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3277号 2023年2月12日

今週の一冊『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』

(本日のお話 2856/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は17キロのランニング。
その他、読書など。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、
お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。


本日のタイトルからすると

「ちょっと私には関係ないな、、、」

と思ってしまう方も、
少なくないかもしれません。


しかし、実に奥深い、

”人体の構造について”

理解が進む稀有な本でございます。

ということで、ご紹介してまいりたいと思います!

今週の一冊は、

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『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』

トーマス マーク (著), トム マイルズ (著), ロバータ ゲイリー (著),
小野 ひとみ (監訳), 古屋 晋一 (翻訳)/春秋社

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です。



■個人的な話ですが、

小学生の頃、数年習っていたピアノを
コロナ禍になってから
趣味としてピアノを再開しました。


そして現在、
来月3月に行われる
「ピアノの発表会」に向けて、
淡々と練習しております。



■演奏する曲は

『革命』(ショパン)

というもので、正直
かなりムズイです。。。


私にとっては背伸びした曲ですが
格好良い曲なのでぜひチャレンジしてみたい、
ということで選曲。


かれこれ10ヶ月くらい練習しておりますが、
これがまだまだ聴かせられるレベルではなく、
革命的なほどのヘタっぷりです。

別の意味で、曲を表現しております。



■月1のレッスンの中で
先生に相談します。

「もう、指が疲れちゃって
 最後までスタミナが持たないですわ・・・」
 
すると、先生から
フィードバックがあります。


「たしかに、力が入っていますよね。

 ひじと、手首も
 もっと柔らかく使ったほうが
 良いと思いますよ。
 
 あ、そうだ! そういえば
 こういう本があって・・・」

と紹介された本が、
今週ご紹介の一冊でした。



■その本、早速注文し、
開いて見ると中身に驚きました。

、、、というのも、

図解付きの大判の本ですが、
ピアノの鍵盤の絵はほぼゼロ。

全編を通じて、

「人体の骨の構造」

「人体の筋肉の構造」

のリアルな絵がひたすら書かれています。

小学校のとか中学校の
化学室にあった人体模型のアレが
絵で書かれている感じです。



■最初は、

・頭蓋骨
・脊椎 
・骨盤
・大腿骨

など腕と関係ないところから始まります。

そして、

・胸骨
・鎖骨、肩甲骨
・腕
・手首
・指

と、全身の構造をひたすら
仔細に説明をしていきます。


真ん中くらいまで、
「手」の話にすら触れないのです(汗)


頭、下半身、、、

それが最終的に
手・指の動きにどのように
働きかけていくのか、

それらを解説をしています。



■そして、
この書籍のキーワードが


【ボディ・マッピング】


なる言葉です。

これは何なのか?というと、
自分が体を動かすとき

”体がどのように動くかの
 自分のイメージ”
 
を意味します。



■例として一つ挙げます。

例えば、

”歩く”

をイメージしてみて下さい。



まず、多くの方は、
下半身とは”腰骨のあたり”から
始まるとイメージされていると思います。
(腰骨を触ってみてください)

そして、たぶん
「腰骨から下が”足”」として

足を動かすイメージを
お持ちなのではないでしょうか。



■、、、しかし、実は違います。

その腰骨は”骨盤”なのです。

人体の構造的には
上半身に属します。


では、どこからが下半身なのか?

すなわち脚なのか?

それを確かめるために、
こんな方法があります。

(よろしければ
 一緒にやってみてください)


1,まず、腰骨に親指を当てます。

2,親指を当てたまま、その手の人差し指を
  下に伸ばします。
 
3,そして歩いてみます。
  その時に、”人差し指の感覚”に注意を払います。
 
4,すると、人差し指の下の骨が
  ちょうつがいのように動いている事に気づきます

5,そこが「大転子」という呼ばれる
  大腿骨と骨盤をつなぐ関節になります。


そして、そこから下が「脚」なのです。

すなわち、脚は
私たちがイメージしているよりも、

”もっと下から始まっている”

ということです。



■と、いうように、

「自分の頭の中にある
 実は誤った体のイメージ」
 


「実際の、正しい体の
 動き方のイメージ」
 
に変えていく。


このことによって

自然に、無理なく、
人体の仕組みに沿った形で

体を動かす、コントロールすることが
できるようになる。


それが

【ボディ・マッピング】

という、本書で伝えたい
メッセージなのです。



■以前、百獣の王こと、

抜群の運動神経を誇る
タレントの武井壮さんが
こんな事を言っていました。


彼が出ている番組で、
番組の人が、本人に
こんな質問をしました。

「なぜ、そんなに
 あらゆる運動種目をすぐに
 習得することができるのか?」

というもの。

対して、武井壮さんは、

「なぜなら自分は、
 自分の体がどのように動くのか
 正しく理解をしているから」

と答えていました。



■曰く、

「例えば、腕を真っ直ぐ、
 平行に伸ばそうとするとき、
 多くの人はやや内側に入るイメージを持ちます。
 
 しかし、実際はそれよりもちょっとだけ
 後ろの感覚で行うと正しく平行になるんです。
 
 こうした感覚を一つずつ
 修正していくんです」
 
そんなお話を語っていました。


、、、そして、

このボディ・マッピングの話を
読んだときに、まさに全く同じ話じゃん、

と合点が行きました。

(大げさかもしれませんが、

 武井壮さんの持つ体のイメージを
 習得するための本、

 と勝手に解釈しています)



■自分の体を効率的かつ、
リラックスして動かすイメージを持つこと。

自分の体の動き方を
その連動がどのように起こるのかを、
正しく知ること。


その認知が置き換わっただけで、
緊張もないため、持久力もパワーも
格段に高まります。

体も動かしやすくなるし、
故障も痛みも出なくなります。



■私(紀藤)は、この本を読んで、
ボディ・マッピングを試すことで

ピアノというよりも、

・ランニングが
 楽に走れるようになった
 
・パソコンのタイピングが
 正しく、より早く打てるようになった
 
などの影響がありました。


ピアノはもっと繊細なので
練習が必要ですが、

ボディ・マッピングの効果は
すごいな、、、と驚きました。



■ということで以下、
書籍のご紹介です。


(ここから)
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コナブルのボディ・マッピングによる「身体の上手な使いかた」。

この本は、いつも譜面台に置いて使ってみてください。
痛みやコリに悩まされず、快適で、思い通りの演奏が可能になります。

人間の身体の基本構造と機能(動き方)、
全身に6ヶ所あるバランス・ポイントをおさえたあと、
いよいよピアニスト大注目の「腕」「肩」「手と指」を詳しく解説。

大きな見やすいイラストは、
見ているだけで目からウロコの発見がたくさんあります。

指先から全身まで、
カラダにできること・できないことをしっかり理解し、
無理をしない/させない使いかたをマスターしましょう。

簡単にできるエクササイズ、
足も使うオルガニストに向けた説明もついています。

※Amazon本の紹介より引用
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)



もしこのような「体のお話」にご興味がある方は、
ピアノの経験有無に関わらず
有益な情報が得られる一冊になるかと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』

トーマス マーク (著), トム マイルズ (著), ロバータ ゲイリー (著),
小野 ひとみ (監訳), 古屋 晋一 (翻訳)/春秋社

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