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4318号 2025年12月21日

今週の一冊『こころの庭を育てる ポジティブ心理学』

(本日のお話 1958文字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、書籍出版に向けた実験的企画の
「強みの実践&発見ワークショップ」の実施でした。

ご参加いただきました皆さま、誠にありがとうございました…!
いただいた意見などを元に、より良い書籍づくりに活かしていきたいと思います。

引き続き、よろしくお願いいたします!



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、最近読んだ本の中からおすすめの一冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナーです。

今回ご紹介する本はこちらです。

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こころの庭を育てる ポジティブ心理学: 支援と育成の現場で使える実践ガイド

松隈 信一郎 (著)
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フィリピン大学ディリマン校心理学講師である松隈さんと編集部による「インタビュー形式で『ポジティブ心理学』の全体が理解できる本」です。

「ポジティブ心理学って、使えるんですかね?」
「…とはいっても、欠点を正すことのほうが重要じゃないですか?」

というこの学問が少しずつ知れてきた今だからこそ感じる、素朴な疑問を、編集部✕松隈さんという対話の中で進めていくという内容になっており、実にわかりやすいです。

著者の松隈さんの比喩や、問いかけがとても秀逸で、表現の仕方、例え方の素晴らしさに個人的に感銘を受ける著書でした。

ということで、早速中身をみてまいりましょう!

■本書のメッセージ「雑草と花の心理学」

本書のタイトルにある「こころに庭を育てる」という部分が、メッセージの軸になっています。

従来の心理学は、こころを庭と捉えた時に「雑草(ネガティブなもの)」を取り除くことが中心でした。ネガティブな感情や、問題の原因を取り除くことに焦点を当てることを目的とする心理学です。

しかし、雑草を全部抜いたからといって、「花」が咲くわけでもない。雑草をならしつつ、強みや望む未来に目を向けていこう、すなわち「花」を咲かせていこうのが本書で取り上げている「ポジティブ心理学」です。

以下、本書の目次と紹介について、引用いたします。
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<本書の概要>
過去にとらわれ原因ばかり探してしまう生き方から、自分が「望む未来」へ目を向けてみよう。人の心は、前向きな気持ちだけではなく苦しみや挫折と向き合いながら豊かに成長していくものである。本書では過去の経験やネガティブな影響を「雑草」と、自分が望む未来を「花」にたとえ、ポジティブ心理学をわかりやすく解説していく。

<目次>
第1章 「雑草」と「花」の心理学
第2章 「雑草」をならす
第3章 「花」を育てる
第4章 「花」がわからないとき
第5章 「庭」を育てるときの指針
第6章 「雑草」を指摘すべきとき
第7章 「雑草」が「花」になるとき
Amazon本の紹介より
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■各章のポイント

まず、第一章では、本書は「人は雑草(ネガティブなこと)に目を向けてしまう生き物である」という習性があることを認知します。
脳はネガティブなことに反応しやすいものである、また人は問題があると原因を探して、自分で「物語」をつくってしまうことがある。しかし、人の心は複雑で、ある問題の原因を一つに絞れないこともある。
ゆえに、「なぜそうなったか?」ではなく「どうなったらよいか?」という未来志向の問いがカギになる、と述べます。

次に、第ニ章では、「どのように雑草をならせばよいのか」というアプローチについて語られていきます。
たとえば、ネガティブな感情を当たり前のものとして受け取る(共感・ノーマライズ)、あるいはすでにあるものに目を向けるように促す、相手を承認するなどです。

そして、第三章では「花を育てるプロセス」について語られます。望む未来を明確にし、あるものにフォーカスをし「どうなったらいいのか?」にフォーカスをする方法です。
「例外的にうまくいったときはいつか?なぜか?」という問いや、「スケーリングクエッション」などの技法で、望ましい未来を明らかにするために具体的なアプローチを学びます。

続いて、第四章では、「花(望む未来)がわからないとき」に、どう働きかけるのがよいか?について考えていきます。未来志向型という考えが、得意ではない人もいます。
望む未来がよくわからない、その時に役立つポジティブ心理学のモデル(PERMAモデル、ウェルビーイング尺度の要素、モチベーションの3つの要素:自律性・有能感・関係性、強みの要素)などが紹介されます。
それらを参考に、どんな花を咲かせたいのかを考えるきっかけになる、と述べます。

そして、「第五章 庭を育てるときの指針」では、庭を育てるために、他者にどういう関わり方をすべきなのか、が語られます。

「第六章 雑草を指摘すべきとき」では、どんな時に相手に直すべき部分を指摘をすべきなのかについて述べられ、「第七章 雑草が花になるとき」では、ネガティブな経験が花に変わるときはどういうときなのか、がまとめられています。

■まとめと感想

「ポジティブ心理学」という学問を、バランスよく従来の心理学と比較しながら理解できるとても素晴らしい本でした。

本書の松隈さんは私がストレングス・ファインダーの認定コーチの資格を取得した際の講師でしたが、とても素晴らしい方で、その柔らかい語り口、わかりやすい例え話などが随所に盛り込まれており、「腹に落ちる」という感覚を覚えさせてもらえる、そんな一冊だと感じた次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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