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2178号 2020年2月6日

カナダ日記 vol6 ~番外編 メンズ・ミーティングという勉強会に参加する~

(本日のお話 2654字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

3日間のカナダ研修を終えました。
今から日本に帰ります。

今日は、その「後日談」について、
お伝えさせていただきたいと思います。

タイトルは、


【カナダ日記 vol6 ~番外編 メンズ・ミーティングという勉強会に参加する~】


それでは、どうぞ。


■研修後、せっかく
20年ぶりに北米大陸に来たので、
2日間お休みを頂きました。

まあ、仕事はパソコンでできますし、
大変便利な世の中です。


予定もたてず、ふらーっと
「ナイアガラの滝」にでも、
行こうと思っていたくらいでした。



■しかし、ありがたいことに、
研修で出会ったカナダ人のマイケルさん(仮)や、
ブルガリア人のディミットさん(仮)に、

「今晩、食事でもどう?」
「明日のランチ、一緒にどう?」
「明日の夜、プライベートの学びの会があるけど来る?」

(いずれも50半ばの、
 ナイスミドルの男性です)

とお誘いを頂き、
開けていた予定が埋まっていきました。

我ながら、
「カナダでも勉強会かい!」と、
ちょっと思いましたが、、、(汗)



■研修後の夜は、

マイケルさん(3人の子供あり/研修の参加者)
スーザンさん(3人の子供あり/マイケルのガールフレンド)

が一緒に住んでいる、
トロントの近くのおしゃれな邸宅にて
お招きをうけました。

そして、スーザンさんの作った、
シチューとパンとクッキーを食べながら
スーパーボウルを見るという、

なんともアメリカンな(カナダですけど)
夜を過ごしました。


■ちなみにカナダでは、
これまた「多様性」が当たり前のようで、
お二人は結婚はしていないけれど、
一緒に住んでいました。

そしてお互いのことを最大限尊重して、
生活をされていました。

皿洗いは、マイケルさんの役割のようでした。
こういうのも、ありだよなーと思わされます。

別に、一緒にいる形なんて、
「こうなければいけない」というのは、
ないのでしょう。



■翌日は、カナダのメガバンク、
モントリオール銀行で働く、
ディミットさんの職場に見学させてもらいました。

またそこでも、
職場の国籍が全部違う、
彼のチームメンバーを紹介されました。

そこでもやっぱりキーワードは
「多様性」でした。

当たり前の話ですが、
違っていて当然、を前提にすると、

「いや、それわかるでしょ?」

という「分かる前提」のコミュニケーションが、
少なくなるように思いました。

だから、一つ一つ、
前提条件の違いを、懇切丁寧に伝えてくれます。

これは国というより、本人の技倆に依るものも、
大きいと思いましたが、これは、
大いに学ぶところだと感じました。


■そして最後、
特にインパクトが大きかったのが、
研修後、翌々日の夜に参加した、


『メンズ・ミーティング』


と呼ばれる会合でした。

ただ厳密には”学びの会”ではなく、

「メンタリング」

と呼ばれるセッションを、
週1回行う集まりです。


ちなみに「メンタリング」とは、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<経営>メンタリング

職場において、熟練者が未熟者(新人)に
助言や手助けをしながら人材を育成すること
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
という意味だそう。

その会に、参加することになったのです。


■研修の翌々日、
「ナイアガラの滝」を現地ツアーで、
朝7時~17時まで見に行った後、

ブルガリア人の研修参加者、
ディミットさんと待ち合わせました。

そして、夕方18時から
トロントから郊外に走ること約1時間。

ある家の地下室に降りていきました。



■すると、10名ほどの男性が、
既に車座になって座っています。

ロシアっぽい人、黒人、カナダ、
アジア人など、明らかに出身の国が違う人が、
集まっていました。

年齢もバラバラです。
やや年長者が多いよう。
(50歳くらいかな)

そして、19時になり、

『メンズ・ミーティング』

が始まります。

19時に、30秒遅刻してきた、
ロシア系の青年は、

「遅刻したら、何するんだっけ?」

と司会に問われた後、腕立てをしていました。
時間に厳しい会のようです。



■会のコンセプトは、


1,安心・安全の場であること、

2,話の内容は秘密であること

3,その上で、プライベート、ビジネス問わず、
  自分が相談したいことを、輪の中に投げて知恵をもらう


が趣旨であるとのことが、
会の最初に説明されました。

体験の共有をしてもいいけれど、
個人名などは言わないこと、

というのが約束でした。


■そして、会が進んでいくと、
最初に遅刻をしてきたロシアの青年が、
ある告白をします。

「お父さんが仕事で30年間、
 自分のことをかまってくれず、
 ずっと孤独と寂しさを感じていた。
 今も乳親を攻めてしまう。」


それに対して、
周りの参加者は耳を傾けつつ、問います。

「お父さんはどう思っていたのだろうか?」

「お父さんも苦しんでいるはずだ。
 それを受け止めなければいけない」

「君自身の課題である」

時に、周りが迫ります。

私事として青年に向き合い、
非常に熱量の高い場になっていました。


■その他にも、仕事の相談、健康の相談、
重たいものからライトなものまで、


「Circle is open.」
(輪は開いている)


という合言葉で司会の人が始めたように
知恵を出し合う場の時間が過ぎていきました。

そして最後には、

「今週、あなたにとって、
 どんな”重要なこと”をするのか?」

という宣言をし合って、
ペアになり、連絡先を交換して、
お互いに応援し合う、ということで、

会が締めくくられていきました。


そんな、熱い、
そしてちょっとおせっかいな男性の集まりが、

『メンズ・ミーティング』

なる会でした。

ちなみに北米を中心に、
いくつものグループがあるそうです。



■もちろん、このような種類の会が、
得意な人、苦手な人、賛否は色々あるでしょう。

賛否両論。それはどの国でも一緒。


しかしながら、
この会に参加しつつ思ったことは、


『人は、誰もが相談相手を求めている』


という世界中、
どこでも変わらない事実を、
私は感じました。

一人で抱えるのは、
やっぱり大変なのです。


■今回、私はコーチングの研修として
カナダにやってきました。

ただ改めて「コーチング」というのは、
多くの人に求められていることだと感じています。


最近、日本では、
課長や中間管理職を中心に、
「1on1」というキーワードが流行っています。

会社から、

「1on1で、メンバーと話をしてサポートをする」

という動きの中で、
管理職の方は「話を聞く」ことが
求められています。

しかし、同時にこうも思っている人も、
少なくないようです。


「じゃあ、俺の話は、
 誰が聞いてくれるんだ?」


と。


■たくさんの重責と、
一筋縄ではいかない状況に、
頭を抱えている人はたくさんいます。

利害関係者の間に立たされ、
多くの葛藤を生み出しやすい中間管理職の方は、
特にそのはず。

そして、それはすぐにどうこうして、
解決できる類のものではありません。

大事なのは、

「頭を整理する時間」であり、
「悩みをループさせないこと」

だと私は思います。



■そのために有用なのが、

1)自分で自分自身が整理する場

2)周りからのサポートを得られる場

これは大きな助けになると思います。

という意味で、

「コーチングってやっぱり大事!」

と改めて噛み締めたというお話でした。



■ということで、明日はカナダ編、最終話。

「カナダに行って感じたこと」を改めてまとめて
今回のカナダ日記を締めくくりたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>
真心を持って人を助ければ、
必ず自分も人から助けられる。
これは人生の最も美しい補償の一つである。

エマーソン(アメリカの思想家・哲学者/1803-1882)

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