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2455号 2020年11月10日

質問の技術(3) 〜オープン・クエスチョンには「相手を信じる気持ちと覚悟」が必要〜

(本日のお話 2887字/読了時間4分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は、某企業様にて
「7つの習慣研修 オンライン1日版」の研修実施。

その他、4件の個別コーチングと
1件のアポイントでした。

夜に予定がなかったので
土日休めなかった分、早めに床につきました。
7時間寝て、かなり回復しました。

体調・健康って大事。





さて、本日のお話です。

先日よりお届けしております
「コーチングの技術」シリーズ。
本日も続けてまいりたいと思います。

それでは早速まいりましょう!


タイトルは



【質問の技術(3) 〜オープン・クエスチョンには「相手を信じる気持ちと覚悟」が必要〜】



それでは、どうぞ。



■コーチングにおける「質問」とは、
”コーチが知りたいことを手に入れる”ことではなく、


『クライアントに気づきを与えること』


である、というお話を
これまでお伝えさせていただきました。


そして、
「質問にはどのような効果があるか?」
というと、大きく3つです。


1,オートクライン効果
(自分で話をしていて自分で「あ、そうか!」と気づく効果)

2、焦点をずらす
(クライアントの固定的な視点に対して、別視点から質問することで
思い込みから脱したり、新たな気づきを引き出す)

3,空白効果
(質問されると、脳は答えを探す。
答えられなくとも問いが回り続けるため、気づきが生まれる)


これらの効果により、
クライアントの思考に刺激を与える、

それが「質問」でございます。




■では、そんな大変パワフルな「質問」。

具体的にどのような”スキル”が
あるのでしょうか?

今日はここに目を向けて
まいりたいと思います。
まず1つ目のスキルは


【クローズド・クエスチョン/オープン・クエスチョン】


です。



■おそらく、皆様も、
「クローズド/オープン・クエスチョン」という言葉は
聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?



、、、この2つの質問、

簡単に特徴と例をまとめると、
以下のようになります。

ご存知の方も、復習までに
ぜひ見てみてくださいね。


(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<クローズド・クエスチョン>

◯説明:YES/NOで答えられる質問のこと

◯例:「あなたの趣味はスポーツですか?」
「目標はありますか?」
「それをやりますか?」

◯効果:1, スピード感があり、答えやすい
2,相手の言ったことを確認する
3,決断を促す/コミットメントをとる

※注意点:
回答の幅が狭められ、相手が話したいことを十分に話せなくなる
また、誘導尋問になりがち。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<オープン・クエスチョン>

◯説明:YES/NOで答えられ”ない”質問のこと

◯例:「あなたの趣味はなんですか?」
「どのような目標を目指しますか?」
「それをどのように取り組みますか?」

◯効果:1,相手が自由に回答できる
2,相手から広く情報を収集できる
3,相手が自分で答えを見つけにいくため、自発性を引き出す

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

、、、いかがでしょうか。


見てみると、
なるほど、確かにこの2種類あるな、
言われてみたらそれぞれの効果などもそうだ、

など感じられたのではないか、
と思います。



■やはり、

「元気?」→「はい、元気です」

「仕事は順調?」→「はい、まあまあです」
「特に問題はないかな?」→「特にないですね」

とクローズド・クエッションばかり使っても
一向に、会話に広がりはできません。


会話の入り口などで、

”答えやすいことを活用して、
スピード感やリズムを作る”

という機能として
クローズドクエスチョンは使えますし、

「やるの?やらないの?」

と決断とコミットを迫る意味でも
大変有用な質問ですが、
これだけでは、
『クライアントに気づきを与える』
という質問の目的は果たせません。



■対して、

「最近どう?」→「ちょっと忙しいですね」

「今の気持ちは、どんな感じ?」→「慌ただしくて、落ち着かない感じです」

「今日は、何について話したい?」→「うーん、業務整理について、でしょうか」


みたいな、オープン・クエスチョンの方が
相手から自由に会話が引き出せて、
広がりもあるのもわかります。


なので、コーチングでは

”オープン・クエスチョンが基本”

になるわけです。

こう聞くと、

「そうだよね、オープン・クエスチョンをしよう!」

と大体思うのではないかと。



■しかし、現実を見ると、これが

「意外とできない」

のです。


それは、なぜか?

それは「恐れ」や「不安」があるからです。



■例えば私の例。

コーチングを学び始めたときに、
「ロープレをやってみましょう」
というシーンがありました。

コーチングの先生が、こう言います。


「相手に気付きを起こさせる質問として
効果的なものがあります。それが、

『ここまで話してみて、どうですか?』

という質問です。
これによりオートクラインが起こりやすくなります
ぜひロープレでやってみてください」


、、、と。


■その後、実際のコーチングを
モニターのクライアントの方に対して
やってみようと思いました。


1時間のコーチングです。

何度か質問などのやり取りをして
対話も深まってきたところで、
少しの間ができました。

そして、例の質問を
言おうとします。

「ここまで話してみて、どうですか?」

、、、と。


■よし、言うぞ!

、、、しかし、
結局口に出たのは、

「ここまで話をしてみてみましたが、
この問題について、整理できましたか?
何か気づきがありましたか?」


オープンだかクローズドだかわからない、
なんだかごちゃっとした質問でした。。。

ああ、言えなかった。。。

自分で心の中の
抵抗感に気づいていました。



■このとき、私の中で
何が起こっていたのか?

それは「恐れ」でした。

自分の頭の中で勝手に想像していたのです。
クライアントの方が、

(「この質問で何を聞きたいんだろうか?」、と
思われないだろうか)

(「具体的じゃない、ふわっとした質問して
全然、論理的じゃない人だな」、と
思われないだろうか)

( 「どうって言われても、、、」と、
クライアントが全く答えられなかったら
どうしよう)


、、、という、
自分に矢印を向けた恐れが
顔をもたげてきたのです。



■結局、要は、

「自分がどう思われるか?」

がきになっていたのです。

これはクライアント中心ではなく、
自分の事を気にしています。

自分の弱さ、恐れ、内面の脆弱さが、
このたった一つの質問、

「ここまで話してみて、どうですか?」

だけで、露出してしまったのでした。。。



■つまり、結局
いくらクローズドクエスチョン・オープンクエスチョンなど
の技術や手法をしっていても、


そして、

・「必ず相手の中には答えがある!」という
クライアントを信じる気持ちを持つ

・クライアントからどのような答えが来ても、
すべて受け止めるという覚悟を持つ

というマインドがなければ、
技術も機能しないのです。



■良いピッチャーが
下半身を鍛えているのと同じように、
コーチングの技術とは、
その土台のマインドにこそあります。


ゆえに、


【オープン・クエスチョンには「相手を信じる気持ちと勇気」がいる】

のです。


もし、相手の中に可能性がある、
答えがあると思いきれていないのだとしたら。

相手の答えをすべて受け止める覚悟がなければ。

それは土台の脆弱さとして、
表面の対話に現れます。


「コーチは勇者たれ」。
結局、”あり方”なのです。



最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>

偉大な人物の電気を読むと、
彼らが最初に勝利する相手は自分自身である。

ハリー・トルーマン(第33代米国大統領/1884-1972)

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