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2454号 2020年11月9日

質問の技術(2) 〜質問は、「焦点のずらし&別視点の気づき」をもたらしてくれる〜

(本日のお話 1794字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日日曜日は朝からオンラインでの
コーチング・ワークショップの実施。

その後、午後からは、
友人の講師の研修リハーサルの壁打ちに
お供しておりました。

自分が主体となっていると
見えないことでも、

距離をおいて見てみると
見えるものがあるなと、
勉強になった次第。

視点を変えることって、大事です。



さて、本日のお話です。

先日よりお届けしております
「コーチングの技術」シリーズ。
本日も続けてまいりたいと思います。

昨日からは「質問の技術」に入りました。
では早速まいりましょう!


タイトルは


【質問の技術(2) 〜質問は、「焦点のずらし&別視点の気づき」をもたらしてくれる〜】


それでは、どうぞ。




■「Q、質問には、どのような効果があるのか?」


と問われたら、
皆様はどう答えるでしょうか?


おそらく色々あるかと思います。
そして、答えは一つではありません。

ただ、代表的な効果の1つは
コーチングの世界では


『オートクライン効果』
(=自分で話をしていて「あ、そうか!」と自分で気づきを得る)


があると言われております。

人は自分で話をしていて

「はっ!そうだったのか」
「自分で話していて気づいたんだけど…」

となるのです。

※詳しくは、前回のメルマガを御覧くださいませ
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/3664032/



■しかし、質問の効果は
『オートクライン効果』だけでは
ありません。

その他にも、”質問”の
パワフルな効果があるのです。


それは、なんでしょうか?

もう1つの特徴、それは


【焦点をずらす】


という効果です。

言い換えると、

『相手に”別視点”の切り口を与える』

ともいえるでしょう。



■人は、1人で考えていると、

”いつの間にか同じ思考を
ぐるぐる回してしまう”

ものです。

考えているようで、
結局同じ問いを一人でしていて
出口のない迷路のように、ただただ
時間だけが過ぎてしまうことが、ままある。


人は一人ひとり、
「いつもの思考パターン」があります。

頭の中で、
自分が頻繁に使う問いは
同じだったりするのです。


だから、コーチが外からみた、
「別視点」で問うことで、
はっとさせらたりするのです。


■例えば、先日、
こんな例がありました。


クライアント
「ダイニングテーブルを買おうと思っているんです。
でもなかなか決まらなくて…」


コーチ
「そうなんですね。
もう少し詳しく聞かせていただけますか?」


クライアント
「はい、部屋のデザインから茶色がいいかな、
と思っているのんですが、
単品では黒の方がいいなって思っていて。

あと、長く使えるものを考えると、
少し予算が上がったりして、ちょっと
悩ましいなあと思って、決めきれないでいます。

予算とデザインのバランスですかね」


コーチ
「予算とデザインのバランスで迷っているんですね。

、、、ちなみに、そもそも
『そのダイニングテーブルを通じて何を得たい』
のでしょうか?」


クライアント
「何が得たい、、、?

うーん、難しい質問ですね。
なんでしょうね。

、、、でも、
一家団欒の時間を増やしたいのかも。

夕食を一緒に囲んで話をする時間を
もっと、作りたいんだなって、
話しながら思いました。」



、、、というお話。



■さて、上記の
コーチとクライアントの対話で、
何が起こっていたのでしょうか?


これは【焦点をずらす】という一つの例です。

コーチが

”ダイニングテーブルを通じて
何を得たいのか?”

というように、

「ダイニングテーブルを買う」という
目の前の目標から焦点を外して、

「ダイニングテーブルで何を達成したいのか」という目的に
目を向けるように促した、

ということです。


つまり、「別視点」を渡した、
といえます。


クライアント一人だと、

・デザインはどっちのほうがより部屋に合うか?
・その上で、AとB、どちらがよいか?

という思考に囚われてしまう。

ただ、コーチなど別の人が
”別視点の切り口の質問”を投げかける。


そこから、違う思考パターンが生まれ、
気づきが生まれるのです。



■どの質問が正解かは
誰にもわかりません。

ただ、

「そもそも何を得たいのですか?」(””目標”の焦点をずらす)

「もし予算に限りがなかったら、
どんなふうにしたい?」(”制約”の焦点をずらす)

「これまで大事な家具を買う時に、
何を大切にしてきたのか?」(”過去”の焦点をずらす)

「ダイニングテーブル以外でも、
何か気になっていることはある?」(”対象物”の焦点をずらす)


、、、などなど、

過去と未来とか
抽象と具体など
人やモノなど、
新たな選択肢など、


色々な「別視点」は、
外にいる人(コーチ)だからこそ、
思いつくことができるし、渡すことができる。


そして、その別視点によって
またクライアントは新しい思考を得て、
自分で考えを拡げることができるのです。



■ということで

「Q、質問には、どのような効果があるのか?」

を改めて考えたとき、

【焦点をずらす】


ことにより、

『クライアントに”別視点の切り口”を渡すことができる』

これを質問の効果として
ぜひ覚えておきたい、

そんな風に思っている次第です。


いい質問は、相手へのギフトです。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>

自己に閉じ込められ、自己にこだわっている間は、
世界を真に見ることができない。
自己が自由に、自在に動くとき、世界もいきいきと生動する。

道元(鎌倉時代の禅僧/1200-1253)

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