質問の技術(2) 〜質問は、「焦点のずらし&別視点の気づき」をもたらしてくれる〜
(本日のお話 1794字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日日曜日は朝からオンラインでの
コーチング・ワークショップの実施。
その後、午後からは、
友人の講師の研修リハーサルの壁打ちに
お供しておりました。
自分が主体となっていると
見えないことでも、
距離をおいて見てみると
見えるものがあるなと、
勉強になった次第。
視点を変えることって、大事です。
*
さて、本日のお話です。
先日よりお届けしております
「コーチングの技術」シリーズ。
本日も続けてまいりたいと思います。
昨日からは「質問の技術」に入りました。
では早速まいりましょう!
タイトルは
【質問の技術(2) 〜質問は、「焦点のずらし&別視点の気づき」をもたらしてくれる〜】
それでは、どうぞ。
■「Q、質問には、どのような効果があるのか?」
と問われたら、
皆様はどう答えるでしょうか?
おそらく色々あるかと思います。
そして、答えは一つではありません。
ただ、代表的な効果の1つは
コーチングの世界では
『オートクライン効果』
(=自分で話をしていて「あ、そうか!」と自分で気づきを得る)
があると言われております。
人は自分で話をしていて
「はっ!そうだったのか」
「自分で話していて気づいたんだけど…」
となるのです。
※詳しくは、前回のメルマガを御覧くださいませ
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/3664032/
■しかし、質問の効果は
『オートクライン効果』だけでは
ありません。
その他にも、”質問”の
パワフルな効果があるのです。
それは、なんでしょうか?
もう1つの特徴、それは
【焦点をずらす】
という効果です。
言い換えると、
『相手に”別視点”の切り口を与える』
ともいえるでしょう。
■人は、1人で考えていると、
”いつの間にか同じ思考を
ぐるぐる回してしまう”
ものです。
考えているようで、
結局同じ問いを一人でしていて
出口のない迷路のように、ただただ
時間だけが過ぎてしまうことが、ままある。
人は一人ひとり、
「いつもの思考パターン」があります。
頭の中で、
自分が頻繁に使う問いは
同じだったりするのです。
だから、コーチが外からみた、
「別視点」で問うことで、
はっとさせらたりするのです。
■例えば、先日、
こんな例がありました。
クライアント
「ダイニングテーブルを買おうと思っているんです。
でもなかなか決まらなくて…」
コーチ
「そうなんですね。
もう少し詳しく聞かせていただけますか?」
クライアント
「はい、部屋のデザインから茶色がいいかな、
と思っているのんですが、
単品では黒の方がいいなって思っていて。
あと、長く使えるものを考えると、
少し予算が上がったりして、ちょっと
悩ましいなあと思って、決めきれないでいます。
予算とデザインのバランスですかね」
コーチ
「予算とデザインのバランスで迷っているんですね。
、、、ちなみに、そもそも
『そのダイニングテーブルを通じて何を得たい』
のでしょうか?」
クライアント
「何が得たい、、、?
うーん、難しい質問ですね。
なんでしょうね。
、、、でも、
一家団欒の時間を増やしたいのかも。
夕食を一緒に囲んで話をする時間を
もっと、作りたいんだなって、
話しながら思いました。」
、、、というお話。
■さて、上記の
コーチとクライアントの対話で、
何が起こっていたのでしょうか?
これは【焦点をずらす】という一つの例です。
コーチが
”ダイニングテーブルを通じて
何を得たいのか?”
というように、
「ダイニングテーブルを買う」という
目の前の目標から焦点を外して、
「ダイニングテーブルで何を達成したいのか」という目的に
目を向けるように促した、
ということです。
つまり、「別視点」を渡した、
といえます。
クライアント一人だと、
・デザインはどっちのほうがより部屋に合うか?
・その上で、AとB、どちらがよいか?
という思考に囚われてしまう。
ただ、コーチなど別の人が
”別視点の切り口の質問”を投げかける。
そこから、違う思考パターンが生まれ、
気づきが生まれるのです。
■どの質問が正解かは
誰にもわかりません。
ただ、
「そもそも何を得たいのですか?」(””目標”の焦点をずらす)
「もし予算に限りがなかったら、
どんなふうにしたい?」(”制約”の焦点をずらす)
「これまで大事な家具を買う時に、
何を大切にしてきたのか?」(”過去”の焦点をずらす)
「ダイニングテーブル以外でも、
何か気になっていることはある?」(”対象物”の焦点をずらす)
、、、などなど、
過去と未来とか
抽象と具体など
人やモノなど、
新たな選択肢など、
色々な「別視点」は、
外にいる人(コーチ)だからこそ、
思いつくことができるし、渡すことができる。
そして、その別視点によって
またクライアントは新しい思考を得て、
自分で考えを拡げることができるのです。
■ということで
「Q、質問には、どのような効果があるのか?」
を改めて考えたとき、
【焦点をずらす】
ことにより、
『クライアントに”別視点の切り口”を渡すことができる』
これを質問の効果として
ぜひ覚えておきたい、
そんな風に思っている次第です。
いい質問は、相手へのギフトです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
============================
<本日の名言>
自己に閉じ込められ、自己にこだわっている間は、
世界を真に見ることができない。
自己が自由に、自在に動くとき、世界もいきいきと生動する。
道元(鎌倉時代の禅僧/1200-1253)
============================