メールマガジン バックナンバー

2877号 2022年1月6日

診断型組織開発とは何か(その2) ~データ収集とデータ分析~

(本日のお話 2237字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は終日、
南山大学、立教大学、玉川大学合同の
診断型組織開発を学ぶ合宿の2日目でした。

予想以上にハードな内容で、
自身の伸びしろを非常に感じている
濃厚な時間でございます。

(なかなか大変ですが)



ということで本日も引き続き、

「診断型組織開発」

についての学びを
ご共有させていただければと思います。
(また人事向けのマニアックなお話です)

それでは参りましょう。

タイトルは、

【診断型組織開発とは何か(その2) ~データ収集とデータ分析~】

それではどうぞ。

■診断型組織開発は、

以下8つのプロセスが
基本型であるとお伝えいたしました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<「診断型組織開発」の流れ>

1)エントリーと契約
2)データ収集
3)データ分析
4)フィードバック
5)アクション計画
6)アクション実施
7)評価
8)終結
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

※詳しくは昨日のメルマガより↓↓
『診断型組織開発とは何か ~エントリーと契約~』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4069804/

■そしては、

”1)エントリーと契約”

がものすごく重要であり、

ここでクライアントと
目的を合意できないと、
あとあと「コケる」ことなる、

、、、というお話が
昨日のお話でした。

今日はその次の、

「2)データ収集」
「3)データ分析」

についてです。

■まず、

「2)データ収集」

です。

データ収集には
主に3つの手法があります

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<データ収集の3つの手法>

◯観察

・観察者がチームの状態を観察する。
・”行動”のデータが得られる。
・しかし、意識(内的プロセス)は探求できない。
・デメリット:観察者の力量が影響する。

◯インタビュー

・半構造化インタビュー(基本質問を決め、深堀り等行う)
であれば幅広いデータを得られる。(4~5問くらいがよい)
・”意識(内的プロセス)”が深堀りできる。
・デメリット:時間がかかる。聞き手の力量が影響する。

◯質問表

・多人数かつ多項目の量的データを得られる。
・結果を数値で明瞭に示せる。
・デメリット:設定された項目や選択肢に依存する。深堀りできない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

という3点です。

観察とインタビューは
「質的データ」

一番下の質問表は
「量的データ」

という違いがありますが、
それぞれ特性があります。

そのため、
より精度が高いデータ収集のために

・質問紙+インタビュー
・観察+インタビュー

等、組み合わせを見立てに合わせて
実施することが有効です。

■また、
「データ収集」のポイントとして

『データ収集するシステムの
レベルを考える』

ことも大事です。

システムのレベルとは、

・個人レベル(1人)
・対人間レベル(2人)
・グループレベル(複数)

どれについて
データを集めているのかを
意識するということです。

いくつかのレベルで
網羅的にデータを集めることで

システム(=チーム)の現状を
より多面的に把握することができます。

■そして最後に、
「データ収集」の際の注意点は、

『「守秘義務」を合意する』

ことも挙げられます。

というのも、

”誰が何を言ったかという
匿名性を守る”

ことの合意がなければ、
率直な回答が得られないことも
考えられますし、

フィードバック時に
コンサルタントへの信頼が
損なわれる危険性もあるためです。

■そして次のプロセス、

「3)データ分析」

です。



診断型組織開発における
「データ分析」は、

”クライアント・チームが
自分たちのチームで起こっているプロセスを理解し、
意味づけることができるように、データを整理する”

ためのもの、という前提があります。

よって「データ分析」には、
以下の注意点が挙げられます。

■まず1つ目、

『データを歪めない』

こと。

これは、データをまとめる上で、
言葉をちょっと変えたりすることで、
疑いが発生し、信頼が損なわれるためです。

「質的データ(インタビュー内容)」も、
クライアントの言葉を使いながら、
まとめていくことが大切です。



重ねて、「量的データ」については

『度数分布をヒストグラムで出す』

ことが効果的です。

特に、回答が1と10など
両極に分かれているようなものは、

”メンバーによって現状の認識が違う”

という表れであるため、

表にすることで、
直感的に気づきが得られやすい材料となりえます。

■そして、これらの

「2)データ収集」
「3)データ分析」

を元に、

「4)フィードバック」

に移っていき、

クライアント・チームとの
対話を始めていくことが
次のステップとなります。

本日のお話はここまで。

続きはまた、
明日に続けたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

人生のほとんどすべての不幸は、
自分に関する誤った考えをするところから生じる。

スタンダール(フランスの作家/1783-1842)

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