルギーを
頂いた時間でした。

ストレングス・ファインダーは、
「強み」という共通言語を通じて、

普段お互いに尊敬している、
感謝をしていることを見えるようにして
称え合う素晴らしいツールだな、

と改めて思った次第。



さて、本日のお話です。

お届けしております
「コーチングの技術」のメルマガ。

本日も続けてまいります。

今日もコーチングの大きなスキルである
「質問」をテーマに、皆さまにお届けいたします。


タイトルは、



【質問の技術(5) 〜質問をグッとマイルドに答えやすくする、『「Why」を「What」に変換する』技術〜】



それでは、どうぞ。




■唐突ですが、一つ
あるエピソードをご紹介させてください。

”「なぜ?」という言葉の特徴”

についてのお話です。



以前働いていた
採用コンサルの会社で、

当時の採用面接をしていたマネージャーが、
こんな話をしてくれました。

マネージャー曰く、


「”なぜ?”を繰り返すと、
その人の本質が見えてくる。

だから、面接の時は、
"なぜ?”を繰り返して、
その人の根っこの部分を見極めるのが大事なんだ」



■「へえ、なるほど!そうなんですね」

なんて、思っていたら、
そのマネージャーの方は
こう続けました。



「、、、と思っていたんだけどね。

ある面接のプロの方から

”なぜ”を多用するのは
面接では効果的ではない”

って言われたんだよね。。。

理由が、

『”なぜ?”は言葉が強すぎる』

っていうのと、
価値観ベースの話まで
「なぜ?」と問い詰めていくと、
人格否定のように感じさせてしまうこともあるから、

って。

俺、めっちゃ「なぜ?」って
聞きまくっていて反省したわ〜(苦笑) 」


、、、というお話。



■この話は、

”なぜ?”

という言葉の持つ特徴について
教えてくれているように感じます。


確かに、

”なぜ?(why)"

という言葉は、
物事の本質を探求する力があります。


なので、たしかに
"なぜ?"を繰り返すと、
相手を深ぼることができる。

これは効果的な使い方の一つです。



■ですが、一方
”なぜ?”と聞かれると、
先述の話で「強すぎる」とあったように、

「責められている感覚」

を少し、感じるのではないでしょうか?


例えば、

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「”なぜ”、プロジェクトが上手く行かなかったの?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

と聞かれたとします。


柔らかく聞いている風。

でも、なんだか責められている(詰問されている)感覚、
覚えるのではないでしょうか。


■本当は、相手は純粋に

「その理由は何なのだろう?」

と思って聞いていても、
”なぜ”が持つ特徴によって、
答えづらくなって感じることがあるのです。



■では、どうすればよいのか?

どんな質問の仕方が、
効果的なのでしょうか。

そんなときに使える、
ある「質問の技術」があります。

”質問を詰問にしないテクニック”

です。

それが、


【「Why」から「What」に変換する】


という技法です。

(シンプルですが
実に使えるのです!)



■例えば、

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「”なぜ(why)”、プロジェクトが上手く行かなかったの?」


パターン1
「”何が(what)”プロジェクトを上手く行かせなかったの?」

パターン2
「”何があれば(what)”、プロジェクトは上手くいったのかな?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

と変換してみるのです。


すると、
ちょっとマイルドになった感じ、
答えやすくなった感じがしませんか?

(語尾に「〜かな?」をつけるのも
大事なポイントだったり)



■これは、

”なぜ(why)”を
”何が(what)”に置き換えることで、

「上手く行かなかった理由を
”自分という存在”ではなく、
”要因(what)”にフォーカスする」

ことができるので、
自分が責められている感じが、
少し和らぐのです。


ゆえに、

【「why」から「what」に変換する】

と答えやすくなる、という理屈。




■応用編として、付け加えると、

『「Why」を「How」に変換する』

のも同様に効果的です。

すなわち、

「なぜ(why)」を「どのように(how)」

としてみる。

これが、シンプルですが
whatと同様、大変便利です。



■例えば上記の例なら、

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「”なぜ”、プロジェクトが上手く行かなかったのかな?」


パターン3
「”どのような理由”で プロジェクトが上手く行かなかったの?」

パターン4
「”どのようにすれば”、プロジェクトは上手く行ったのかな?」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

というように。


"どのような理由"とすると、
「why」単体よりも、攻める雰囲気の代わりに、
明確な原因を知的に問う雰囲気になりますし


"どのようにすれば(How)”も
攻める雰囲気の代わりに、
可能性を問うような言い換えにできます。

ゆえに、同じような質問でも、
聞き方によってマイルドになり、
相手は答えやすくなるのです。


■言葉は、とても繊細なものです。

特にコーチングのように、
相手の心の深い部分と触れようとするときは、
なおさら慎重に言葉を選ぶ必要があります。


人の心は、誰しもが
奥深くでは柔らかいのです。

ゆえに「信頼と安心感」が大事だし、
それを対話の相手が感じられるよう、
小さな工夫を積み重ねることが
とても大事なのです。



、、、ということで、

【「why」から「what」に変換する】

と相手が答えやすくなるので、
ぜひ、行ってみてくださいね。

質問はバリエーションが大事です。

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<本日の名言>

逆説は、頭の働く人の思考癖である。

アンリ・フレデリック・アミエル(スイスの詩人/1821-1881)

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