メールマガジン バックナンバー

2885号 2022年1月14日

アンラーニング(学習棄却)の全体像 ~きっかけ・阻害要因・結果としての影響~

(本日のお話 1985字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は新入社員向けの2日間研修実施の
1日目でした。その他打ち合わせ2件。

大学院のプロジェクトも、
今週末が発表でいよいよ佳境を迎えております。
盛り上がってまいりました。



さて、本日のお話です。

少し前に、

【大人はアンラーニング(学習棄却)で変容する】
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4069139/

なるメルマガを書きました。

今日はそのお話の続きとして、
引き続きアンラーニングをテーマに、
皆様に学びをご共有させていただければと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは

【 アンラーニング(学習棄却)の全体像 ~きっかけ・阻害要因・結果としての影響~ 】

それでは、どうぞ。

■大人になると、

「有能さの罠」

に、しばしば嵌ってしまうことがあります。

ある程度経験を積んでくると、
自分のやり方が確立されてきます。

すると自分の得意技、
いつものパターンに
無意識に固執してしまことがあります。

新しい知識・スキルが
必要だとしても、

自分の中にある

「これまでのやり方」

が自分の中にでーんと、
居座っているため、
なかなかこれまでのやり方を
捨てることできない。

■何かの名言か

「コップに水を注ぐなら、
まずコップの中身を空にせよ」

なんて聞いたがありますが、
まさにそのとおり。

新しい知識・スキルを
受け入れるためには、

意識的に

「知の断捨離」

を行うこと、

そして”知の入れ替え”を
行っていくことが重要である、

そんなお話をお伝えしました。

■、、、と

理屈はわかるとしても、
では具体的にどんなときに、

「アンラーニング(学習棄却)」は
起こるのでしょうか?

そしてアンラーニングの結果、
どのような影響が私たちにあるのか?

こちらについて
ある調査があります。

以下、結果をまとめます。

(ここから)
~~~~~~~~~~~
【アンラーニングについての調査と結果】

<調査概要>

・さまざまな業種で働く175名に対して、自由記述調査を実施。
(対象:民間企業社員、国家公務員、地方公務員、病院看護師、行政保健師)

・「アンラーニングのきっかけは職場に何をもたらすのか」
「アンラーングを阻害する要因は何か」について調べた。

・この調査データをGTAというアプローチで分析。

<アンラーニングのきっかけ>

1位 状況変化 71.3%
(異動・部門異動・問題の発生・家庭の事情など)

2位 他者の行動 18/9%
(上司・同僚・部下・取引先など)

3位 研修・書籍等 9.8%
(研修・勉強会・書籍等の影響)

<アンラーニングを阻害する要因>

1位 技術・スキル習得の難しさ 58.5%
2位 職場の理解不足 22.8%
3位 過去の習慣・心理的抵抗 18/7%

<アンラーニングがもたらす影響>

◯「職場への影響」
・業務効率の向上&課題解決
・他者との関係構築
・部下の意欲・能力向上

◯「自分自身への影響」
・業務効率の向上&課題解決
・仕事意欲・主体性向上
・精神的・肉体的な余裕

※参考:松尾睦(2021)『仕事のアンラーニング』(同文館出版)P35-36
~~~~~~~~~~~
(ここまで)

■まず、

<アンラーニングのきっかけ>

を見ると、

『70:20:10の法則』と言われる、

”人の成長に影響を与えるもの”は

・仕事経験から7割
・他者からの薫陶から2割
・研修から1割

である、という話に
ほぼ一致していることが興味深いです。



やはり人が
変化変容するのは、

「状況の変化を含め、
経験すること」

であるようで、

最もアンラーニング
(そして自分自身の成長)の
きっかけになるようです。

■新しい経験とは
時に痛みを伴います。

”状況の変化”によって、

・これまでのやり方が合わない、
・今までのやり方が通用しなくなった等、

矛盾や葛藤が起こり
それに付随して起こる
内的な混乱の中で痛みを生じます。

でも、その中で
新しいやり方を模索し、
結果、自分自身に変容が起こり、
(起こさざるを得なくなり)

このプロセスの中で、

「アンラーニングが起こる」

と推察されます。

■私も自分話しながら
振り返り思うのが、

この1年間すごく
成長の機会があったな、と感じますし、

多くの「アンラーニング」が
あったようにも思います。

その引き金となったのは、

「大学院への入学」

など、”状況の変化”でした。

これまであまりやってこなかった、

「多様な知識とスキルを持ったメンバーと
プロジェクトを進めること」

という状況変化により、

これまでは少人数×スピードで
やることが多かった中で、

”色々な考えがあり、それを反映させて
じっくり企画を練り上げていく”

”論理的かつ丁寧に企画を編み、
品質を高めていく”

という知の断捨離と、知の獲得の
アンラーニングのプロセスが
起こっていたと感じます。

■自分自身をアップデートする上で、

やはり大変なこともありますが、
新しい経験をし続けること。

学ぶことが大変なこともありますが
(まさにアンラーニングの阻害要因
「技術・スキル習得の難しさ」です)

粘り強く、長い目で学び続けることで
乗り越えられることもあるはず、と思います。

、、、と
アンラーニングの大切さとともに、
自分に言い聞かせた次第でございます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

==========================
<本日の名言>

自己に閉じ込められ、自己にこだわっている間は、
世界を真に見ることができない。
自己が自由に、自在に動くとき、世界もいきいきと生動する。

道元(鎌倉時代の禅僧/1200-1253)

==========================

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す