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2632号 2021年5月5日

言葉を理解することは、世界を理解すること

(本日のお話 2817字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は茨城の妻の実家へ。

生後3ヶ月の赤ちゃんを
義父にようやく対面させることができ、
喜んでもらえたのが嬉しい時間でした。

いつ会えるかわからないので
家族との時間は大事にしたいな、、、

と思った次第。

また帰宅後は、
夜8時から深夜1時まで(!)現在進めている
大学院のプロジェクト打ち合わせでした。



さて、本日のお話です。

大学院に通い始めて、
1ヵ月経ちました。

※ちなみに通っている大学院です。
↓↓
立教大学大学院 経営学専攻リーダーシップ開発コース
https://ldc.rikkyo.ac.jp/

よくあるMBAなどの
大学院が通常と違うのが、

”チームワークを中心として、
理論的実践者を目指す”

ところ。

ケースを学んだり、
論文を学んだりだけでなく、

実際に自分たちでワークショップを作ったり、
運営したりする”実践”を重視するところです。

ゆえにチームでのディスカッション、
打ち合わせがたくさんあり

そのチームワークの
プロセスの中で起こった様々なことを、

自分たちで内省し振り返り、
学びとして昇華させていくと言う、
”実践”に重きを置いた大学院でございます。

ということで、大学院が始まってから、
週2回程度、2時間くらいミーティングしつつ、
土曜日の授業に向けて準備をする、

そんな日々が新しい生活様式(?)
となっているのでした。



そんな中で、様々な知識や、
見方を手に入れておりますが、

私が特に学びになっているのが

「言葉を区別して使うこと」

の大切さです。

「言葉」とは実に奥深い。

このことを改めて
感じさせられております。

今日はこのお話について学びと気づきを、
皆さまにご共有させていただきたいと思います。

タイトルは、

【言葉を理解することは、世界を理解すること】

それではどうぞ。

■”「自己認識」よりも、
「自己意識」がまず重要である”

先日のディスカッションで
チームの中でさらりと出てきた言葉です。

、、、がこの言葉に
実に色々と考えさせられました。

■ちなみに、ちょっと
マニアックな話になりますが、

”リーダーシップを発揮するためには
「自己認識」が大事だ”

と言われております。

ゆえに、今チームで絶賛行っている

”高校生の課題を、
リーダーシップを通じて解決するプロジェクト(仮)”

でも、「自己認識」大事だよね、

と普通に会話をしたり、
ディスカッションしたりします。

■そんな中、チームの仲間から
ふとこんな意見が出てきました。

「『自己認識』をすることは大事。

でも「自己認識」って、
そんなに簡単にできるものではない。

だから最初は『自己意識』を
持つことに注目すべきではないか?」

そんな意見でした。

■よく言われることではありますが

”自分と他者は、見ている視点が違う”

ものです。

同じような言葉だったとしても、
(例えば先の話でいえば「自己認識」)

「その言葉を
どういった意味で使っているのか」

がずれてくることが、
ままあるものです。



特に、抽象度が高い言葉は
すれ違う可能性が高いです。

・リーダーシップ
・マーケティング
・マネジメント
・主体性
・自己認識、、、etc

守備範囲が広い言葉がゆえに、
全員がテーブルについて話をしていても、

なんだか通信状況が悪い
オンライン会議のように、

なんだかワンテンポ噛み合わない、
みたいな空気になったりするのです。

そしてそれは、

”チームで1つのことを作っていく”

というときに、

ストレスの原因になったり
時間が必要以上にかかることになるのです。

■では、どうすればよいのか?

お互いがすれ違わない対話のために、
どんな工夫ができるのか?

そのため、2つ大切なことがあると思います。

まず1つ目が、

『言葉を正しく理解し、区別して使う』

ことです。



例えば、先程の

「自己認識」と「自己意識」

について。

これも一つずつ調べてみると
それぞれの言葉の定義としては、
以下のように説明されています。

◯自己認識(Self-awareness)とは、

内観能力のひとつであり、
自分を環境や他の個人とは別の個人であると認識する能力である。
自分が存在すると言う理解である。

◯自己意識(じこいしき)とは、

あるいは自意識とは、
自己が存在することに気づく(意識上に上る)能力。
外界や他人と区別された、自我としての意識。

とのこと。

■並べてみてみると

「自己認識」と「自己意識」は
近しい意味を持っているけれど、

違っているところがあると気づきます。

それは

・自己認識=違いを認識する、という結果
・自己意識=違いを意識にあげる、という行為

みたいなニュアンスかと。

やはり、似ているけど違う、のです。

■もっといえば、

「自己認識」

についても、
更に深ぼることができます。

”自分自身のことを認識する”

というアプローチでも
似たような言葉で様々なやり方があるのです。

(ちょっとマニアックですが)

・『自己概念』を知る

だと、

1.自分の「才能」を知る
2.自分の「動機」を知る
3.自分の「価値観」を知る

(参照:『キャリア・アンカー』エドガーシャイン)

の3点から自分の事を認識する、

「エドガーシャイン的な”自己認識”」

と言えるでしょうし、

・『アイデンティティ』を知る

1.自己斉一性・連続性(自分が自分であるという一貫性がある)
2.対自的同一性(自分自身が目指すべきもの、望んでいるものが明確に意識されている)
3.対他的同一性(他者から見られている自分自身が、本来の自分と一致している感覚)
4.心理社会的同一性(社会の中で自分自身を意味づけられる)

(参照:『ライフサイクルとアイデンティティ』エリクソン)

という4つの視点から自分の事を認識する、

「エリクソン的な”自己認識”」

と言えるでしょう。

■要は、

「自己認識をする」

といっても、
色々な山の登り方があるわけで、

ただ一言

「自己認識をする」とか
「自己理解をする」といっても

どの視点から語っているかを
理解して語ることが重要になるのです。

ゆえに、すれ違わないための
2つ目の工夫が、

『自分が、どの視点から語っているのかを、
明確に伝えること』

です。

ざっくり、

リーダーシップが、とか
自己認識が、ではなく、

ちょっと回りくどいかもしれないけれど
その言葉が意図することを

「こういう意味で使っている」

と伝えること。

このことが、チームにおける
すれ違いを減らし、相互理解をする上で
重要なことであろう、

と思うのです。

■「言葉」とは、

様々な意味をその中に含む
”結晶”のようなものだと感じます。

特に抽象度が高い単語、
四字熟語などはそうでしょう。

ゆえに、

言葉の持つ意味を、
ざっくりとではなく細かく理解し、
使い分けること。

そして使いこなすことができたとしたら

自分の思いや考えを
他者に伝えやすくなることになるでしょうし、

同時に、

【言葉を理解することは、世界を理解すること】

と言えるとも思います。

■、、、ということで

私自身、言葉の使い方が未熟な中で
なんとか言葉にしつつ書かせていただきましたが、

大学院に入って改めて

「言葉って難しいなぁ」
「チームでのディスカッションとは簡単ではないなあ」

と感じた中で思った気づきでございました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

勉強する事は、自分の無知を
徐々に発見していく事である。

ウィリアム・C・デュラント(セネラルモーター創業者/1861-1947)
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