質問の技術(3) 〜オープン・クエスチョンには「相手を信じる気持ちと覚悟」が必要〜
(本日のお話 2887字/読了時間4分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は、某企業様にて
「7つの習慣研修 オンライン1日版」の研修実施。
その他、4件の個別コーチングと
1件のアポイントでした。
夜に予定がなかったので
土日休めなかった分、早めに床につきました。
7時間寝て、かなり回復しました。
体調・健康って大事。
*
さて、本日のお話です。
先日よりお届けしております
「コーチングの技術」シリーズ。
本日も続けてまいりたいと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは
【質問の技術(3) 〜オープン・クエスチョンには「相手を信じる気持ちと覚悟」が必要〜】
それでは、どうぞ。
■コーチングにおける「質問」とは、
”コーチが知りたいことを手に入れる”ことではなく、
『クライアントに気づきを与えること』
である、というお話を
これまでお伝えさせていただきました。
そして、
「質問にはどのような効果があるか?」
というと、大きく3つです。
1,オートクライン効果
(自分で話をしていて自分で「あ、そうか!」と気づく効果)
2、焦点をずらす
(クライアントの固定的な視点に対して、別視点から質問することで
思い込みから脱したり、新たな気づきを引き出す)
3,空白効果
(質問されると、脳は答えを探す。
答えられなくとも問いが回り続けるため、気づきが生まれる)
これらの効果により、
クライアントの思考に刺激を与える、
それが「質問」でございます。
■では、そんな大変パワフルな「質問」。
具体的にどのような”スキル”が
あるのでしょうか?
今日はここに目を向けて
まいりたいと思います。
まず1つ目のスキルは
【クローズド・クエスチョン/オープン・クエスチョン】
です。
■おそらく、皆様も、
「クローズド/オープン・クエスチョン」という言葉は
聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
、、、この2つの質問、
簡単に特徴と例をまとめると、
以下のようになります。
ご存知の方も、復習までに
ぜひ見てみてくださいね。
(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<クローズド・クエスチョン>
◯説明:YES/NOで答えられる質問のこと
◯例:「あなたの趣味はスポーツですか?」
「目標はありますか?」
「それをやりますか?」
◯効果:1, スピード感があり、答えやすい
2,相手の言ったことを確認する
3,決断を促す/コミットメントをとる
※注意点:
回答の幅が狭められ、相手が話したいことを十分に話せなくなる
また、誘導尋問になりがち。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<オープン・クエスチョン>
◯説明:YES/NOで答えられ”ない”質問のこと
◯例:「あなたの趣味はなんですか?」
「どのような目標を目指しますか?」
「それをどのように取り組みますか?」
◯効果:1,相手が自由に回答できる
2,相手から広く情報を収集できる
3,相手が自分で答えを見つけにいくため、自発性を引き出す
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)
、、、いかがでしょうか。
見てみると、
なるほど、確かにこの2種類あるな、
言われてみたらそれぞれの効果などもそうだ、
など感じられたのではないか、
と思います。
■やはり、
「元気?」→「はい、元気です」
「仕事は順調?」→「はい、まあまあです」
「特に問題はないかな?」→「特にないですね」
とクローズド・クエッションばかり使っても
一向に、会話に広がりはできません。
会話の入り口などで、
”答えやすいことを活用して、
スピード感やリズムを作る”
という機能として
クローズドクエスチョンは使えますし、
「やるの?やらないの?」
と決断とコミットを迫る意味でも
大変有用な質問ですが、
これだけでは、
『クライアントに気づきを与える』
という質問の目的は果たせません。
■対して、
「最近どう?」→「ちょっと忙しいですね」
「今の気持ちは、どんな感じ?」→「慌ただしくて、落ち着かない感じです」
「今日は、何について話したい?」→「うーん、業務整理について、でしょうか」
みたいな、オープン・クエスチョンの方が
相手から自由に会話が引き出せて、
広がりもあるのもわかります。
なので、コーチングでは
”オープン・クエスチョンが基本”
になるわけです。
こう聞くと、
「そうだよね、オープン・クエスチョンをしよう!」
と大体思うのではないかと。
■しかし、現実を見ると、これが
「意外とできない」
のです。
それは、なぜか?
それは「恐れ」や「不安」があるからです。
■例えば私の例。
コーチングを学び始めたときに、
「ロープレをやってみましょう」
というシーンがありました。
コーチングの先生が、こう言います。
「相手に気付きを起こさせる質問として
効果的なものがあります。それが、
『ここまで話してみて、どうですか?』
という質問です。
これによりオートクラインが起こりやすくなります
ぜひロープレでやってみてください」
、、、と。
■その後、実際のコーチングを
モニターのクライアントの方に対して
やってみようと思いました。
1時間のコーチングです。
何度か質問などのやり取りをして
対話も深まってきたところで、
少しの間ができました。
そして、例の質問を
言おうとします。
「ここまで話してみて、どうですか?」
、、、と。
■よし、言うぞ!
、、、しかし、
結局口に出たのは、
「ここまで話をしてみてみましたが、
この問題について、整理できましたか?
何か気づきがありましたか?」
な
オープンだかクローズドだかわからない、
なんだかごちゃっとした質問でした。。。
ああ、言えなかった。。。
自分で心の中の
抵抗感に気づいていました。
■このとき、私の中で
何が起こっていたのか?
それは「恐れ」でした。
自分の頭の中で勝手に想像していたのです。
クライアントの方が、
(「この質問で何を聞きたいんだろうか?」、と
思われないだろうか)
(「具体的じゃない、ふわっとした質問して
全然、論理的じゃない人だな」、と
思われないだろうか)
( 「どうって言われても、、、」と、
クライアントが全く答えられなかったら
どうしよう)
、、、という、
自分に矢印を向けた恐れが
顔をもたげてきたのです。
■結局、要は、
「自分がどう思われるか?」
がきになっていたのです。
これはクライアント中心ではなく、
自分の事を気にしています。
自分の弱さ、恐れ、内面の脆弱さが、
このたった一つの質問、
「ここまで話してみて、どうですか?」
だけで、露出してしまったのでした。。。
■つまり、結局
いくらクローズドクエスチョン・オープンクエスチョンなど
の技術や手法をしっていても、
そして、
・「必ず相手の中には答えがある!」という
クライアントを信じる気持ちを持つ
・クライアントからどのような答えが来ても、
すべて受け止めるという覚悟を持つ
というマインドがなければ、
技術も機能しないのです。
■良いピッチャーが
下半身を鍛えているのと同じように、
コーチングの技術とは、
その土台のマインドにこそあります。
ゆえに、
【オープン・クエスチョンには「相手を信じる気持ちと勇気」がいる】
のです。
もし、相手の中に可能性がある、
答えがあると思いきれていないのだとしたら。
相手の答えをすべて受け止める覚悟がなければ。
それは土台の脆弱さとして、
表面の対話に現れます。
「コーチは勇者たれ」。
結局、”あり方”なのです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
============================
<本日の名言>
偉大な人物の電気を読むと、
彼らが最初に勝利する相手は自分自身である。
ハリー・トルーマン(第33代米国大統領/1884-1972)
============================