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『あてはめるだけで“すぐ”伝わる 説明組み立て図鑑』

今週の一冊『あてはめるだけで“すぐ”伝わる 説明組み立て図鑑』

2957号 2022年3月27日

(本日のお話 2056分/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、終日大学院の授業でした。

「グループプロセス介入」という内容でしたが

・グループの中で起こっている「グループプロセス」を見る
(例:グループ内の役割、リーダーシップ、雰囲気、パターンなど)

・グループを観察しながら、自分の中に起こる「自己プロセス」を見る
(例:自分のメガネ、こだわり、価値観など)

という主に2つの点を探求し、

グループへの働きかけの幅を広げるような
非常に深い学びの時間でした。

誰もが、なんとなく感じていること、
気づいている違和感を言葉に出すと、
その場には何かしらの影響があります。

その影響の大小を自覚して、
意図を持って投げかけられるようにすることが
ファシリテーターの役割であり、
そのような見る目を養っていきたい、と思った次第です。

(このお話はまた改めてできればと思います!)



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナーです。

今週の一冊は、

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『あてはめるだけで“すぐ”伝わる 説明組み立て図鑑』

犬塚壮志(著)


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でございます。

■「相手に伝わる」って、
簡単なようで難しいな、とよくよく感じます。

しばしば

”「伝える」と「伝わる」は違う”

なんて言われますね。

(上司が部下に言っていそうですが、、、
今はそんな事も言わないのでしょうか)

■たしかに

「言った」からと言って、
その情報と意図がセットになって
正確に「伝わっている」ことは考えづらいです。

それが「情報」だけならまだしも、
何かしらの解釈が必要な意図を含むものであった場合、

片方が言ったことの一部を、
相手が相手なりの解釈で捉えたりします。

■ゆえに、こちらが伝えたいことは
よほど意識して戦略的に伝えないと、

相手に「伝わる」こと、そして
「動いてくれること」はやっぱり難しいよな

、、、と思うわけです。

■一方そんな中で、説明すること、

つまり「相手に伝える」ことが
とても上手な人もいます。

その人が話すと、

「なるほど、、、」
「よくわかりました」

と皆が声なき声とともに一様に頷く。

理由は説明できないのだけど、
あの人の話す内容、話し方は、
すっとはいってくる。

脳内で処理しやすく、
負荷なく理解することができたりします。

一方、「伝わらない人」の話は、

言われた言葉の内容を
自分の脳内で何回転か撹拌し、
咀嚼しなけければ理解できない

、、、なんてことも。

■はて、では、この違いは何なのか?

伝わる と 伝わらない
説明がうまい と 説明がヘタ

この違いは、一体なんなのでしょうか?

■「あの人は頭の回転が早いから」で
片付けてしまえばそれ終わりなのですが、
そんな単純な話でもありません。

観察してみると、そこには
確かに理由があるものです。

その理由は、説明が上手な人は、

『”型”を、効果的に使って説明している』

ことがわかります。

その”型”とは、説明上手の人の中にある
知恵です。

有名で多くの人に知られている
「基本の型」のようなものもあれば、
そうではない、もっとマニアックなものもあります。

■例えば、”伝える型”の
代表的な例で言えば、

「PREP法」

などがあります。

どういうものかというと、

・要は何がいいたいのか?(結論/Point)

・なんでそう言えるのか?(理由/Reason)

・具体的にはどういうことか(具体例/Example)

・改めて、要は結論は何か?(結論/Point)

という方に沿って伝えると、
相手が要点を理解しやすい、

という型がありします。

■より細かい技術で言えば

・「今日のテーマは◯◯について お話したいと思います」とか

・「お伝えしたいことが3つあります」とか

・「一言でお伝えすると、、、」

などなど、

「おっ、と相手に思わせて、
すっ、と相手に伝えやすくなる”型”」

なるものは複数存在しています。

■ただ、それらの知恵は、
(特に基本以外の細かい技術については)

「説明上手な人の暗黙知」
(=頭の中にあるけど、言葉にされていない知恵)

であったりするのです。

一度聞いて、使ってみると
「こりゃ便利だ」と途端に説明することが
楽になるにも関わらず、

知らない人は、その”型”を知らないがゆえ、
「相手に伝え、伝わる」ことに苦戦しているわけです。

■その中で、この著書は、
そのような「説明上手になりたい人」に、
武器を与えてくれる本であると思います。

予備校の講師で説明のプロであり、
東大大学院に在籍されており
認知科学を学ばれている著者が

1)「認知科学」に基づいた内容で

2)「目的別」にわけて、

3)「80の実用的な型」に沿って分類

してくれています。

■内容も基本の型を整理するだけではなく
目的別に分けているところも使いやすいです。

・「議論」に勝ちたい(論理重視の伝え方)
・「共感」を得たい(感情重視の伝え方)
・「相手を引き込み」たい(注目重視の伝え方)

など、バリエーション豊かです。

もちろん80のパターン、
全部を使いこなす必要はなく、

この中の数個の”型”を使っていき、
自分の説明の”型”を増やすことで、

「説明上手な人のスキルが手に入る」

ことに繋がると思いました。

■私も、無意識でやっているもの、
やっていないものも含めて、
たしかにな、、、とたいへん参考になりました。

例えば

『自己紹介の型』、

・現在「今は◯◯をしています」
・過去「これまでは△△をしてきました」
・未来「これからは✕✕のように貢献したいと思っています」

という現在→過去→未来を語るという”型”は

色々伝えてしまいがちな自己紹介で、
改めて押さえたい、と思いました。

■、、、ということで、

他者に伝える際に、

・複雑なことをわかりやすく伝えたい
・相手を説得したい
・相手に共感してもらいたい
・議論に勝ちたい

など「相手により伝えたい」と思う
多くの方にぜひ手にとっていただきたい、

と思った一冊でございました。

ご興味があられる方はぜひ。

きっと伝える技術を磨くために
役立つ一冊になるかと思います。

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<今週の一冊>

『あてはめるだけで“すぐ”伝わる 説明組み立て図鑑』

犬塚壮志(著)

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