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1682号 2018年9月25日

「2日間で絵を描ける講座」に参加して思う、”絵を学ぶ価値”の話

(本日のお話 1654字/読了時間1分半)


■こんにちは。紀藤です。

昨日、日曜日は、
「2日間で描かけるようになる」というコンセプトのワークショップ、

『アートアンドロジック』
http://artandlogicseminar.com/

に参加してまいりました。

参加されている人は、
プロフェッショナルのエンジニアの方、
有名IT企業の社長、
AIのアルゴリズムを作っている方など、
錚々たる顔ぶれの方ばかり。

そんな方々が3連休の2日間を使い、
「絵」を学びに来ておりました。


そして、実際学んでみて、

「これは本当に大切な学びだな」

と多々感じることがありましたので、
本日は、そんな『アートアンドロジック』に参加しての学びを、
皆様にご共有させていただきたいと思います。


タイトルは、


【「2日間で絵を描ける講座」に参加して思う、”絵を学ぶ価値”の話】


それでは、どうぞ。


■ちょっと前に話題になった本で、

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?
~経営における「アート」と「サイエンス」』
(著:山口 周)
http://amzn.asia/d/egejykh


という本があります。

興味深いタイトルのこの本では、
こんなことが語られていました。

かなり平たくお伝えすると、


・現代は「論理」に傾きすぎている世の中である。

・ただ、論理だけで成り立たないこともある。
 論理的なフレームワークは誰もが使えるポピュラーなものになった。

・だから、論理的に行くと、皆同じ答えになる。
 しかし、それでは”差別化”できない。

・また、50:50、どちらを選び、
 決断すればよいかかわからないときもある。

・そんなときこそ、「美意識」が重要になる。

・倫理的に正しいか(人として美しいか)
 心を動かされるか、感情的に納得できるか。

・これからは「感性」の部分が、”差別化”になる。

・だから、功利的な目的で、
 ”世界のエリートは美意識を鍛えている”のだ。

、、、

というようなお話でした。


■本で読んで「なるほどな」などと思いましたが、
感覚としては、よくわかりません。

、、、しかし。

昨日、今日と絵を描く練習を知り、
一番強く思ったこと、それは、

『「絵を描く」事がもたらす価値』

について、でした。



例えば、「手を描く」というとき。

実際、何も知らずに描くと、

・まず、「手の形」を描いて

・それから「シワ」を描いて

・「陰影」を付ける

くらいになります。

でも、よーく見ると、
本当によくよく穴が開くほど見てみると、

一言で「陰影」と言っても、
実に様々な「陰影」があることに気づきます。


手の中には、

・光るように”一際明るいツメ”

・急に暗くなる”深いシワ”

・他に比べて”何となく暗い窪み”

・手のひらの上にできた”均一な影”

など、実に様々な要素が隠れているのです。

何重ものグラディエーションのように、
いろいろな色彩が混じり合っていることに、
「絵を描く」という行為を通じて、ふと気づくわけです。


■この講座の講師である、
東京藝術大学の博士はこのように言いました。


「「絵を描く」という行為は、
 ”感性のアンテナ”の感度を高めます」
 
「世の中の、「観察力」を開くということに通じるのです」


、、、と。


概念的で、抽象的な話のようですが、
「絵を描く」という行為は、

”普段見ていないものを見ようとする”

ということであり、言い換えれば、


『世の中に対する”モノの見方”を変えること』


である、ということ。

そこに、『絵を学ぶ価値』がある、
私はそのように強く感じさせられました。


■少し余談になりますが、
52年前に描かれた作品で、
「サイ・トゥオンブリー」という巨匠の
『無題』という絵があります。

私には信じられないような
「落書き(というかただの線)」にしか、見えないのです。

でも、その絵は、「86億」で落札されました。

(※絵が気になる方は、「86億 絵画」で調べて、見て下さい)


しかし、

「なぜこの絵が86億で落札されたか?」

と美術の専門家である講師が曰く、

”暗闇で、何も見ずに絵を描いた、世界で初めての作品である”

という行為が評価されたそう。

つまり、普通、絵というのは、
「何かをみながら書く」、という定義に縛られていたものを打ち破り、

”「絵画の定義を変えた」
(=絵画という行為の見方を変えた)”

という歴史的な意義にこの価格が付けられた、

ということだそう。

、、、

少し強引かもしれませんが、それくらい

”モノの見方を変える”

ということが持つ価値は大きい、
とも言えるのでしょう。


■とにもかくにも、


『絵を描くということは”モノの見方を変えること”』


でなのです。

モノの見方を変え、普段見えないところに目が行くようになる。

それは、大げさなようですが、
「世界の見方」を変えることにすら繋がる、

そのように思った次第です。

その感覚を知ってみたいという方は、
ぜひ『アートアンドロジック』、お勧めです。

とっても贅沢な学びでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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<本日の名言>

ぽかんと花を眺めながら、
人間も、本当によいところがある、と思った。
花の美しさを見つけたのは人間だし、
花を愛するのも人間だもの。

太宰治
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