今週の一冊『デンマークにみる普段着のデモクラシー』
(本日のお話 1554字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、家族でのお出かけ。
ならびに夜が10kmのマラソン大会の出場でした。
いよいよマラソンシーズン。
走力とメンタルを鍛えるべく、頑張りたいと思います。
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さて本日のお話です。
毎週日曜日は、最近読んだ本の中からおすすめの1冊をご紹介する「今週の1冊」のコーナーです。
今週の1冊はこちらです。
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『デンマークにみる普段着のデモクラシー』
小島ブンゴード孝子 他1名(著)
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私事ですが、来週から約2週間、ドイツ、デンマーク、チェコ、フィンランドを巡ってきます(生まれてはじめての欧州です…!)。
「なぜいくか?」の理由のひとつが、「デンマークの民主主義や教育について学ぶスタディーツアーに参加するため」です。
その予習として、今回の本を読んでみたのですが、知らなかったデンマークの歴史なども知ることができて、大変勉強になりました。
ということで、早速中身をみてまいりましょう!
■本書の概要
この本は、「デンマーク」がしばしば「幸福な国」と呼ばれる背景には、制度や法律だけでなく、日常生活の中で育まれる“デモクラシー(民主主義)”が深く関わっている、という視点から、著者が「歴史」や「人びとの暮らしの実践」を通じてその実態を探る内容となっています。
「普段着のデモクラシー」という表現には、「飾らない日常」の中にある民主主義、つまり人々が自ら考え、話し合い、信頼し、連帯するという価値や態度が込められているようです。
著者らがデンマーク在住であり、現地での経験を基に書かれているため、歴史や政治などの書面上でわかることだけではなく、それらを実際の生活の中で感じたことが語られていることが特徴です。
特に「異文化をくらして」という章で、日本人として・外国人としてデンマーク社会に接する中での気づきや比較も示されており、その違いがリアルで、イメージしやすいものでした。
■目次構成
ちなみに、主な章立ては以下のとおりです。どの章も、「デモクラシーとは何か」「どう育まれるのか」「暮らしとの関係」がテーマです。
前半では、デンマークの国の成り立ち、影響を与えた歴史上の人々や出来事が語られます。そこで、なぜ対話が大切にされてきたのかという背景を知ることができます。
後半では、教育の中で、どのように対話が重視され、そして「本人が決める」こと、「どちらかが正しい」と安易に答えを出そうとしない姿勢が、いかに育まれるかを述べています。
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1.北欧の光
2.デンマークの「国のかたち」
3.デンマークの「人のかたち」―こうやってデモクラシーは育つ
4.生活の中のデモクラシー
5.異文化をくらして
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特にデンマークの歴史(18〜19世紀、20世紀)から現在に至る民主主義の展開は、なるべくして「対話」を大事にしようという国のカルチャーが出来上がったんだな、と思いました。
また、それを継続的なものにするには、仕組み=教育(幼年期から義務教育まで)を通じて民主主義の態度がどう育てられるかが設計されている必要がある事も知れて、勉強になりましたし、なんだか納得もしました。
■まとめ:読んでみた感想
デンマークと言えば、幸福度が高い国として知られています。また高福祉の社会でもあり、人口約600万人という日本に比べればコンパクトな国です。
有名な会社で言えば、レゴ社や北欧家具のHAY、さらに風力発電など――デザインやアイディアを武器とする企業が多く、教育も充実していると言われています。
一方、話に聞くだけでは、実際の生活の雰囲気や国の空気感まではわからないものです。今回の本では、デンマークの歴史的な背景や、普段から対話がどのように組み込まれているのかという構造的な仕組みが丁寧に説明されており、とても理解が深まりました。
とはいいつつ、実際にその仕組みがリアルなデンマークの空気にどう影響しているのかは、現地で体感しながら学んでいきたいと思っています。
私は日本でずっと生活し、ヨーロッパには一度も行ったことがありません。だからこそ今回、視点を広げる旅にしたいと考えています。また学んだことについては、改めて発信させていただければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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