今週の一冊『承認欲求の呪縛』(番外編/前編)
(本日のお話 1614字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日も引き続き、
茨城の妻の実家にて。
*
さて、早速ですが本日のお話です。
昨日から色んな読書を進める中で、
『承認欲求の呪縛』
という本を読み、
思うことがありました。
毎週日曜日が「今週の一冊」のコーナーですが、
今日は番外編ということで、
その本の紹介と感じたことを皆さまに
ご共有させていただければと思います。
タイトルは、
【今週の一冊『承認欲求の呪縛』(番外編/前編)】
それでは、どうぞ。
■皆さまも、
「承認欲求」という言葉、
耳にされたことがあるかと思います。
ちなみに「承認欲求」を
グーグルで検索すると850万件(2017年)あり、
同年の流行語対象を受賞した「忖度」を
遥かに凌駕する検索数であったそう。
そして、この
「承認欲求」の特徴と
その光と影の効果を書き記したのが、
今日ご紹介する
『承認欲求の呪縛』(新潮新書)
太田 肇(著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4106108003/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Q1KnFbWDV2V4E
でございます。
■さて、「承認」とは、
有名な心理学者、
マズローの欲求階層説で、
”承認欲求は人間の正常な欲求の一つである”
とし、5段階ある人間の欲求の
上から2つ目として定義づけられたことで有名です。
(※参考:マズローの欲求5段階
下から順に、生理的欲求→安全の欲求→
社会的欲求→承認欲求→自己実現欲求)
■確かに、
「凄いよね」
「流石だよね」
「本当、真似できないよ」
などと、他者から声をかけられると
純粋に嬉しいものです。
(少なくとも私は、めちゃ嬉しい)
なんとも言われぬ、
満たされた気持ち。
自分が価値ある人間と
感じられるというか
どんな感覚かというと、
・自分が重要な人物であると感じる
「自尊心」が満たされた感覚
とか、
・自分が周りの環境を効果的に支配できている、
やればできるという「自己効力感」
と言うと近しいかと。
■そしてそれは、
自分(紀藤)が「承認欲求」に固執している、
というだけではなく、
実際に、著者が11年に渡って調べた
”「承認された場合と、承認されない場合」を
統計的に分析をした実験”
によると、
承認された場合の方が、
承認されていない場合に比べて、
1,内発的モチベーションのアップ
2,自己効力感の向上
3,評価・処遇への満足
4,離職の抑制
5,成績の向上
6,組織に対する一体感や
貢献意欲の向上
7,勉強への関心と不安
が、優位に高まった、
と著書では語られるのでした。
■上記の7項目をぱっとみても、
「承認の言葉」
によって、
モチベーションも上がれば、
処遇への満足度も上がれば、
一体感も高まれば、離職も減れば、
自己効力感も高まる、
ということで、
「承認の力、最強じゃん、、、」
とつい思ってしまうほど
「承認する・認める・褒める」
ことは、人を鼓舞し、
ポジティブな効果をもたらす上で、
大変パワフルな行為である、
といえるでしょう。
■付け加えれば、
日本人は欧米人に比べ、
承認をされる機会が少ないのが現実といい、
「仕事上のことで、上司や同僚が
自分の意見に耳を傾けてくれる。
ねぎらいや感謝の言葉をもらう」
ことはアメリカ人と比較しても、
少ないそう。
ゆえに、私達日本人は
「もっと承認の力を理解し、
効果的に使うべし!」
とも言えるのかもしれません。
■そして「承認」の仕方のポイントとは、
主に、以下の3つになる、といいます。
1)友人や顧客などの第三者の評価を伝える。
2)何が賞賛に値するのかを文章にして
できるだけ具体的に示す
3)「昨年はできなかった〇〇が今年はできるようになった」と
進捗の度合いを客観的に理解できる指標を示す
他にもありますが、
主な上記の1)〜3)を
ナチュラルに使えるようになれば、
周りの人の自己効力感を
承認のよって高めることは
可能になりそう。
■、、、と
「承認欲求」という
人が持つ欲求を上手く満たして、
プラスの効果を享受しよう、
と思っても、
話はそう簡単ではありません。
この著書のタイトル
『承認欲求の呪縛』ともある通り、
「承認欲求は光の効果と共に、”影”の部分もある」
と語るのです。
このお話については、
少し長くなりましたので、
明日に続けます。
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<今週の一冊>
『承認欲求の呪縛』
太田 肇(著)
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