今週の一冊『ランニング解剖学 【第2版】』
								(本日のお話 1760字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は朝から6kmのランニング。こんにちは。紀藤です。
毎週日曜日は、最近読んだ本の中から一冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナーです。今週の一冊はこちらです。
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『ランニング解剖学 【第2版】 (新スポーツ解剖学シリーズ)』
ジョー プレオ (著), パトリック ミルロイ (著),
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タイトル通り、ランニングに関する解剖学的な知識を扱った本ですが、個人的にとても勉強になる内容で、自分の体を理解するうえでの良い参考書になりました。
マニアックな本かと思いますが、自分の体を考える上で、参考になる良書でした。ということで早速ご紹介していきたいと思います。
■「ガンガン追い込む」だけではダメだと気づいた
しばしば、40歳を過ぎて体力がガクッと落ちる、という話を聞いたことがありますが、まさに今、その実感を味わっています。
以前は追い込んでも2〜3日で復活していた体が、なかなか戻らない。さらに、自分の最大心拍数(年齢によって下がると言われています)が明らかに低下し、心拍が上がりにくくなってきました。
また、先日も書きましたが、迷走神経反射というもので突然失神してしまうこともあり、「これまでのように追い込んで回復を待ち、体力を上げる」というやり方だけでは通用しないと痛感しています。
これからは、もっと計画的に、ロジカルに、自分の体と向き合っていく必要がある――そう感じている今日この頃。
そんな中で本書は、「走る上でどんな筋肉が使われるのか」を、筋肉や腱、骨などの精緻な図解とともに解説してくれる一冊です。どの部位がどのように動くのか、どんな筋力トレーニングが有効なのかを丁寧に説明してくれており、自分の体を“構造的に理解する”うえで非常に役立ちます。
かつ、第一章ランナーの動き、二章トレーニング理論の章ではそれだけではなく、有酸素性閾値(AeT)、乳酸性作業閾値(LT)、VO2MAXなどの用語とそれを強化するための基礎的な話もわかりやすくまとめられておりGOODでした。
■イメージできないことはマネージできない
この言葉は、大学院で学んだ際に教わったフレーズです。
当時は組織開発の文脈で、「人や組織のマネジメントも明確なイメージなしには、ぼんやりとしたマネジメントしかできない(=成果が出ない)、」という戒めとして聞きました。
全く違う文脈のようですが、これは“走る”という行為にもそのまま当てはまると感じます。
例えば、走るときには脚だけでなく、腕の振り、骨の動き、鎖骨・背骨・骨盤・太もも・ふくらはぎなど、全身の筋肉が連動して動きます。
それを意識せず「とにかく足を動かす」イメージだけで走っていると、どうしても脚頼みの走りになってしまい、地面の反発力もうまく活かせません。
一方で、「腸腰筋がこう働いている」「大臀筋や中臀筋、ハムストリングスがこう連動している」といった構造が少しでも頭に入っていると、
走るときに自然とそこを意識できるようになります(私自身はまだまだ修行中ですが)。
このように、「体の構造をイメージできること」は、走りを効率化する=ランニングエコノミーを高めるうえでとても大切だと感じました。
そうした“イメージ力を育てる”という意味でも、この本は非常に有用だと感じました。
■まとめ:ピアノとランニングの共通点
ちなみに余談ですが、私が少したしなんでいるピアノにも似た話があります。
実はピアノを弾くための動きにも、骨や筋肉の理解が不可欠だとされており、それを詳しく解説した『ピアニストなら誰も知っておきたい体のこと』という本があります。
こちらも演奏家の間で読まれている名著です。
ここにも、同じように「体のこと」がやはり書かれており、結局運動する上で、
こうしたイメージ(この本では「ボディマッピング」と呼びます)は重要なんだな、と思った次第です。
現在、月間300キロを自分の目標距離としていますが、今シーズンはこの距離を維持しながら、
練習の質と量を自分にとって最適な形に組み合わせていけるよう、いろいろ試していきたいと思います。
体の回復が追いつかなかったり、逆に練習が緩すぎたりして思うような結果にならないこともあります。
だからこそ、こうした本を参考にしながら、少しでも“質の高い練習”を積み重ねていきたいと思っている次第。
個人的な内容が多くなりましたが、ランナーの方や体の仕組みに興味がある方にとって、何かしらの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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