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2020号 2019年9月1日

今週の一冊『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』

(本日のお話 1992字/読了時間2分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は、コーチング勉強会の実施。
並びに研修の企画、読書などでした。


さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、

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『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』
山田 詠美 (著)



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です。


■この本を購入したきっかけ。

最近、地下鉄の電車の中吊り広告で、
『つみびと』という本の広告がありました。

そのサブタイトルには、

”灼熱の夏、23歳の母・蓮音は、
 なぜ幼な子二人をマンションに置き去りにしたのか。
 真に罪深いのは誰なのか。

 あの痛ましい事件に山田詠美が挑む。
 虐げられる者たちの心理を深く掘り下げて、
 日経新聞連載時から話題を呼んだ、迫真の長編小説”

と書かれたものがあり、非常に興味がわき、
Amazonで検索してみました。

ビジネス書より、こういった人の心理を描いた本のほうが、
実は勉強になるな、と最近よくよく思います。


■しかし、まだ単行本で高かったので、
「またにしよっかな」と思っていたら、

同じ山田 詠美氏の著作で、

『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち (幻冬舎文庫)』

という非常に興味深いタイトルが目に入り、
かつ、これまた非常に高評価。

ついそちらを買ってしまいました。

(、、、という長い前置きでした。

 ちょっと余談ですが、個人的に興味がある著者がいたら、
 その人の一番評価が高い本から読むようにしています。
 すると、なんとなく合う合わないがわかる気がするし、あまりハズれがありません)
 一つの本の探し方の共有でした)


■さて、ではこの、

『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち (幻冬舎文庫)』

はどんな本なのか。

一言でいうと、「小説」です。

しかも、結構全般を通して、
”けっこう重たいテーマ&ストーリー”です。

あらすじは以下の通り。
(以下Amazonより引用です)

”ひとつの家族となるべく、東京郊外の一軒家に移り住んだ二組の親子。
 それは幸せな人生作りの、完璧な再出発かと思われた。

 しかし、落雷とともに訪れた長男の死をきっかけに、
 母がアルコール依存症となり、一家の姿は激変する。

 「人生よ、私を楽しませてくれてありがとう」。
 絶望から再生した温かい家族たちが語りだす、喪失から始まる愛惜の物語。”


とのこと。


■「人の死」とは、本当に深いテーマで、
誰もが必ず考える、普遍のテーマでもあると思います。

私もよく考えます。

ただ個人的にはありがたいことに
自分の身近には”死”というのが、
比較的縁遠い人生を送ってきました。


ただ、

”いつ、誰が、どんな形で死を迎えるのかはわからない”

というのは事実であり、
漠然と思い続けている不安でもあります。

自分が”残す側”になった場合、
あるいは”残される側”になった場合、

それぞれ、心情に、実際の物質的変化において、
どんな事が起こり、どんな心情になるのか…

かけがえのない人を失った時、
自分がどうなってしまうのか。

、、、

想定してもしきれない「痛み」により、
自分の身を剥がされる想いにより、どうなるのか。

そして、その”痛み”とは、
例えば『7つの習慣』の考え、
その他の過去の賢人の知恵を持っても、
抗えないほどの力なのだろう…

と思うわけです。

だから、せめて想像しておきたい。
心構えをしておきたい。


■別の話ですが
『社会的排除―参加の欠如・不確かな帰属』(著:岩田 正美)
という本があり、

”社会で活躍していた人が、
なぜホームレスになってしまうのか、
社会的に排除されてしまうのか”

を調査した本があります。

これによると、一番多い原因の一つが

「配偶者の死」

であることがわかりました。

そこからなし崩し的に生活が崩壊していく、
それが一つのパターンとしてあるそうです。


■今回ご紹介している、

『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち 』

の本は、まさしく、

「幸せな家庭が”最愛の長男の死”によって、
 母親のアルコール依存、入退院の繰り返し」

そこから引き起こされる、
家族の崩壊と再生の物語として描かれていきます。

長男の死を受け入れられない母親。

なくなった長男の代わりに、
愛情を独り占めできると感じた次男の葛藤。

母親のアルコール依存によって、
家族の面倒をみることになった長女。

長男の存在によって、苛めに合うようになった末娘。

同じく前妻に先立たれ、再婚したものの、
母親がそのようになり仕事との間で悩む父親。

、、、

それぞれの主観から、
鮮やかに、臨場感を持って描かれます。

その著者の心的描写の凄さが、
まるで自分が仮想体験しているように引き込まれる、

そんな作品です。


■最後は、
”長男の死”を乗り越えていく、さあ、がんばろう、、、、
というシンプルな話ではないのですが、

その”死”を受け止めていくプロセスで、
家族が自分たちを再構築していく

そんなハッピーエンドで終わる、
読了感の良いお話です。


大切な人をなくした痛み。

そこから始まる、
人間のその繊細な心とエピソードを、
体験できる、そんな一冊。

よろしければ、ぜひ。

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<今週の一冊>

『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』
山田 詠美 (著)


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