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2834号 2021年11月24日

自分で吐いた毒に毒される!? ~プライミング効果から考える~

(本日のお話 1937字/読了時間2分半)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は午前中、大学院の補講、
また昼間は読書と家族と散歩。
夜からは大学院の打ち合わせなど。



さて、本日のお話です。

最近、ちょっとお疲れ気味だったこと
ケアとセラピーの本を読んで、

「自分への癒やしって
 大事だなあ、、、」
 
などと感化されておりました。

そして、

”ネガティブなことも
 敢えて吐き出してみよう”

なんてふと思い、
「愚痴っぽいDAY」を
過ごしてみたのですが、

そんな中で、はたと感じること、
またそこからの気付きを得ましたので、

今日はその話について、
皆様にご共有させていただければと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは、



【自分で吐いた毒に毒される!? ~プライミング効果から考える~】



それでは、どうぞ。



■何だか疲れた。

もう仕事したくない。

ゴロゴロしてたい。


、、、と思うこと、
皆さまはありますでしょうか。


いや、きっとあるでしょう。
だって、人間だもの。

忙しい時が続いたり、
あんまり気持ちよくないことがあったら
そう思っても、決しておかしくはありません。



■、、、かくいう私も、
そうでした。

10月11月の仕事のピークが終わってから、
消耗気味でした。

「都会で消耗してるの?」

というどこかの、
誰かの声が聞こえて、
田舎にいきたい気分になっていました。


かつ最近、

ケアとセラピーの本を
読んでいた影響もあって、

「ただ今の状態を
 受け入れるのも大事だ」

と思い、普段はあまりしないのですが

「あえて愚痴ってみるDAY」

を入れてみて、

隣りにいる妻に
(もちろん許可を得た上で)
ひたすら愚痴ってみたのでした。



■ああ疲れた

早く年末来ないかな

大学院もぶっちゃけ
ちょっと休みたい

比較ばかりしているよ
ああ、まだまだオレ。

てか、こんなこと言っては
お仕事をいただいている
お客様に失礼千万。

みたいに(汗)



■たしかに

”モヤモヤしていることを口に出すと、
 自分の本心(疲れ・不安・焦り等)に
 手触り感ができて、スッキリする”
 
という感触はあります。

ゆえに、吐き出すのも大事だなあ、

と思いました。



■ただ、思ったことは

”一回吐き出した後に、
 何度も吐き出し続けると、
 逆に気分が落ちてくる”
 
ことでした。


なんだか、

「自分ダメ」
「まだまだ」
「能力ないかも」

なんて言っていると、
本当にそんな気になってしまう。

これはいかんな、、、

などと思ったわけです。


まさに、

「吐いた毒によって
 自分自身が毒される」

となってしまいます。



■ちなみにこの作用、

ニューヨーク大学の
ジョン・バルフ、マーク・チェン、
ララ・バローズによって、


『プライミング効果』 


と呼ばれ、様々な実験で
明らかになってきています。


ちなみに、

「プライミング効果とは、

言葉が行動に影響を与える効果のことです。

言葉が私たちの「記憶」に影響を与えて、
「記憶」が私たちの認識に影響を与えることを通じて、
自分の都合に、”引き寄せて”現実を見られるようになる

という効果です。



■ちなみに実験の内容は、

大学生にランダムのカードを見せて
文章を完成させるテストをさせました。

1つのグループは、

「無礼、大胆、困らせる、妨げる、邪魔する、侵害する」

という単語軍を見せられた大学生。


もう1つのグループは、

「思いやりのある、感謝する、我慢強く、従う、丁寧な、礼儀正しい」

という単語軍を見せられた大学生にわけました。


その後、廊下で担当者と
実験について話をするように指示があるのですが

担当者は別の学生と話をしており
忙しくて話が出来る状態ではありませんでした。
(その学生はサクラ)

結果、前者の無礼系の単語カードを配られた大学生は
平均5分程度で会話を遮り

後者の行儀のよい系の単語カードが配られた大学生では、
82%が10分経っても会話をさえぎろうとしなかった、

という結果になった、といいます。



■この考え方を応用すると、

「毒を吐いていると、
 吐いた毒を記憶して
 思考がそちらに寄せられてしまう」
 
という作用が起こりそうです。


人の感情とは
100対0ではなくて、

マーブル模様のように、
いくつもの色が混ざり合っているもの。

どの感情にスポットを当てるか、
そして言葉にするかで

クローズアップして感じる感情は
変わってくるのかもしれません。



■とすると、

毒を吐き出した後は、
そのくらいにしておいて、


自分で自分を励ます言葉でも
ちょっと元気になる言葉でも

敢えてそれらを意識的に選んだほうが
自分にとっても(そして周りにとっても)
得策なのかもしれない、

、、、と思った次第。


実際、体感値としても
あんまり愚痴ってても、
別に気持ちよくならないんですよね。



■妻に

「愚痴ってごめんね」

と言ったら、

「今は元気だからよいけど
 自分も影響受けやすいので気をつけて」
 
という返答をいただき、

改めて毒に毒されないように
(自分も家庭も)

言葉は大事にしたいと思ったのでした。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

人生を強いて理解しようと欲してはならない。
人生はそのまま一つの祭日である。
ただ楽しくその日その日を生きることにしよう。

リルケ(オーストリアの詩人/1875-1926)

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