チームの力を考える(9)~チームの多様性(ダイバーシティ)を考える~
(本日のお話 2532字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は管理職向けの研修。
その他打ち合わせなど。
*
さて、本日のお話です。
今日も引き続き、
「チームの力を考える」のコーナーを
お届けしてまいります。
何処まで続くのやら
自分でもわかっておりませんが(汗)
お伝えしたいことが
枯渇するまで放出していきたいと思います。
それでは早速まいりましょう。
タイトルは、
【チームの力を考える(9)~チームの多様性(ダイバーシティ)を考える~】
それでは、どうぞ。
■ダイバーシティ。
実に頻繁に使われる言葉ですね。
耳にしたことがない人は
おそらくいないのではないか、
とすら思います。
そして昨日のお話でも、
「メンバー選びの法則/最小多様性の原理」
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/3920125/
とのことで、
チームの多様性、
つまり「ダイバーシティ」は、
チームの成果に大きな影響を与える、
なんてお話をお伝えしました。
■今日は、注目のキーワードである
この「ダイバーシティ」を
更に深く掘ってみたいと思います。
ちなみに、
「ダイバーシティの影響」とは
一体どのようなものがあるのでしょうか?
その答えとして、
以下のような影響があると、
言われています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
<ダイバーシティの影響>
1,創造性の向上
2,多様な市場ニーズへ対応できる
3,国際化への対応
4,コンフリクトの増長
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
■つまり、多様性が増すことで
・「創造性」という
成果に直結するであろう要素も伸びますし、
・多様な視点が持ち込まれることで
「多様な市場ニーズへの対応」という
マーケティング的なプラスの影響も得られる。
・加えて、社会的な見られ方への影響もあり
「国際化への対応」などもできる、
等々、メリットが多分にある。
一方、色んな視点・考え方が増えるので、
”コンフリクト(対立・軋轢など)も
起こりやすくなる”
という側面も併せ持ちます。
■まあ、言われてみたら当たり前、
なのですが、結構大事なのですよね。
*
私も研修プログラムを作るとき
「多様な考え方って大事!」と毎度思います。
例えば自分だけで作って、
「いいのできたなあ!」
と思っていても、
妻に見てもらうと(普通の感覚)
「ちょっと暑苦しい」
と言われたり、
姉に意見を聞くと(やる気モリモリでない)
「ちょっと押し付けがましい」
と言われたり、
他の参加者を集めてデモを行ってみると
「ちょっと論理が飛躍したと感じた」
とフィードバックをいただく等
、、、などなど(汗)
その違った視点から
大いに気付きがあるものです。
■そこから思うことは
「自分はこれで納得できる!」
と思っても、
他者に伝えようとすると、
必ず「ズレ」が生じるということ。
それはよく言われるように
”自分と他者は、
違う感性・考え方を持っているから”
であり、
『自分が良いと思うものが、
他者が良いと思うわけではない』
からでしょう。
これは私だけではなく、
皆さまも経験から
感じられていることではないでしょうか。
■よって、繰り返しになりますが
「ダイバーシティ」というのは、
・創造性の向上
・多様な市場ニーズへの対応
にもプラスの影響がある、
ということですね。
■では、そんなダイバーシティを
以下に意図して創り上げていくのか?
単純に、女性が少ないから
女性を増やそう!
という考えだけではなく、
ダイバーシティを考えるときには、
一つ、理論的なフレームワークから
考えると便利です。
以下、
”ダイバーシティの
理論的なフレームワーク”
についてご紹介。
これによると、
ダイバーシティには
1)表層的ダイバーシティ
2)深層的ダイバーシティ
の2つがある、
とされています。
以下、簡単にご紹介です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<ダイバーシティの理論的なフレームワーク>
1)『表層的ダイバーシティ』
…デモグラフィックに関する要因の
ダイバーシティのこと
(※デモグラフィックとは?
性別、年齢、居住地域、国籍、人種、
所得、職業、家族構成など、人口統計学的な属性の総称)
(例えば・・・
「女性管理職比率を増やす」
「外国籍の社員を増やす」
「様々な年齢の人を採用する」など)
2)『深層的ダイバーシティ』
…心理的要因のダイバーシティのこと
(※心理的要因とは
性格、価値観、職務態度など)
(例えば・・・
「分析が得意な人と、関係づくりが得意な人」
「質を重視する価値観と、量を重視する価値観」
「会社にポジティブな態度な人、ネガティブな態度の人」)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■さて、いかがでしょうか。
こんな風に切り分けて見ると、
今世間で言われている
ダイバーシティとは
「表層的ダイバーシティに
寄っている」
とも言えそうです。
しかし、ダイバーシティとは
”必ずしも表層的な
ダイバーシティだけではない”
わけです。
■例えば、人種が
生物学的な区分としての
ネグロイド(黒人)、
コーカソイド(白人)、
モンゴロイド(黄人)、
などの違いがあったとして。
(表層的ダイバーシティは”ある”)
しかし、生まれ育った国、
受けた影響が「日本」だったならば
”人種は黒人だけど
考え方は「日本人」”
とも言えるわけです。
(深層的ダイバーシティは”ない”)
■でも人種は黒人という人を
チームに入れて
「ダイバーシティを実現した」
と言えるかというと、
必ずしもそうではないかもしれない。
もしかすると、
ずっと海外で育った
帰国子女の日本人のほうが
深層的なダイバーシティということで
「創造性」
「多様な市場のニーズ」
に繋がりうるかもしれない
とも言えそうです。
(なんだかオリンピックも含めて
旬なテーマのようにも感じますね)
■、、、と色々お伝えしましたが、
「ダイバーシティ」には
様々なプラスの影響力があります。
ゆえに、ぜひ多様性、
ダイバーシティーの影響力を
チームに、組織に
活かしていきたいものですね。
※(補足)ちなみに。
ダイバーシティの側面の
「コンフリクトの増長を抑える」には、
”「派閥を作らない」=
「ダイバーシティを広くとる」”
ことがポイントです。
すなわち、
AかBか、ではなく、
AかBかCかDかEかFか、とすれば、
派閥は生まれづらくなり、
コンフリクトの激しさも減るかと。
このことを、
『フォルトライン(断層線)』を薄める
と呼びます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
ものごとを正しく見るには、たった一つのやり方しかない。
ものごとの全体を見ることだ。
ジョン・ラスキン(イギリスの思想家/1819-1900)
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