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1695号 2018年10月7日

今週の一冊『劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのか』

(本日のお話 2104字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、午前中、
また再開をした英語塾へ参加。

完全に英語力が弱小になっているので、
(元々大したことないですが、、、)
もう一度勉強し直したいと思った1日でした。

午後からは、日曜日(本日)実施予定だった、
ワークショップの準備など。

もう終わりましたが、非常に有意義な時間でした。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました!



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、おすすめの一冊をご紹介する、
今週の一冊のコーナー。

今週の一冊は、

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『劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのか』
(著:山口周 )


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です。


■この本は、今の日本の社会停滞の問題を、

「オッサン」

という言葉を使い、
見事に表しています。

もちろん、著者の見解によるものが、
書籍ですから、色々と賛否両論はあるかもしれません。

しかし、私は正直なところ、
100%(いや120%)共感しました。


ちなみに、この

「オッサン」

というのは、著書の中で比喩的に用いている言葉です。

ですから、いわゆる「おじさん世代」である、
中年の方すべてを指すわけではありません。

ここでいう「オッサンの定義」とは、

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1,古い価値観に凝り固まり、新しい価値観を拒否する
2,過去の成功体験に執着し、既得権益を手放さない
3,階層序列の意識が強く、目上の人に媚び、目下の者を軽く見る
4,よそ者や異質なものに不寛容で、排他的
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

人のことを指します。
もちろん、男女関係ありません。

そんな要素をもった、

”傍若無人な振る舞いをして自らを顧みることのない人々”

を、「オッサン」とあえて呼び、
その”オッサン文化”がもたらす未来に対して、
痛切な警鐘を鳴らしている書籍です。


■実際、私自身、人材に関わる仕事をしていると、
色々な組織を目にします。

いわゆる、

・「イノベーションが大事」といいながら、
  一向に変わらない組織、とか

・「変化が激しい時代だから」といいながら、
  ものすごい遅い意思決定(研修導入に3年)とか

・「前例踏襲、それがルールだから」で、
  新しいことが潰される組織

、、、など、頻繁に出会います。

もちろん、すべての会社がそうとは言いません。
でも、確かにあります。というより、むしろ多い。

メディアを賑わす話でも、
スポーツ業界の腐敗、政治の不正など、
この著書で語る「オッサン」が起こしているであろう問題は、
快挙に暇がないようです。


■しかし、物事を深掘りすると、
必ずそこには「理由」があるもの。

・なぜ、オッサンが、既得権益を手放さないのか?

・なぜ、ビジネス社会で上り詰めたような優秀(と思われる)人なのに、
 新しい価値観を受け入れられないのか?

・なぜ、オッサンはオッサン達でつるみ、
 同質化してしまうのか?

などなどを、

・世代間の教育の歴史
・構造的に劣化する仕組み(組織トップの人選の仕方)
・組織が大きくなることで、劣化しやすくなる原因
・1流と、2流と、3流のバランスによる人選ミス多発の理由

など、「構造としてそうなる理由」を、
分析的に、説得力を持って描いています。


■そして、後半では、そんな「オッサン社会」の中で
この閉塞した日本において、どのようにすれば、

”反撃の狼煙”(とあえて言います)

を上げることができるのか、
そんな提案をしてくれています。


平たく言えば、

1,意見をぶつける(オピニオン)
2,離れることを辞さない(エグジット)

という2つの選択肢を持つことになりますが、
なぜ、そうなのかは、詳しくはお読み下さい。


■この本は「オッサン」という切り口から描く
日本全体の問題を考える本です。

この著書で語られていたこんな話が、
私はとても印象的でした。


”明治維新(1865年頃)がおき、生まれ変わった日本は、
構造的に、次第に腐敗をしていった。

日露戦争で勝利した日本と、太平洋戦争の日本は、
まるで違う国のようだったとも言える。

明治維新から80年経ったとき、
日本の組織の腐敗が頂点に達した。

それが、太平洋戦争(1945年)であった。

組織(日本)が新しく芽吹き、
そして経年劣化していく歴史は繰り返されていく。

太平洋戦争から、組織は経年劣化をしていった。
また新しく生まれ変わる周期が80年とすると、それは『2025年頃』になる”

、、、

と語ります。


■未来は、変わり続けます

この日本にいるとき、
この構造的な問題は、私達の生活にも直結する問題です。

きっと、ここまで書いてきたことに、
1つや2つ、当てはまるな、思い当たると感じる方が、
少なくないのではないかと思います。


そんな方は、ぜひこの著書を手にしてみて下さい。

自分が、そんな世の中を俯瞰しつつ、
どのように生き抜くのか、日々働いていくのか、
という示唆を得られるかと思います。

(以下、出版社からのコメントです)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

・日大アメフト部監督による暴行指示と事件発覚後の雲隠れ
・神戸市や横浜市の教育委員会等によるいじめ調査結果の隠蔽
・財務省による森友・加計問題に関する情報の改竄・隠蔽
・大手メーカーによる度重なる偽装・粉飾・改竄
・日本ボクシング連盟会長による助成金の不正流用や暴力団との交際

――いいオトナによる下劣な悪事の数々は必然的に起きている!

ビジネス書大賞2018準大賞受賞作
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』の著者による、
日本社会の閉塞感を打ち破るための画期的な論考!

(引用:Amazonレビューより)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

読むに値する一冊です。

とても、おすすめです。

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<今週の一冊>

『劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのか』
(著:山口周 )


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