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『越境学習入門 組織を強くする「冒険人材」の育て方』

今週の一冊『越境学習入門 組織を強くする「冒険人材」の育て方』

2992号 2022年5月1日

(本日のお話 2331文字/読了時間4分)

■こんにちは。紀藤です。

GW3日目ですね。
昨日東京は良い天気でしたので
家族で近所の公園で散歩など。
平和な1日でございました。

そろそろ勉強しないと、
大学院の課題の方が危なそうなので、
これから頑張ります(汗)



さて、本日のお話です。

毎週日曜日はお勧めの一冊をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、

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『越境学習入門  組織を強くする「冒険人材」の育て方』

石山 恒貴 (著), 伊達洋駆 (著)


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でございます。



■皆さまは、「越境学習」という言葉、
聞かれたことはありますでしょうか?


「越境」するとはすなわち、

すなわち、

”自分の居心地のよい
いつもの環境(=ホーム)”

を離れて

”慣れなくて、居心地が悪く、
自分のこれまでのルールが通じない環境(=アウェイ)
 
へと、まさに言葉通り
「境界を越えること」を意味します。


■名言風に言えば

「障子を開けてみよ、外は広いぞ by豊田佐吉」

という感じでしょうか。



■いつもと違う場所に
自分の身を置くことは、心地よくはありません。

私事で恐縮ですが、
今大学院に行っていますが、
当初はめちゃくちゃアウェイ感を覚えていたのが
まさに当てはまります。

みんな賢そうにみえるし(てか実際そう)、
まとめるのも上手。



、、、しかし、

その違和感を覚えて、
葛藤と痛みがあるからこそ、

学習が促進されていくし、
新たなやり方を個人と組織に持ち帰るからこそ、
レベルを上げることができる、

ということも1年たち理解しました。


■そんな、

「ホームとアウェイを往還することで
 生まれる葛藤が学習効果をもたらす」
 
という作用を、『越境学習』と呼びます。



■さて、この「越境学習」。

ここまでお伝えして
「その通りだよね」と実感を伴って
感じられた方も、少なくないのでは、と思います。

というのも、皆さまもこれまで
学校が変わる、異動する、転職するなど、

環境の変化、つまり、

”自分が普段と違う場所に行き、
 違った価値観に触れることで、
 自分がレベルアップする感じ”
 
を覚えたことがあるはずだから。



■そしてそれは、
仕事でも、仕事以外でもどこそこに転がっています。

書籍では「越境学習の種類」を考える参考として、
以下の4つのテーマを紹介しています。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
越境学習の種類 <人生の活動の4つのワーク>

1)有給ワーク
・雇用
・自営
・兼業・副業など

2)学習・趣味ワーク
・学び直し
・趣味・サークル
・リカレント教育
・社会人大学院
・勉強会など

3)家庭ワーク
・家事
・育児
・介護など

4)ギフト・地域ワーク
・ボランティア
・地域活動
・NPO
・社会活動など

※『越境学習入門  組織を強くする「冒険人材」の育て方』P33
 Handy,C,B(1995)The Age of Paradoxより

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


上記の4つのワークは、

特に人生が長期化する中で
人が持つ様々な役割を「ワーク」として
整理をしたものであるそうです。

そして、上記の4つのワークには

『越境学習』

のきっかけが大いにあるとも言えます。



■例えば、

・社会人大学院
・育児や介護
・地域活動(PTAなど)

などを通じて、

・自分の当たり前が壊される感覚、
(=ものの見方の変化)

・違った自分自身の発見
(=自己認識の変容)

・それに伴った葛藤や痛み
(=新しい場所で価値を提供しようとするプロセス)

などが起こります。

それは直接の仕事ではないけれども、
「仕事そのものの取り組み方」にもインパクトを与えてしまうような、
強い作用がある学びです。



■ただし、それは

「狙ってできるもの」とか
「効率的な学び」とは対極にあります。

何が起こるかわからない、、、
偶発的で、非効率的だけども、
大きな学習が起こりうる。

そんなものが「越境学習」なのです。



■そして「越境学習」がもたらす効果とは


「個人の成長」
(主体性、リーダーシップ発揮、
 多様な人とのコミュニケーション、挑戦する姿勢、
 キャリア発達)

にも役立つのはもちろんのこと、


「組織の成長」
(イノベーション)

にも繋がることがわかっています。



■例えばですが、

長年一社に勤め上げきた
社員で集まった集団がいたとすると、

「組織の価値観≒自分たちの価値観」

となっていることも
少なくはないかと思います。

皆が同質性を追求していくと
効率性は高まり、意思決定もしやすくなる。


それは、既に価値提供をできている
既存のビジネスを「深化」させることは
得意だとしても、


新しい領域を「探索」し
イノベーションを起こすということは、
苦手であることもしばしば。



■そこには、居心地の悪さや
異質性が求められるのです。


有名な話を引用させていただくと、
「探索」「イノベーション」とは、

明治維新期に岩倉使節団が
アメリカ、ヨーロッパへと派遣され、

その文明の違いに大きな衝撃を受けつつも、
(=越境学習の「往」)

同行した留学生が、帰国後に
政治・経済・科学・教育・文化などで活躍し
日本の文明開化に貢献したこと
(=越境学習の「還」)

ようなもの。


そこには、

1)旅人が冒険にいく
 (組織内から外へ出る)

2)得たことを持ち帰り組織の中で科学反応を起こす
 (外から組織内に戻り、イノベーションを起こす)

という「往還」のプロセスで行われます。

そして、「往」にも「還」にも、
”どちらにも痛みを伴う”のです。



■行った先(往)では、自分の価値観が
ガラガラと打ち崩され、そこから再構築をはかり、

戻った先(還)では、自分の見てきた違った価値観を
同質性が高い集団に伝えようとするのに
抵抗を受け、説得に時間がかかり、
骨を折ることになる可能性もある。


ただし、今のように
『両利きの経営』で言われる
「深化」と「探索」の

”探索(=イノベーション)が
求められている今”

だからこそ、このような
「越境学習の考え方が必要とされている」

とも著書では述べています。



■今回ご紹介の書籍「越境学習入門」では、
そんなインパクトをもたらしうる、

・越境学習とはそもそも何か?

・なぜ今、越境学習が求められるのか?

・越境学習で(個人や組織に)何が起きるのか?

などを、学習理論なども踏まえつつ
わかりやすく解説してくれています。



■本を読むことによって、

一学習者としての越境学習の必要性も
組織内における越境学習の必要性も、
感じることができる一冊かと存じます。

越境学習、その痛みを当たり前のものとして
自分を成長させ続けたい、

そんな風に私も思った次第です。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『越境学習入門  組織を強くする「冒険人材」の育て方』

石山 恒貴 (著), 伊達洋駆 (著)


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