メールマガジン バックナンバー

2826号 2021年11月16日

「伝える・伝わる」はアート的共創である

(本日のお話 1671字/読了時間2分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイントと、
その後、お客様との懇親会。


■さて、本日のお話です。

研修の企画や実施をしており、
しばしば(というかよく)思うことがあります。

それは

「場の空気と、
 自分がその時に”そうだ!”と
 思えることではないと伝わらない」
(気がする)
  
ということ。


今日はこのお話について、
思うところを皆様にご共有させて
いただければと思います。

タイトルは、



【「伝える・伝わる」はアート的共創である】



それでは、どうぞ。



■研修を企画・開発する上で

「脚本(タイムライン)」

を作り、ストーリーを
設計していきます。

・どこで何を伝えて、
・聴衆をどんな感情に持っていって
・どのような落としドコロをつくるのか

を計算して作ります。



■実際、必ずしも
そうなるわけではないので、

やってみたら
思い切りスベることもありますが(汗)

基本、お笑い芸人の鉄板ネタのように
ウケるネタは何回やってもある程度の
打率があることを考えると、

やはり

「脚本(タイムライン)」

はとても大事なのだろうな、

と思うわけであります。



■しかし興味深いのが、

ある程度、鉄板であると思われる
”脚本”通り進めても、


「ノッてくるときと
 ノッてこないときがある」


ことあるよなあ、と思うわけです。



■なぜそうなるのだろうか、
と考えてみると、

それは間違いなく、


「対象が感情や気分がある
 人間相手だから」

ということと、そして

「”場は生き物”であり、
 毎回違っているから」
 
であろう、と
結局思い至ります。



■例えば、

ストレングス・ファインダーの研修は
それなりの数をやっていますが、

ある程度、鉄板の小ネタがあります。


大体その話や名言を、

同じような脚本上で
同じようなタイミングで放ちます。

でも、まるで
”刺さり”が違ったりする。



■皆が一同に頷いており、

オンライン越しでも
参加者の方と自分が「つながった!」

という感覚を
得られるときもあれば、

一方、

名言を言ってみたものの
なんだか響いていない、
あまり刺さっていない、、、

というときもあります。



■それは、

・研修を開催するにあたっての文脈
(この忙しい時になんで、不満がある)

・月末月初や週末などの違い

・対象者の年齢、役職

・語る私自身(紀藤)の
 気持ちのあがり用
 
などの影響もあるでしょう。

同時に、話し手と受け手の
相互の左様による影響も
あるかもしれません。



■それは例えるならば、

アイドルグループが
同じ曲を同じように歌っているのに


「11月●日のイベントでの
 あの曲は神回であった」
 
と語り継がれるように、

その時の空気やタイミングが織りなす
アート的な側面に近いものである、

、、、とも感じます。

(マニアックな例えですみません。
 私も一時期ハマっていたもので・・・)



■、、、と色々言ってしまいましたが
要は何がいいたいかというと

いくら万全な脚本を用意したとて

「場は生き物」

であり、それを見定めた上で

自分が役者のように、
どのように立ち回るのか、

という”アート的な世界”は
多分にある、ということです。



■日本の伝統芸能「能」を確立した

室町時代の世阿弥が
『風姿花伝』という著書で、

このようなことを語っています。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

よく出で来べき あしく出で来べき
瑞相あるべし

世阿弥『風姿花伝』より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

つまり、

”観客の様子を見れば、すぐ出来がわかる”

といい、

”その日の観客の空気によって
 出来が決まる”

といい

”その空気を作るのが
 演者の仕事めである”
 
というわけです。

(、、、と受け売りですが、
 大学院で学びました)

※参考バックナンバー↓↓
 今週の一冊『風姿花伝』
 https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/10380/ 



■そう考えたときに、

確かに事前準備・計画は
極めて重要であるし、

実際に成否の8割は
事前準備・計画で決まる。


それでもなお、


「脚本だけに依存しすぎない」


という柔軟性、

その場の空気を最大限取り入れて
共に共創するアート的な視点を持つことが

研修でもワークショップでも、
人を巻き込んで何かを行なう際には、
とても重要なスタンスなのであろう、

と思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。


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<本日の名言>

原稿を読んでいては絶対、人は口説けない。

盛田昭夫(ソニー創業者/1921-1999)

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