山の洗礼 ートレイルランニング33kmの教訓ー
(本日のお話 2943字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
さて、早速ですが本日のお話です。
土曜日に走った33kmのトレイルランニング。
こちらについて振り返って思うことがありました。
今日はその体験と、また教訓について
書き記してみたいと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは
【山の洗礼 ートレイルランニング33kmの教訓ー】
それでは、どうぞ。
■11/4(土)朝8:30。
『ダイヤモンドトレイル』
という関西屈指の人気のトレイルランニングに
友人と共に参加してまいりました。
ちなみに、ダイヤモンドトレイルとは、
以下のような大会です。
”ダイヤモンドトレイルは、
奈良~大阪~和歌山3県を結ぶ歴史的トレイルで、
多くのランナー達がその険しい稜線や延々と続く木の階段に挑戦して来ました。
初めて走られるランナーは、都会近くにこんな自然あふれるトレイルコースがあるのかときっと驚かれます。
是非トレイルランの醍醐味を味わってください”
(大会ホームページより)
、、、とのこと。
■ふむふむ、なるほど。
関西で人気のレースのようす。
紅葉が綺麗であろう時期で、
観光的にも良さそうです。
また、大会要項には、
「距離:33km」
「累積標高:約1800m」
とも記載がありました。
正直なところ、最初に思ったのが
「33km、楽勝じゃん」でした。
■この余裕の姿勢がその後に続く、
たいへんな結果に続くとは、
スタート前は、つゆ知らず。
とはいえ、なんだかんだ
・野辺山ウルトラ100kmマラソン(累積標高2300m)
・青森みちのくジャーニーラン 263km
など今年の夏に完走したし、
それに比べたら、距離は1/3くらい。
じゃあ、5~6時間くらいで
サクッと完走できるかな。
そんなことを思って”しまった”のでした。
■さて、ここ最近、
仕事が忙しかったこともあり
練習や準備ができていなかったのですが(言い訳)
そんなことに重なってバタバタと準備をし
5年ぶりに履くトレイルランニング用の靴と
エネルギージェル3つとエナジーバーをカバンに詰めて
翌日のレースの前に、東京→大阪へ移動。
ゆるりと当日も朝を迎え、
さしたる緊張感もなくあっという間に
スタート時間の8:30。
■一緒に参加する友人とは、
「それぞれ次の予定もあるだろうから、
ゴール後は各自解散にしよう」
という話で、スタートをしました。
このときは、横柄にも
”自分が最初に走り終わるかもな”
くらいに思っていました。
■そして、レーススタート。
走り始めて、1kmくらいは舗装された道ですが、
そこから山道に入っていきます。
そして、最初の「葛城山」へと、
登り始めます。
そして、10kmほど走る(登る)と、
異変に気づきました。
「あれ、足がぴくぴくしている(攣りそう)」
そう、忘れていた記憶を
思い出したのでした。
トレイル”ランニング”というものの
それはロードのランニングとは、
全く違うものであること。
5年前、白馬のトレイルランニングに出たときも、
山を登りながら、
「これランニングじゃなくて登山じゃん」
「たった100m進むのにものすごく時間がかかるじゃん」
と心の中で弱音を吐いていたことが
記憶の彼方から呼び起こされました。
■通常の道では、
1km走るのに、4~6分程度です。
しかし、山道は違います。
丸太の階段や木の根っこを足場にして登るので、
15~20分もかかります。
約4~5倍の時間。
加えて、全身の体重を、
足の筋肉で持ち上げます。
通常のロードのランニングと使う筋肉やパワーが全く違います。
ランニングのフォームなど、
ロードで練習したものはさほど活用できません。
■また、補充アイテムも、
そんな事を想定せず
ロードと同じようなもので準備したので
アミノ酸などの補給も十分というほど
持ってきてはいませんでした。
通常を超えた負荷に耐えかねた筋肉と、
栄養補給不足で、体は電気信号を筋肉に
上手に伝えることができず
”痙攣(攣る=つる)”
という現象になって表出しました。
少し進んでは、
足がぴくぴくと攣りそうになり、
立ち止まります。
■また、
5年ぶりに履くトレイルシューズは
足型が崩れているのか、かかとのサイズが合わなくなっていました。
途中から、完全に
靴ずれを起こしていることにも気づきます。
踏みしめるために、かかとに、
ヒリヒリとした痛みを覚えました。
■まだ10kmなのに、足が攣っている。
あと1,000m以上登らないといけない。
しかも、靴もやばい。
(絆創膏を持ってきていない)
”33kmだし、有名で整備されている
トレイルランニングコースだしな”
そんな風に思っていた自分に
山が洗礼を下しているようでした。
■そして、そんなギリギリの縁で進む中、
15km地点の下り道で、
木の根に足を引っ掛けて、
思い切り転倒し、前に一回転しました。
膝を強打し、膝に3cmほどの切ってしまい
流血します。
同時に、その衝撃で
ふくらはぎが攣ってしまいました。
、、、万事休す。
始めてのDNFか・・・
(Do not Finish:完走できず)
と思いつつ、まだ時間はある。
できる範囲で、足が攣らない程度に
ゆっくりと前に進むことにしました。
後ろからスタートした仲間には
抜かされていき、ほぼすべてのランナーに
抜かされていきました。
■歩くような、走るようなペースで
前に進み、なんとか攣らないように進み、
それでも進めばゴールは近づくもの。
なんとか、7時間26分でゴールしました。
制限時間8時間。
かろうじてのゴールでした。
友人たちは1時間30前にゴールし、
先に解散しておりました。
■さて、今回のトレイルランニング。
大いに教訓を得た旅路でした。
一番は
『舐めたらいけない』
ということ。
特に、
”山など自然に関することは
油断をしてはならない”
と思いました。
山の急な斜面を降る怖さ
転倒したときのヒヤリとした感覚、
登り続けて、足がすぐに攣りそうになる状態、、、
もし何かあっても山では
誰かを抱えるわけにも、
すぐに車で助けが来るわけでもありません。
そんな”山に入るならば当たり前のこと”を
多少のランニング経験から
リスクを少なく見積もっていた自分がいたこと。
これは大いに反省すべきことだと感じたのでした。
(それも据えて
・久しぶりの靴で走るのに靴ズレのリスクを予期していない
・絆創膏などを用意していない も含め油断の現れでした)
■また、もう1つの教訓は、
(ランニングを始め)
『継続してこそ』
ということ。
3ヶ月前、7月に
263kmマラソンを完走し、そこまでには、
3月 200km
4月 202km
5月 156km(100kmマラソン)
6月 195km(100kmマラソン)
7月 326km(263kmマラソン)
と距離を月間平均200km程度
積み重ねていました。
ただ、その後は、
パッタリと走るペースが継続しなくなりました。
8月 64km
9月 38km
10月 77km
と月間平均50km程度と
あまり走らない期間が続きました。
結果として
「継続しないとあっという間に走力は落ちる」
事を痛感しました。
■これも言われてみれば当たり前のこと。
ただ、少し前の成功体験を元に
”いけるっしょ”なんて思うと、
今回のように散々なレースとなってしまう、、、
そのことを感じさせられたのでした。
■ふと思えば、
ランニングでも(あるいは仕事でも)
『最悪を想定して、最善を尽くす』
ときであるほど、
良い結果、ベストな記録に繋がっているものです。
逆に、
「最悪を想定せず、楽観的にいく」
ときは、後悔や反省が多かったと感じます。
■もちろん、すべての機会に、
無限のリソースを割くことはできません。
それでも、気持ちの上では、
あるいはここぞというときはできる限りにおいて
『最悪を想定して、最善を尽くす』
というスタンスを忘れないようにしたい、
そんな事を学んだレースでございました。
「楽しめたか」というと、
残念ながら色々なトラブルや痛みで
「純粋に楽しむことはできなかった」という結果でしたが、
大いに学びになったレースでございました。
またトレイルランニングもチャレンジしたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
悲観的に準備し、楽観的に対処せよ。
瀬島龍三(伊藤忠会長)
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