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2753号 2021年9月4日

学びの源泉とは、幼子のごとき「衝動」にこそある

(本日のお話 1513字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日はストレングス・ファインダー研修の2日目。
また、夜は大学院の打ち合わせでした。



さて、本日のお話です。

先日、現在の人材開発・組織開発につながる
哲学者デューイの考え方を学びました。

その代表的な著書の『経験と教育』の中で、

「衝動の重要性」

について書かれていました。

今日はそのお話について、
皆さまに学びと気づきをご共有させて
頂きたいと思います。

それでは早速参りましょう。

タイトルは、

【 学びの源泉とは、幼子のごとき「衝動」にこそある】

それでは、どうぞ。

■”『衝動』とは
行為の原動力として
究極の動的源泉である”。

、、、とデューイは
『経験と教育』(P112)において
語りました。

■時は遡ること100年前。

1900年前後の話です。

プラグマティズムの代表的哲学者デューイは、

「旧教育(伝統的教育)の
教師中心主義、教科書万能主義には限界がある」

として、

「子供の個性や興味、自己表現
”衝動”を尊重した学びを!」

と『進歩主義教育』の考え方を
確立しました。

■今でもよく言われる

「子供の自発性を大切にしよう」

「子供が自ら進んで
学べるように工夫しよう」

という教育の考え方は、
100年前、デューイによって語られたのですね。

、、、そして、今なお
その大いなるテーマ(課題)は
進行中のようです。

■さて、そんなデューイですが、

経験学習(経験から学ぶこと)について

「衝動(Impulse)が重要だ」

と語ったのでした。

例えば、幼い子供であれば

・「喋りたい」(言語の衝動)

・「何かを作りたい」(構成の衝動)

・「もっと深く知りたい」(探究の衝動)

・「何かを作り伝えたい」(表現の衝動)

という4つの衝動がある、といいました。
(参考:デューイ『学校と社会』P60-61)

そして、

1,Impluse
「正真の目的は衝動から生じる」

2,Observation
「環境を観察する」

3,Knowledge
「過去に得た知識と結びつくか探索する」

4,Judgement
「観察されたものと過去の知識を結びつけ意味づけ」

し、また次なる衝動が生まれる、

といったのでした。

、、、と堅苦しく
表現していますが、

これがしたい!という
「衝動」から始まり、

その衝動で動いた結果、
「新しい体験」を経て、

今までの経験と紐付けて考える
「新たな探求」になり、

過去の知識と結びつけて
「新たな発見・気づき」等が起こり、

そして、


もっとこれが「知りたい!」等
「新たな”衝動”」が生まれてくる。

、、、というわけです。

■まさに子供の頃の、

「もっと知りたい」
「もっと試してみたい」
「どういうことか探求したい」

という「衝動」こそが、
経験の原動力となっている。

すなわち、

”『衝動』とは
行為の原動力として
究極の動的源泉である”

とデューイが語ったのは、
実に納得であるな、、、

と感じたのでした。

■では、翻って、
私たち”大人”を考えた時に、

「もっと知りたい」
「もっと試してみたい」
「どういうことか探求したい」

という「衝動」は内側からあるだろうか?

、、、と思ったのでした。

もしかすると、社会に出て
10年、20年と経ち、

自分のやり方が確立され
それなりに上手にできるものの、

「衝動」はなく、
淡々と日々を送っている。

なんてことがあったとしたら、

「新たな経験」も
なかなか起こらないだろうし、

「新しい学習」も
やっぱり発生はしないのだろう、、、

と思ったのでした。

■経験が大事だ、

学びが大事だ、といいますが、

同時にその源泉となる

『自分の”衝動”はあるか?』

と問うてみるのも大切であろう、

と思います。

■生後約半年の
我が子を見ていても
まさに「衝動」の塊だと感じます。

新しい物事に触れ、
新しい世界を知り、
感情が揺れ動いていく。

これは見習うべきことが
たくさんあるなあ、、、と

ルンバのように這い回る赤子を見て、
そのように感じております。

身体は大人になったとしても

知的好奇心を常に携え、
幼子のように新しい”衝動”を
生み出し続けられる自分でありたい、

そのように感じた次第です。

『衝動』、大切にしたいものです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

私たちは前進を続け、新しい扉を開き、
新たなことを成し遂げていく。
なぜなら、好奇心旺盛だからだ。
好奇心があればいつだって新たな道に導かれる。

ウォルト・ディズニー(ウォルト・ディズニー社創業者/1901-1966)

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