傾聴の技術(1)~3つのレベルの「傾聴」から、自分の”聞く”スキルを考えてみる~
(本日のお話 2316字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日日曜日は、2件の打ち合わせ。
その他、研修の企画や読書などでした。
また隙間時間にピアノを弾いたり。
昔、趣味として少しやっていたピアノを
1ヶ月前に電子ピアノを買ったことで再開してから、
・疲れた時に頭をからっぽにできる
・生産的な娯楽をしている感覚があって
自尊心が高まる
・指先の感覚が鍛えられて
タイピングの精度が高まる
など、ポジティブな効果が現れております。
生産的な息抜き、良いなと思いました。
*
さて、本日のお話です。
先日より、「コーチング」をテーマに、
皆様にメルマガをお届けしております。
まだまだ語りたいことがたくさんありますので、
本日も続けてまいりたいと思います。
今日のテーマは、皆様が日常やっている
「聞くスキル」について。
それでは早速参りましょう。
タイトルは、
【3つのレベルの「傾聴」から、自分の”聞くスキル”を考えてみる】
それでは、どうぞ。
■「話を聞く」こと。
誰もが日常的に行っており、
普通にできて当然だよね、
と思っている、
我々に備わっている能力です。
ただ、シンプルなことこそ、
奥が深いもの。
・歩く
・走る
・投げる
等、誰もができる基本動作を
極めたアスリートに、
”シンプルな行為の中にある
圧倒的なレベルの違い”
を感じさせられ、
感動すら覚えたりします。
■同様に、社会的な動物である人間の
基本的な行為の1つである
・話す
といった技術にも
やはりレベルの違いがあるわけです。
落語家や芸人さんの
”話をする”技術は、
やはりレベルが違います。
今注目されるYoutuberも、
同じように「話をしている」のに、
絶妙な間や、言葉の使い方、
比喩表現や、声の抑揚など、
微細な技術を高いレベルで融合して
芸術のような雰囲気すら醸し出して、
一気に引き込まれる力があったりします。
一流のプレゼンテンターなんかも
そうでしょう。
■では、他方。
人間の基本的な行為の一つである、
・”聞く”
に関してはどうだろうか?
を考えてみたいわけです。
、、、なんとなく、
「話す」より「聞く」ほうが
簡単そうなイメージはありませんか?
黙って、うなずいて
聞いていればいい。
話すのは色々考えるけど、
聞くのはそんなに難しくない。
そう思っている人も、
少なくないのではないか、と思うわけです。
しかし、銀座の一流ホステスさんが
端麗な容姿というわけではないにも関わらず
”聞く技術を磨きに磨いて
No1ホステスになった”
なんてエピソードもあるくらい、
実は奥が深い話だったりします。
「話す」とか「走る」に比べて、
「聞く」は静的で、あまり目立たない技能にも
思えるかもしれません。
ただ、そこには確かに、
体系化された技術があるのです。
■そんな中、まず皆様に、
最初に問うてみたい質問があります。
それは、
「自分の”聞く”レベルは
どれくらいだろうか?」
という問いです。
、、、いかがでしょうか?
部下、家族、友人など
普段から話を”聞く”ときに、
どのようなレベルで行っているのか?
以下の「傾聴の3つのレベル」に照らし合わせて、
少し考えてみましょう。
(少し説明っぽくなりますが、
自分はどれだろう、と内省しつつ
考えてみてください)
■まず、「傾聴」の第一レベル。
◯レベル1「自分中心レベル」
自分のことに意識が向いている状態です。
・評価(例/彼の話をした内容は、割といい線いってるな)
・判断(例/彼女の話は、間違っている)
・解釈(例/要は、こういうこと言いたいんだろう)
等をふまえて、相手の話を
”自分目線で考える”ということです。
もっとレベル1より前の段階になると、
・自分の興味のある話だけ選択的に聞く
・うん、うん、と言いながら全く聞いていない
なんてことも。
、、、さて、皆様はいかがでしょうか。
どれくらい、この聞き方をしているでしょうか?
■そして、次は、レベル2です。
◯レベル2「相手中心レベル」
相手のことに集中し、意識が向いている状態。
・相手の話の内容
・表情の変化、体の動き
・声の調子・抑揚・スピード
など、
”相手の話を100%集中していて、
相手の感情の揺れや、躊躇などのサインを
きちんと理解している”
というレベルです。
この状態になると、周りに色々あっても、
「自分と相手だけの世界」を感じられている状態です。
自分の解釈や評価などは、
脇においている状態です。
、、、さて、こちらもいかがでしょうか?
このレベル2をやろうとするだけでも、
かなり疲れます。
そうなのです、真剣に聞くことは
実は疲れるのです。
■そして、最後はレベル3。
◯レベル3「俯瞰レベル」
自分も相手も超えて、俯瞰して
全体を見渡しているレベルです。
・言葉で表せない微細なシグナル(雰囲気、空気)
・直感、感覚
を働かせつつ、
”なんとなく相手に緊張を感じる”
”いつもと違う空気感、不安を感じる”
というような、表情にも現れづらい
微細な変化をキャッチしている状態です。
それは、相手だけではなく
自分と相手を含めた雰囲気や空気を
察知するアンテナの高さが求められます。
職人芸のようですが、
感性のアンテナを高めていくと
確かに感じられるのが不思議なレベルです。
■、、、と記載してみましたが、
いかがでしょうか?
皆様は、普段どのレベルで
”相手の話を聞く”
ということを行っているな、
と感じましたでしょうか?
■なんとなくの”聞く”で、
・相手の放っている
言葉を「単なる音」として聞いていることと、
・相手の放つ言葉の中に含まれる
微細な感情の揺れや真意をつかもうとすること
は、まるで違った
対話の質を作り出します。
そして、それらの積み重ねが
「理解されているという安心感」
「関係における信頼感」
を創り出すことに繋がります。
また、その”聞く姿勢”から醸し出される雰囲気は、
不思議なもので、ほぼ確実に伝わるものです。
■ということで、
【3つのレベルの「傾聴」から、自分の”聞く”スキルを考えてみる】
というお話でしたが、
いかがでしたでしょうか。
”わかる”ことは”わける”こと、
などと言われます。
聞くという技術も
このように3つのレベルにわけることで
見えることもあるのではなかろうか、
そのように思う次第です。
ぜひ、日常から頻繁に使う「聞く」スキルを
上手に使いこなせるようになりたいものですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
=========================
<本日の名言>
間違っていましたと認めることを恥じる必要はない。
それは、今日は昨日より賢くなったということなのだから。
アレキサンダー・ポープ(イギリスの詩人/1688-1744)
=========================