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2710号 2021年7月23日

チームの力を考える(4) ~「ダニエルキムの成功循環モデル」/関係の質が大事~

(本日のお話 2352字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

さて、先日よりお届けしてまいります、
「チームの力を考える」コーナー。
今日も続けてまいります。



本日は、

”チームの成果を高めるための、
「関係性」の大切さ”

について、とある理論を
ご紹介させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう。

タイトルは、

【チームの力を考える(4)~ダニエルキムの成功循環モデル/関係の質が大事~】

それでは、どうぞ。

■皆さまのチームの
”関係性”は良好ですか?

それとも、ちょっと
ギスギスしていますか?

、、、そしてもし、

”「関係性の質」が、
「結果の質」に影響を与える”。

と聞いたとしたら
いかがでしょうか?

「そうだよね」という方もいれば
「そんなの関係ない」という方も

きっといらっしゃるでしょう。

■さて、あらゆる組織は

「求める結果」があるわけですが
この結果を長期・継続的に出し続ける上で

「見落としがちなものがある」ことを伝えた
あるモデルがあります。



それが、マサチューセッツ工科大学元教授の
ダニエルキム博士が提唱した

『組織の成功循環モデル』

というものです。

これはシンプルに言うと、

”組織として結果を出したければ、
まず「関係性の質」を高めること”

という内容が核になっています。

■「組織の成功循環モデル」とは
こんなシンプルなモデルで表されます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【組織の成功循環モデル】

1)関係の質

2)思考の質

3)行動の質

4)結果の質

※また1)に戻る
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

すなわち、

よい「関係性」があることで、

自由な「思考」も生まれて、

前向きな「行動」も生まれて、

よって、良い「結果」も生まれる。

とする、実にシンプルなモデル。

■具体的に、考えてみましょう。

例えば、

”チームの「関係の質が悪い」”

とします。

そうすると、どんな循環が
起きるのでしょうか?

<「関係性の質が悪い」と・・・>

1)関係の質:><
チームの人間関係が悪い。
否定、批判、指示命令が起こっている。

2)思考の質:><
失敗を恐れ、指示待ちになる。
思考が萎縮して、自由な意見が言えない。
視野が狭くなる。良いアイデアが生まれない。

3)行動の質:><
意見を言わなくなる。
挑戦もしなくなる。新しい行動もしない。

4)結果の質:><
結果がでない、目標未達。


※1)関係の質:
結果がでないので、
更に関係性に良い影響がでない。

、、、という『バッドサイクル』が生まれる。

もし仮に短期的に良かったとしても、
長期的には「結果の質」に悪影響を及ぼします。

■一方、

”チームの「関係性の質が良い」”

としたらどうなるか。

<「関係性の質が良い」と・・・>

1)関係の質:^^
チームの関係性が良好である。
尊重、信頼、心理的安全性がある。

2)思考の質:^^
思考が前向きになり、主体的に考える。
創造性が発揮されやすくなる。

3)行動の質:^^
創意工夫をし、積極的な提案をする。
挑戦をする。新しい行動をする

4)結果の質:^^
結果がでる。目標達成


※1)関係の質:
結果が出て、更に良いサイクルになる。

となるわけです。

■確かに、これ、自分の身に当てはめて
想像してみると、わかる気がしませんでしょうか?

例えば、職場においても、

「関係性が悪い」
「ギスギスしている」
「物が言えない雰囲気」

のときに、

良い思考、そして新しい行動や挑戦が
生まれるかというと、
なかなか難しそうですよね…

以前、何かの記事で

「働く上では
半径5mの人間関係が重要」

なんて読んで、など何かの本で読んで、
非常に納得をしましたが、

それくらい

”関係性”とは我々に影響を与える
大きな要因である、

と言えるのではないでしょうか。

■、、、と考えると、

「結果を出すチームを作る」

ためには、

『チームの「関係性の質」を高める行動』

は時間をとって行う価値のある
重要なことである、と言えるでしょう。

たとえば、

・お互いの価値観を理解する
・お互いのモチベーションの源を知る
・お互いの強みを認め合う

などのチームビルディングを
時間をとって行ったりして、

違いを尊重し合うことができれば、
「関係性の質」も高まるでしょう。

それは巡り巡って
「結果の質」にも良い影響を与えてくれる

と、期待できそうです。

■私ごとになりますが、

この春から3ヶ月に亘って行った
大学院のプロジェクトがありました。

そこで、チームメンバーで
これまでの振り返りをしたのですが

メンバーの一人がこんなことを
語っていたのが、印象的でした。

「最初にものすごい時間をとって
自己紹介とか、お互いの気持ちや、
やりたいこと語り合った。

その時は正直、

”こんなに時間をかけていいのかな”
(意味があるのだろうか)

とも思っていた」

「でも、振り返ってみると、

お互いのことを知り合う
”関係の質”を大事にしたから、

途中のチームの”嵐”の状況も
乗り切ることができたし、

最終的にプロジェクトも納得できる
”結果の質”につながったと思う」

、、、というような発言でした。

そしてこのことは私も振り返り、
「本当にその通りだな」と納得しました。

やはり「関係性の質」は
大事だったよな

、、、と。

■もちろん、

”「関係性の質」だけ”

整えればうまくいくかと言えば、
そんな単純なものではありません。

他にもたくさんの要因が
「結果」に影響しています。

加えて「組織の成功循環モデル」も
ダニエルキム博士が提唱しているものであり
実証研究として証明されているわけではない、

ことも認識をしておくことも
大切かと思います。

(あまり盲目的にならないためにも)

しかし、皆が

「関係性の大切さ」を認識するための
一つの参照枠として共通認識を持つことは
役に立つのであろう、

と思います。

、、、と色々書いてしまいましたが、

なんだかんだで「関係の質」は
あるに越したことはない!

ということでお話を締めたいと思います。

==========================
<本日の名言>

自己に閉じ込められ、自己にこだわっている間は、
世界を真に見ることができない。
自己が自由に、自在に動く時、世界もいきいきと生動する。

道元(鎌倉時代の禅僧/1200-1253)

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