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2456号 2020年11月11日

質問の技術(4) 〜会話を拡げ、深い話ができる魔法の質問「スライドアウトとチャンクダウン」〜

(本日のお話 2456字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は1件のアポイント。

またプロジェクトマネジメント研修の立ち会い、
午後からはDX(デジタルトランスフォーメーション)についての
東京大学の森川教授の研修受講でした。

その他、研修のプログラム作成など。



さて、本日のお話です。

先日よりお届けしております、
「コーチングの技術」のコーナー。

自分の思考の整理も含めて
皆さまにお届けしておりますが、

思ったよりも反応をいただけており
大変嬉しい限りでございます。


まだまだお伝えしたいことがありますので、
本日も引き続き続けてまいります。

テーマは「質問の技術」です。
それでは早速まいりましょう。


タイトルは


【質問の技術(4) 〜会話を拡げ、深い話ができる魔法の質問「スライドアウトとチャンクダウン」〜】


それでは、どうぞ。



■皆さんの周りにも、

”質問”が上手で、
気づくとどんどん話が引き出されてしまうような、
そんな人はいないでしょうか?


、、、


なぜだかわからないけど、
絶妙なテンポも含めて
気持ちよく話ができる人。

あれもこれも話をしていて、

「ついつい、こんな深い話まで
してしまいました(笑)」

というような、そんな体験。



■私自身がそんな技術を持っているとは、
到底、思ってはいません。


しかし、今日ご紹介させていただく、
非常にパワフルな2つの質問、


『「スライドアウト」と「チャンクダウン」』


これを知ってからというもの、


・営業でのお客様から
課題やニーズのヒアリング

・同僚の仕事の相談を
拡げながらも深ぼる対話

・友人とのランチで
近況や話し合い盛り上げるおしゃべり


など、仕事でもプライベートでも、

”会話を拡げ、楽しむことが
非常にやりやすくなった”

と感じています。



そういう意味で、この2つの質問、


『「スライドアウト」と「チャンクダウン」は
”魔法の質問である”』


とすら思っております。
(大げさなではなく本当にそう)



■、、、と期待値を上げておりますが(苦笑)

それではこの2つ、
どんな質問なのでしょう?


それは、


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「スライドアウト」=【他には?】

「チャンクダウン」=【具体的には?】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


です。



、、、え?これだけ?

と聞こえてきそうですが、
本当にこれだけ。


でも、この2つのバリエーションで、
会話を拡げ、深堀り、お互いの関係性も、
相手のこともより理解できるのです。

厳密に言えば、この2つを
色んな言い換えでやれば、
実に盛り上がります。



■ちなみに、少し補足すると、

「スライドアウト」は、直訳すると
『〜を引っ張りだす』という意味です。


”今話をしている内容以外にも
視点を広く拡げていく”

ということで、


「他には何かありませんか?」


と聞いていくのです。

そして、相手の頭の中にあるものをどんどん
出していただくわけです。


■例えば、営業のシーン。

「スライドアウト」で、
話の内容以外にも、拡げていくと
こんな風になることがあります。




営業「懸念点があられるようですね。
どのようなことが引っ掛かっているんでしょうか?」

顧客「もうちょっと、価格が安くなったら
発注しやすくなるんだけどなあ…」

営業「そうでしたか。
他にも何かありますか?」

顧客「あと、納期かな。急だけど来週中に
なんとか納品ができれば助かるんだけどね」

営業「そうですか。
他にも、私にできることは
何かありそうでしょうか?」


顧客「、、、そうだね。あ、そうだそうだ。
来期の話なんだけど、少し情報を集めている
ことがあってね、まだ具体的じゃないんだけど…」


、、、というように。


上記はあくまでイメージですが、

「他には?」
「他には?」
「他には?」

と少しずつ言い方を変えて、
相手に違和感がないように
拡げて聞いていくと、

相手も忘れていた
思いがけないニーズや
知らなかった情報が出てきたりするのです。


すると、ビジネスチャンスが
広がったりすることもある。

(プライベートの会話でも
とても良く使える技法です)



■そして、もう一つ。

『チャンクダウン』。

この言葉の意味は、

・チャンク=塊
・ダウン=小さくする

で、

抽象度が高い話を
”5W1Hの質問”などで
小さな塊に分解していく

という質問の技法です。


そして、代表的な問いが


『具体的には?』


です。



■例えば、友人から
お悩みをされたとしましょう。

こんな風にチャンクダウンしていきます。



友人「最近、ちょっとモヤっとしていることがあるんだよね。
仕事のことなんだけどね、、、」

自分「そうなんだね。。。
どういう話なのかな?」

友人「キャリアについてちょっと迷っているというか。
転職でどちらの会社の方がいいかな、って
考えたりしているんだよね」

自分「なるほど、もうちょっと
詳しく(具体的に)教えてもらえる?」


友人「年収が高いA社にうつるのか、
ある程度自分が予測できる今の会社に残って
自分が活躍する道を探すのかって思っていて」


自分「そうなんだね。
”自分が活躍する道”って、
具体的にどんなことを想像しているのかな?」


、、、みたいなイメージ。


上記はいち例ですが、


『具体的には?』


を効果的に挟むことで、
大きな話の焦点を絞り、

より解像度を上げて
問題や課題を認識できるようになったりします。


そして、質問される方も、
どんどん深ぼって質問されることで、

その答えるプロセスで
よりしっくりくる、こないなど
自分で認識することができるのです。

これまた、実にパワフルな問いです。



■質問には、色々と
効果的な”問い”があります。


万人に通用する問い。

そして、人により受け入れられやすい、
あるいは受け入れられづらい質問もあります。


その中で、まず最初に
質問の技法を身につけるのであれば、

まず以下の2つ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「スライドアウト」=【他には?】

「チャンクダウン」=【具体的には?】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これを使いこなせるようになること、
強くお勧めしたいと思います。


私は、これでどんな人とでも
基本楽しみつつ、対話ができるようになりました。

皆さまも、よろしければぜひ
試してみてくださいね。

本当に、使えます。
おすすめ。


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<本日の名言>

人に真に好かれるには、相手が誰であろうと、
ともに大いに楽しんでいる様子を示すことだ。

ジョセフ・アディソン(イギリスの作家/1672-1719)

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