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3632号 2024年2月4日

今週の一冊『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』

(本日のお話 4099字/読了時間5分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、朝から家族で「東武博物館」なる、
東武のバスや電車が展示されている博物館に行きました。

200円という入場料ですが、様々な電車のシミュレーションや模型が見られて、子供が楽しそうにしていたのが嬉しい時間でございました。

またその後は、自宅まで帰宅ランニング10キロでした(妻と子供は電車)。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、本日は、最近読んだ本の中から、お薦めの一冊をご紹介させていただきます。

新NISAも始まり、投資信託の購入も非常に活気づいているようですが、そんな投資にまつわる、とても学びになる良書でございました。

今日のご紹介の一冊はこちらです↓↓

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<今週の一冊>

『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』

ニック・マジューリ (著), 児島 修 (翻訳)

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■データに基づいた「投資の本」

さて、こちらの本、その帯に「絶対読むべき一冊」と、「『金持ち父さん貧乏父さん』以来の衝撃!などと書かれており、思わず手に取ってしまいました。曰く、”全米屈指のデータサイエンティストによる富を築くための証明済みの方法”だそう。うーん、なんだか凄そうだぞ。

私も初中級者レベルではありますが、積立投資をしている一人として気になります。実際に読み始めたところ、貪るように一気読みしてしまいました。そして思うことは、投資を始めたい・始めている人にとって「これは確かに読むべき一冊!」と思えるというのが感想です。

■投資では「感情よりもデータ」

◯100万円が一瞬で溶けた話

さて、この本のテーマの「投資」について少しだけ、私の失敗談をお話させてください。私は12年ほど前に始めて「株」なるものを買いました。
きっかけは仕事の上司に「今めっちゃ上がってる株あるけど、知ってる?」という一言。今思えば明らかに失敗に匂いしかしないセリフ(苦笑)ですが、よくわからない私は「え、なんですかそれ」と聞いてみて様子を見ていたら、たしかに上昇していきました。

ほほう、では買ってみようかなと最初は10万円を投資しました。しばらくすると、株価があがり、13万円になりました。そしてまだまだ上がる気配がします。これはもっと投資せねば!と、追加10万円、もう追加10万円と投資の勢いも加速していきます。

そして1ヶ月ほどで合計130万円くらい投資しました。そして結果ですが、ある瞬間に一気に波が引くように下落を繰り返し、そして売り時を見失いました。いわゆる「暴落」です。
最大2000円ほどの株価が、300円ほどになってしまいました。。。結果、マイナス100万円。それ以来、「高ぶった感情に任せて投資をすることほど、愚かなことはないんだな」と、身銭を切って学んだのでした。

◯基本から応用までデータに基づいて教えてくれる本

その後、より投資のセミプロである友人A氏(投資信託、株式、不動産購入、FX,仮想通貨まであらゆるものを試している、おそらくほぼFIRE的な人)に相談をして、「こうしたほうがよいよ」と言われたやり方に修正をしてから、プラスのリターンが得られるようになりました。結果やっていることは、よくあるドルコスト平均法なのですが、毎月投資信託を中心に、積立投資しているという現状です。

しかし、私はアドバイザーA氏なしでは、よくわかっていません。どういった理論が背景にあり、具体的に、何にどのように投資をすればよいのか?このことをもう少し詳しく知りたい、と思っていました。

例えば、

・貯金と投資の割合はどれくらいがよいのか?
・投資において、何に投資をすべきなのか?
・いつから始めるべきなのか、いつまでやるべきなのか?

というごく「基本編」から、

・買い方は一度に買うべきか、毎月積み立てるのがよいのか?
・働いて貯金を増やすから、投資で増やすへと変えるステージはいつか?
・投資をするなら、債権と投資信託どれくらいの割合がベストか?
・暴落したタイミングで買いたいが、そう思うことの妥当性とリターンは?
・売るならいつ売るのか?売るべき3つだけの条件とは?

というやや突っ込んだ「応用編」まで、「あらゆる疑問をデータに基づいて解説をしていく」ところに、本書の特徴と、圧倒的な説得力を感じたのでした。
こうした具体的なデータがあれば、自分自身の投資の行動の明確な補助線をもらった感覚になるのです。

◯「一括投資」がパフォーマンスが高いという意外な事実

たとえば、「毎月分割で積立をする」というドルコスト平均方法スタンダードのようなやり方についてもデータに基づいて検討しています。

(1)12ヶ月毎月分割して投資をした場合と、(2)年初に一括して投資をした場合で、どちらのほうがパフォーマンスが高いのかを、1920~2020年前毎年ベースで計算をした結果を分析しました。すると,”実は平均75%の年では「(2)年初に一括して投資をした場合」のほうがパフォーマンスが高かった”、という結果になることがわかったのです。

これは、市場は一貫して成長し続けている。ゆえに、投資は早ければ早いほどよいという結果を裏付ける結果にもなります。これは「分散させたほうがリターンがよい」という感覚と少しズレているかもしれませんが、事実です。

◯暴落へのリスクヘッジをするためのポートフォリオとは?

また、「(1)株式60%/債権40%」で投資でポートフォリオを組んだ場合と、「(2)株式80%/債権20%」、あるいは「(3)株式100%(S&P500)」で資産1ドルあたりの変化はどれくらいなのかを比較し、暴落時の影響をシミュレーションした結果を紹介していました。
すると,「(1)株式60%/債権40%」が暴落の影響が少なくリスクヘッジができるという結果になります。

■投資の黄金率「21のルール」

上記のようなデータがたくさん紹介される400ページにわたる大著が、この一冊ですが、巻末プレミアムとして『ジャスト・キープ・バイイングの21のルール』としてまとめられていました。詳細については、ぜひ本書をお読みいただければと思いますが、印象的だったものをいくつかご紹介させていただきます。

1,お金がない人は「貯金」を、お金がある人は「投資」を重視すべき

100万円のリターンを得たいとしたときに、100万円毎年投資リターンが期待できるほどお金がある人は「投資」を重視、もしそれくらいの”お金がない人”であれば「貯金」を重視して元手を作る必要があります。

今あるのが「10万円の貯金」だとして、その元手で投資を考えても、なかなか増えないのは想像に難くありません。やはり、ステージに応じて、収入を増やすために貯金を重視すべきタイミングはやはりあるようです。

3,節約よりも収入アップ

1に関連しますが、節約には限界がありますが、収入を増やすことには限界はありません。副業なのか現在の組織でキャリアを積んで収入を高めるのか…わずかでもよいので「収入を増やすための方法」を見つけることが、将来の大きな収入アップに繋がる可能性がある、とのこと。そうですね。確かにできることはまだまだあるはず。一歩を踏み出すことが大事なのかもしれません。

5,収入アップ分の50%以上を貯蓄する

収入アップに合わせて生活レベルを上げること(ライフスタイル・クリープはある程度は問題ないのですが、収入が上がったからといって、それを全て消費してしまうとお金の計画が狂ってしまうと述べます。よって、収入が上がったら、収入増加分の半分以下(100万円収入UPなら50万円以下)を生活レベルの向上に当てて、半分以上(100万円収入UPなら50万円以上)を貯蓄することがポイントです。

13、早く買ってゆっくり売る

ほとんどの市場は、時間の経過とともに上昇をしていくことが予想されます。よって、分割してゆっくり買うのではなく、資金があるならば、できるだけ早く買う(一括買い)のほうがデータからはパフォーマンスが高く、望ましいと考えられます。「もうちょっと貯金が増えてから投資を…」ではなく、一刻も早く開始したほうがよさそうです。

14、できるだけ頻繁に投資をする

13にも通じますが、「現金を溜めてタイミングが良いところ(暴落したタイミング)で買う」事を、私達は考えてしまうものです。そして、買うことを先延ばしにする、など。ただし、これもデータで見ると、たとえ「神の目」を持っていて下がったタイミングで買えたとしても、結局ドルコスト平均法(頻繁に定期的に買い続ける)にパフォーマンスで勝てないそう。頻繁に買う、まさにジャスト・キープ・バイイングとのこと。

17、過度に贅沢な暮らしをしようとして大きなリスクを負うのではなく、十分な暮らしができるお金を確実に得ることを重視する

買い続けよ(ジャスト・キープ・バイイング)と本書では主張しているものの、あくまでもその目的は「人生を豊かにするための手段としてのお金」を作ることである。なので、その資金が出来ているのに、リスクを取り続けてお金を増やし続けるのも、それはそれでどうなのか?とも述べています。自分に取ってお金を通じて何を得たいのか…それを問うことも大事なのですね。お金は手段。まさにですね。

■まとめと個人的感想

読んでいて、自分が投資で後悔したことを思い出しました。1つ目は、「個別株に手を出して暴落した」というお話。2つ目は、インフレ気味なのでは?と「買うことを躊躇して、結局上がり続けて機会損失をした」という話です。
また、同時に上手くいった事も思い出しました。それは、投資信託を8年前からひたすら買い続けていたことです。それは、このデータが証明するように、失った暴落の費用よりはるかに多くのリターンをもたらしてくれました。

こうした投資において注意すべきなのか?そして、何を選択すべきなのかを、1920年から2020年までのデータを集め、分析し、そして論理的に答えを示してくれているのが本書です。

経済的な問題を考えなければならないのは、私だけでなく、全ての人にとっての問題でしょう。そ
の中で、投資の世界を大きな視点でデータを見て、何を押さえるべきか、投資をするに当たっての、買う・売る、様々な行動の指針を、この400ページでいただいたような、そんな気持ちになった一冊でした。改めて「投資に興味がある方は絶対買い」の帯は嘘でないと思います。最後までお読み頂き、ありがとうございました!

※本日のメルマガは「note」にも、図表付きでより詳しく掲載しています。
よろしければぜひご覧ください。

<noteの記事はこちら>

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<今週の一冊>

『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』

ニック・マジューリ (著), 児島 修 (翻訳)
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