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『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』

今週の一冊『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』

2474号 2020年11月29日

(本日のお話 3257字/読了時間5分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、
終日コーチング研修の受講。

コーチングに大事であると言われる
「自己基盤」と呼ばれるものを
探求することをしておりました。

コーチングに関わる研修も
色々と受けておりますが、
本当に奥深いです。


またその後、
夜中の1時までコーチ仲間と

「どうしたらシステムコーチング(チームコーチング)
の魅力が伝わるか?」

についてディスカッション。

楽しい時間でした。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日はお勧めの一冊をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、

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『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』

アダム・グランド(著)


=====================

です。



■東洋の代表的格言、


『情けは人のためならず』


という言葉がありますね。

これは、

”情けをかけると、
それはめぐりめぐって自分に返ってくるもの。
ゆえに、情けは人の為ではなく自分のためですよ”

という意味で、
世の原則的なことを
表している用に思います。


西洋の聖書にも、

『あなたがして欲しいと思うことをしなさい』

とありますが、
やっぱり同じこと。



■加えて
少し前にご紹介いたしました、


『あたえる人があたえられる』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/3671896/


という自己啓発的な書籍でも


”あなたの本当の価値は、
どれだけ多く、受け取る以上のものを
与えるかによって決まる”


が世の法則である、
などと紹介されるように、

「与えること」

が持つ力は、
世の黄金律とも言えるものだろう、

と思われます。



■ゆえに、
これらの言葉は
誰もが耳にしたことがあるし、

「与えること」

の大切さを、
意味がないと、真っ向から否定する人も
少ないのではないかと。



■、、、では、

「皆が皆、もらうより
より多く与えているのか?」

と考えてみると、
どうやらそういうわけでもなさそうな
気もします。


やっぱり、ほしい。

与えるのもいいけど、まず自分がほしい。

これもまた、正直な気持ちかと。



■かといって、
「もらっているばかり」だけの人が
ものすごく多いかと言うと
世の中そんなにドライでもない。


現実には、多くの場合

「受け取るもの(TAKE)と
与えるもの(GIVE)の
バランスをとっている」

が多のでしょう。


たくさんもらったら、
その分、与える。

良い悪いではなく
そういう人がたくさんいる世の中が
私たちが今生きている世界のようです。




■さて、

理想と現実の矛盾の中、

この著書は、改めて

『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』



「与える人”こそ”成功する時代」

と、改めて
与えることの大切さを語ります。


では、今まで語ってきたような

道徳的、原則的ないいお話と
何が違うのでしょうか?


ここに、
この著書の独自性があるのです。



■まず、この著者のアダム・グランド氏。


はこのように紹介されています。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ペンシルベニア大学ウォートン校教授。組織心理学者。
1981年生まれ。同大学史上最年少の終身教授。

『フォーチュン』誌の「世界でもっとも優秀な40歳以下の教授40人」、
『ビジネスウィーク』誌の「Favorite Professors」に選ばれるなど、受賞歴多数。

「グーグル」「IBM」「ゴールドマンサックス」などの一流企業や組織で、
コンサルティングおよび講演活動も精力的に行なう。

本書は24カ国語以上で翻訳され、
世界中の人びとの「働く意義」を変えたといわれる
大ベストセラーになっている。

※Amazon著者紹介より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


、、、

ペンシルバニア大学という名門校の
史上最年少の終身教授。

当たり前ですが
大学の教授です。
学者です。

ですから、


「与える人、なんかいいんだよね」

「なんか与えたら、回り回って
返ってくるように世の中はできてるんだよね」

という、
抽象的な話は通用しないわけです。


そこには、

「与える人こそ、成功する」

と明確に言える理論的な背景がある。


そこを描き出したのが
本書の素晴らしいところなのです。


具体例と論理構成から、

「与える人が成功する」

と極めて説得力を持って言い抜く。
ここが、極めて素晴らしい。

(2回言いました)



■まず簡単に、
本書のポイントはご説明します。



1)世の中には、「人間の3つのタイプ」がある。

◯ギバー(人に惜しみなく与える人)

◯テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)

◯マッチャー(損得のバランスを考える人)


2)一番多いのが「マッチャー」。
賢い「ギバー」であることで、
「マッチャー」がバランスを取ろうとするため
長期戦ではギバーは受け取ることになる。


3)ただ、世の中には自分の利益最優先の「テイカー」がいるため、
利用されないような戦略を取りつつ「ギバー」でいることで
成功確率が高まる



ということ。


本書自体は、
もっと豊富に事例もあり奥深いのです。
上記は骨子の一部。


ただ、

”マッチャーによって
バランスが取られるので、
ギバーこそが成功する”

という理屈は、

与えたものが戻ってくるという
人間社会のシステムを言い表しているな

と思ったのでした。



■その他、「ギバー」の特徴として、
以下お伝えします。


・ギバーは、受け取る以上に与えようとする。

・ギバーは相手が何を求めているかに注意を払う。

・ギバーが成功するときには、
その成功が周りの人々にも波及していく。
つまり全体が成功していく現象が起こる。



■ただ、どんな「ギバー」も成功するかというと

・いいように利用されて大失敗するギバー

・自分も周りも成功するギバー

に分かれることがわかりました。


そして「成功するギバー」は
特に以下の4つの重要な分野で
独自のコミュニケーション法を用いる、

と著書で語ります。


(ここから)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

<成功するギバーの4つの独自のコミュニケーション法>


1,「人脈づくり」…

新しく知り合った人々と関係をつちかい、
以前から付き合いのある人々と結びつきを強めるための
画期的なアプローチ。

2,「協力」…

同僚と協力して業績をあげ、
彼らの尊敬を得られるような働き方。

3,「人に対する評価」…

才能を見極めてそれを伸ばし、
最高の結果を引き出すための実用的なテクニック。

4,「影響力」…

相手に自分のアイデアや関心事を支持してもらえるような
プレゼンテーション、販売、説得、交渉をするための斬新な手法。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(ここまで)


■例えば、成功するギバーの
「2,協力」の仕方。



・成功するギバーは、他者に利益をもたらすために
「自己犠牲」はしない。

・成功するギバーは、
みんなの幸せのために高い成果を出すように
目的を設定する。パイを増やす。

・成功するギバーは、
自分にとって意義のあること、楽しめることをする。
それでいて、他者に貢献する。
(そうすると他者に与えながら、自分も”与えられる”)

・自分の目線ではなく、相手の視点から常に見る。
相手が望んでいる物を知る。

・また頼り合うことが弱さだとは考えず、
頼り合うことが強さの源であるとみなす。


とか、



「4,影響力」として、ギバーは、

・「うーん」「どちらかというと」「たぶん」と
ためらいがちな言葉を使う傾向がある。

・これは自分には明確な自信がない、というメッセージを送るが、
同時に相手が受け取りやすくなる。

・一方、成功するギバーは、
自分の才能・強みも磨いており、価値を提供できる。
その柔らかさが逆に良いスパイスになり
信頼度が高まるように働く

(※しかし、リーダーシップを担っている場合は、
そのように話すと逆効果になる場合があるので注意)


などの特徴を持ち、


”テイカーに利用されずに、
合理的に、でも自分も周りも成功できる”


このことを言語化してくれて
私たちも同じような思考・行動に
近づけられることが、

この著書の大いなる貢献であろう、
と思わされるのです。




■その他の具体的な話は、

事例や実験結果を元に、
本書に丁寧に書かれています。

ぜひ見ていただけると
面白いかと思います。


いずれにせよ、
説得力のある事例や研究結果から、


「やっぱり与えていくことが大事なのだ」


と理論から、そう思える一冊。

自分のあり方、
考えさせられる良書です。


言っていることはシンプルですが
おすすめです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』

アダム・グランド(著)


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