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『残酷すぎる成功法則 ー9割まちがえる「その常識」を科学するー』

今週の一冊 『残酷すぎる成功法則 ー9割まちがえる「その常識」を科学するー』

2145号 2020年1月5日

(本日のお話 2322字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は、読書。
また川沿いを散歩しながら、英語の学習。
ならびに年明けの計画などでした。

良い感じにスイッチが、
切り替わってきています。

明日からが楽しみ(な気がする!)。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、オススメの一冊をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、

===========================

『残酷すぎる成功法則 ー9割まちがえる「その常識」を科学するー』

エリック・バーカー (著), 橘玲 (監修, 翻訳),


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です。


■世の中には、数多の

「自己啓発本」

と呼ばれる類のものが、
たくさん出版されていますね。

そして、それらの本には、
いわゆる”成功”のためには、

・他者にはまず与えることから始めよう、

・継続は力なり、とにかく諦めないこと

・相手を信じ続けよ

・色んな人との繋がり、ご縁を大切にせよ、

などなど、
数多くの「成功のための考え方」が
紹介されています。


■自己啓発本、ビジネス本、
その境目は曖昧ですが、

”自分をより良くしていく、より高めていく、
 そして成功を求める系の本”

では、同じような話が
手を変え品を変え、何度も登場します。

これらの本を手に取られたことがある方であれば
おそらく、ご認識の通りかと。


■「自己啓発本」の特徴とは、

”一見、否定のしようがなさそうな書いてある”

ところにあります。

例えば、

「人を信じる」

というのもその一つでしょう。


”人を信じ、人間性を磨く。 
その行為によって、人から信頼され
巡り巡って、望ましい結果が手に入るものだ”

その意見とともに、
「成功のエピソード」がここぞとばかりに語られたら、

「信じるって大事なんだ!」

となって然るべきかと思います。
(そして、実際、私も大事だと思います)

■しかし、よくよく考えると、
ある疑問が浮かぶのです。

現実、本当にそうなのか。
本当に、信じれば、成功するのか?

例えば、周りの環境が、
したたかに出し抜いてやろう、と思う集団だったとしても?

その「人を信じる」は、通用するのか?

、、、と。


これらのそれぞれについて、
殆どの場合の実験をしていないのです。

データの正確さを見極める、
「二重盲検法」とか「ランダム化対照実験」
みたいな話はされず、

「世の原則です」

で終わることも、多くなってしまう。

そして、自己啓発本は
(これが悪いと言っているわけではないのですが)
傾向として、科学的に証明できないことの集合体になりがちで、

よって、その”自己啓発”という、
ちょっと胡散臭さを感じる人もいる状況を、
払拭できないのであろう、とも思うのです。


■そんな状況に対して、今回ご紹介の、

『残酷すぎる成功法則 ー9割まちがえる「その常識」を科学するー』

の一冊。

これは、その状況に、
”一矢報いた”一冊である、

私はそう感じております。


■それは、なぜか。

例えば、上記に紹介した、

「人を信じる」

という行為において、

1,「人を信じ続けたほう」がよいのか
2,「人を疑ってかかったほう」がよいのか
3,「信じる&疑う」のミックスがよいのか。
   そのバランスはどれくらいがベストか

のそれぞれの選択肢において、

『どのチョイスが実験から、
 もっとも成功確率が高いのか』

を、大学教授の研究、社会学の実験のデータ等々を駆使し、
説得力のある答えを導き出しています。

数多くあるエビデンス。
しかし、散らばっているものを、
うまく統合させて、一つにまとめたイメージ。


■科学できない”意見”に見える、
自己啓発的な見解を、データを駆使して、

”成功の確率を高める最も有用な行動はなにか”

を示していく。

ここが著書の最大の特徴であり、
お勧めポイントです。


(ちなみに、「人を信じるかどうか」の、
 実験結果による結論は、

 『しっぺ返し戦略』

 が”「人生というゲーム」では、
 最も有効であるとのこと。

 ステップは、

 1,最初は、「人を信じる」から始める
 2,もし相手が裏切ってきたなら、自分もやり返す(=しっぺ返し)
   相手が信じてきたら、自分も信じる
 3,以降、繰り返す

 という戦略が、シミュレーションによると、
 もっとも得る結果の総和が大きくなる、とのこと。

 続きの話もあるので、
 詳しくは著書を読んでみてくださいね!)


■本は400ページ超と分厚いのですが、

アメリカで30万人の読者を誇る人気ブログ、
『Barking Up the Wrong Tree』
(※意味:間違った人やものに注意や努力を向けること)

が元になっており、ブログの中でも
特に反響が高かった記事を書籍化したとのこと。

ゆえに、全部面白いです。

かつ、エビデンス付きで、
分厚いのに、密度が高い話ばかり。


私(紀藤)がこの数年間で
読んできた本の諸々の法則が、
ものの見事に集約されていました。

エビデンスの実験の根拠など気になる方には、
少し薄い内容と感じられるかもしれませんが、
贅沢な本だと感じました。


以下、本の内容紹介です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

世の中のありとあらゆる「成功ルール」を検証した全米ベストセラー。
あなたがこのままではダメになる理由とこれからうまくいく方法、
ぜんぶ最新の証拠(エビデンス)をつけて教えます!


◎あなたは成功者の実像を間違えていませんか?

・成功者は優秀?――NO! アメリカの大富豪の大学での成績はよくない
・成功者は社交的?―― NO! 第一線の専門家やトップアスリートの9割は、「内向的」
・成功者は健康?―― NO! シリコンバレーの成功者の多くは精神疾患スレスレ


◎最先端の「成功サイエンス」を知っていますか?

・世界を変えるのは、あなたの「長所」ではなく「欠点」
・自信より大切な「自分への感情」とは?
・10年前には存在しなかった新しい「巨大ストレス」と予防法


アダム・グラント、ダニエル・ピンク・・・有名作家がこぞって絶賛!
「ニューヨーク・タイムズ」や「ウォール・ストリート・ジャーナル」で
何度も記事が引用されている「米最重要ブロガー」衝撃のデビュー作!

2017年上半期、米アマゾンが選ぶ「ベストビジネス書」の1冊にも選定!


※『残酷すぎる成功法則 ー9割まちがえる「その常識」を科学するー』
  Amazon 内容紹介より引用

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「成功法則」系の本が好きな人は、
ぜひ、読んで損はない一冊。

お勧めです。

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<今週の一冊>

『残酷すぎる成功法則 ー9割まちがえる「その常識」を科学するー』

エリック・バーカー (著), 橘玲 (監修, 翻訳),


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