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3463号 2023年8月17日

あなたはどれが当てはまる? 強みを表現するキーワード「118選」

(本日のお話 4456字/読了時間6分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は終日社内ミーティング。
また8kmのランニングでした。



さて、本日のお話です。

個人的なテーマとして探索をしている
「強みの活用」について論文を検索していました。

すると、

・強みとキャリア能力の関係は?

・強みの活用と年収は相関があるのか?

・上司が部下の強みを注目した場合
どのような影響があるのか?

などなどの論文が見つかって、
読みながら「実に面白いなあ…」と
ワクワクしておりました。

(年収と強みの相関などは実に面白かったです、、、
早くご紹介したいです 笑)

さて、今日はそれらの論文をご紹介する上で
「強み」について全体像をまとめてみましたので、
それらのお話をご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは

【あなたはどれが当てはまる? 強みを表現するキーワード「118選」】

それでは、どうぞ。

■ポジティブ心理学の領域で開発されてきた

「強み」
(性格特性的強み=Character Strengths)

に関する研究があります。

ちなみに、
「強み」とは学術的には、

・人が活躍したり最善を尽くすことを可能にさせるような特性(Wood, Linelyら,2010)
・強みとは常に完璧に近い成果を生み出す能力(Gallup) 他

と定義されています。

ただ、その定義も多岐にわたり
共通の認識が揃っているわけではありません。

しかし、共通するものとして

「強み=優れた成果を出せる能力や特性」

と理解してよいかと思います。

■ちなみに、
ポジティブ心理学の研究では、
「強み」といっても、

「性格特性的な強み」
(Character Strengths)

と”Character”に注目して
その研究を進めています。

ここがちょっとややこしいので
少し詳しく説明させていただきます。

「Character」

とは詳しくはこんな意味とされます。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<「Character」とは?>

◯意味
1,文字、記号
2,性格、特性
3,登場人物

◯語源
「Character」は、古代ギリシャ語の
「χαρακτήρ」から来ており、
これは「刻むこと」または「特徴」を意味します。

<似た言葉との比較:「Character」 vs.「Personality」>

◯定義:
・Character:
人の道徳的価値や信念に基づく資質や性格。
Characterは個人の価値観、信念、行動に関するものとして考えられる。

・Personality:
人の外向的な振る舞いや態度、反応や感情、そして一般的な特性や性格。
Personalityは個人が他人との関係の中でどのように振る舞うかを示すものとして考えられる。

◯変化の度合い:
・Character: 基本的には変わりにくいと考えられる。
経験や成熟によって進化することがあるが、基本的な価値観や信念はしっかりとしている。
・Personality: 生涯を通じて変わることがある。環境や経験、遺伝など多くの要因によって形成される。

※ChatGPTによる説明
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

すなわち
「Character(特性・性格)」とは

1)人の価値観や道徳的な側面を表すもの
2)生涯を通じて、比較的変わりづらいもの

という特徴を持つようです。

そして、この
「Character」にまつわる強みを
「Character Stregnths(性格特性的強み)」として明らかにする
テストが開発されています。

■それが、以下の3つです。

『VIA-IS』
『クリフトン・ストレングス・ファインダー(CSF)』
『Realize2(現:Strengths Profile)』

です。

それぞれの概要は以下の通り。

◯『VIA-IS』:
あらゆる文化圏で共通して倫理・道徳的価値があるとされる
”特性としての強みと美徳”という概念を古今東西の書籍より抽出し、
24の特性とした。

◯『クリフトン・ストレングス・ファインダー(CSF)』
ギャラップ社が30年に渡り分野を問わず傑出した才能を持つ人々約200万人強にインタビューを実施。
そこから優れたパフォーマンスを可能とする34の「強みとなりうる資質」を抽出した。

◯『Realize2(現:Strengths Profile)』
イギリスにおいて、職場にて高いパフォーマンスが見られ、職場やコーチングの中で
根本的に使用されたものに基づいて60の強みを抽出した。
他の性格特性的強みと異なり、弱みについての情報もある。

とのこと。

厳密に言えば

「Character Strengthsを測定する」ものは
『VIAーIS』となりますが、

その他のものも、比較的似たような概念で捉えて
差し支えない範囲と思われます。

■そして、次に混乱しがちな話で

”「強み」といっても、色々あるよね問題”

があります。

ここについても少し補足をしておきます。

米Gallupの考えがわかりやすいので
引用をさせていただくと、

”「強み」を築くには3つの要素が必要である”

といっています。

3つの要素とは

・才能(無意識の思考・感情・行動のパターン ※Character Strengthsに近い)

・知識(特定の分野の知識、専門性)

・スキル(技能的・技術的なもの)

です。

そして、強みを築くには
”全てが必要”としています。

(つまり「強みを築く=優れた成果を出す」ためには、
”性格特性的強み”だけでは不十分、とも言えます)

■例を挙げて考えるとわかりやすいですが、

例えば、
『医者』という職業において

「強みを築く」(=優れた成果を出す)

ことを考えてみます。

すると、

患者に対する「愛情」、
新しい医療技術に対する「向学心」、あるいは
生命や医療行為に対する「倫理観」のような
<性格特性的な強み>は土台になるでしょう。

ただ、それだけでは十分ではありません。

正しく治療につなげるための、
医学の<知識>がなければ
成果(患者の治癒等)に繋げることはできません。

また、それらの知識を形にする
診察や手術などの<スキル>がなければ
成果に繋げることはやはり難しいでしょう。

それはその他の仕事

整備士でも、ドライバーでも、
介護士でも、飲食店の店長でも
営業でも、コンサルタントでも、
なんでもそう。

3つの要素、全部が必要なのです。

■ただし、強調したいのが

「才能」
(≒Character Strengths(性格特性的強み)

が最も重要としていること。

その人には

持って生まれたもの、
あるいは人生の初期に獲得した
人の道徳的価値や信念に基づく資質や性格がある、

と考えています。

たとえば、

・いろんな人にあって、
どんどんアイデアを行動、
チャレンジしていきたい
(向学心や活発性、創造性)

という特性として持っているのに、

・ミスが許されず、
じっくり考えて、多くの人が納得する
確実なことを求められる仕事
(思慮深さ、慎重さ、公平性)

についていたとすると
成果を出すのに苦しさを感じるでしょう。

そうしたときに、

「Character Strengths(性格特性的強み)」
に基づいて”強みを築く”

ほうがよりその人らしさ、
本来感が高まり、本人にとっての充足にも
そして、成果につなげやすくなるでしょう、

ということです。

■ということで、

強みの概要諸々の説明が
長くなってしまいましたが、

それらの「Character Strengths(性格特性的強み)」を
自分で理解をしておくことは

自らのキャリアを育てる上で
自分の傾向を知り他者と人間関係を築く上で、
仕事での成果を生み出す上で役に立ちます。

■さて、では

そんな「Character Strengths(性格特性的強み)」を
理解するためにはどうすればよいのか?

そのためにはその
「強みを表現する概念」を
手に入れることがまず第一歩となります。

平たく言えば、

”「強みを言い表すキーワード」と
「その意味」を知る”

ことです。

そこで、

『VIA-IS』=24種類
『クリフトン・ストレングス・ファインダー(CSF)』=34種類
『Realize2(現:Strengths Profile)』=60種類

合計118種類の強みのキーワードを、
以下まとめている論文がありました。

(この論文の詳しい内容はまた明日に
続けたいと思います)

それが、以下の内容となります。

(※縦にながーいです。。。
よって、こんなのがあるんだなあ、くらいで
ガンガンスクロールいただければ幸いです)

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<強み(Character Strengths)を表現する、118のキーワード>

『VIA-IS』=24種類

◯「知恵」に関する強み
・創造性
・好奇心
・向学心
・柔軟性
・大局観

◯「勇気」に関する強み
・勇敢さ
・忍耐力
・誠実さ
・熱意

◯「人間性」に関する強み
・愛情
・親切心
・社会的知性

◯「正義」に関する強み
・チームワーク
・公平さ
・リーダーシップ

◯「節度」に関する強み
・寛容さ
・謙虚さ
・思慮深さ
・自律心

◯「超越性」に関する強み
・審美眼
・感謝
・希望
・ユーモア
・スピリチュアル

『クリフトン・ストレングス・ファインダー(CSF)』=34種類

◯「実行力」に関する強み
・達成欲
・アレンジ
・信念
・公平性
・慎重さ
・規律性
・目標志向
・責任感
・回復志向

◯「影響力」に関する強み
・活発性
・指令性
・コミュニケーション
・競争性
・最上志向
・自己確信
・自我
・社交性

◯「人間関係構築力」に関する強み
・適応性
・運命志向
・成長促進
・共感性
・調和性
・包含
・個別化
・ポジティブ
・親密性

◯「戦略的思考力」に関する強み
・分析志向
・原点志向
・未来志向
・着想
・収集心
・内省
・学習
・戦略性

『Realize2(現:Strengths Profile)』=60種類
・アクション(Action)
・熟考力(Incubator)
・順守(Adherence)
・革新者(Innovation)
・冒険(Adventure)
・本来感(Authenticity)
・立ち直り(Bounce back)
・促進者(触媒)(Catalyst)
・平常心(Centered)
・変化者(Change Agent)
・思いやり(Compassion)
・競争力(Competitive)
・繋ぐ力(Connector)
・逆転の発想力(Counterpoint)
・勇気(Courage)
・創造性(Creativity)
・好奇心(Curiosity)
・詳細(Detail)
・向上心(Drive)
・自信(Efficacy)
・感情的な認識(Emotional Awareness)
・共感(Empathic Connection)
・成功要因(Enabler)
・平等(Equality)
・肯定者(Esteem Builder)
・伝達力(Explainer)
・フィードバック(Feedback)
・感謝(Gratitude)
・成長(Growth)
・謙虚さ(Humility)
・ユーモア(Humor)
・改善者(Improver)
・決断力(Judgement)
・持続させる力(Legacy)
・傾聴(Listener)
・ミッション(Mission)
・倫理基準(Moral Compass)
・物語力(Narrator)
・楽観主義(Optimism)
・整理(Order)
・粘り強さ(Persistence)
・責任感(Personal Responsibility)
・ユニークさ(Personalization)
・説得力(Persuasion)
・計画力(Planful)
・問題予防力(Prevention)
・プライド(Pride)
・関係作り力(Rapport Builder)
・再構築(Reconfiguration)
・関係深化力(Relationship Deepener)
・回復力(Resilience)
・問題解決力(Resolver)
・書く力(Scribe)
・自己理解(Self-awareness)
・サービス精神(Service)
・注目(Spotlight)
・全体視(Strategic Awareness)
・時間の有効活用(Time Optimizer)
・無条件の受容(Unconditionality)
・労働倫理観(Work Ethic)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

■ちなみに、

VIA

クリフトン・ストレングス・ファインダー

Realize2

の順で、Character Strengthsというよりも
より職場で活用する強みも含まれているようにも、
感じられます。

上記はキーワードだけでしたが

1)それぞれのアセスメントを受講する

2)キーワードの詳しい意味について理解する

3)自分に当てはまっていると思われるものを
自分自身で考え、他者にも聞いてみる

ことで、自らの「強み」を
より深く、広く探索することにも繋がりそうです。

■ちなみに、

私は『クリフトン・ストレングス・ファインダー』が
メインで扱っていますが、

ここ2ヶ月ほど『VIA』について勉強していると
その観点から見た時に、ストレングス・ファインダーでも
VIAでも、どちらでも触れられる特性など、
傾向がより明らかになってくる気がします。

アセスメントには特性があるので
どちらを活用するかは状況に応じますし、
全部受ける必要もありませんが、

こうした表現を知っておくことは
強みの世界を探求する上では面白いなあ、

そんなことを思った次第です。

明日は、本日のお話に繋げて

「118の強みと、キャリアを育てる能力の相関」

について考察した
ある論文についてご紹介したいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

=========================
<本日の名言>

多くの領域において卓越することはできない。
しかし成功するには、多くの領域において並み以上でなければならない。
いくつかの領域において有能でなければならない。
一つの領域において卓越しなければならない。

ピーター・ドラッカー
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