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3347号 2023年4月23日

今週の一冊『HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか』

(本日のお話 3480字/読了時間5分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、
独立・起業に関する勉強会でした。

主催者のご自宅が会場で
子供も含めて和気あいあいとしていましたが
こういった会もいいものだな、と思いました。

(先生と言われる経営者と子供の触れ合っている一面を見ると
なんだかほっこりします)



さて、本日のお話です。

毎週日曜日はお勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、

========================

『HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか』

ベン ホロウィッツ (著),
滑川 海彦 (翻訳), 高橋 信夫 (翻訳), 小澤 隆生(序文)/日経BP社

========================

です。

■「ハード・シングス」。

一言で言えば、

「困難」

のことです。

特に、

起業家がビジネスを成長させていく上で出会う、
予想もしないような困難、

たとえば、

・株価の暴落、
・取引先の倒産、
・従業員のレイオフ、
・仲間の裏切り、
・資金ショート、
・家族の不幸、

などなどです。。。

キーワードを並べて
それらが立て続けに起こることを
想像しただけで、震えてしまいます(汗)

■さて、私事ですが、
スタートアップで活躍をしている知人が、

「このようなハード・シングスを、
大なり小なり経験をしている」

といっており、

新しいことを始める上で、
こうした大変さは避けて通れないようにも見えました。

そしてそういった経験をしている人は、

”芯の部分でブレない強さ”

のようなものがあり、
実に格好よく、憧れます。

まさに、

”変えられるものを変える勇気と、
変えられないものを受け入れる冷静さと
両者を識別する知恵”(byニーバーの祈り)

を獲得する道のりの最中にいる、、

そんな雰囲気を感じさせられます。

そんな人を成長させる側面もある
「ハード・シングス」とは一体どのようなものか?

気になって
この著書を手にとってみたのでした。

■著書『HARD THINGS』の内容ですが、
このように説明されます。

以下引用いたします。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

”シリコンバレーで一番注目されるベンチャーキャピタル(VC)、
アンドリーセン・ホロウィッツ。

ブラウザを発明した天才、マーク・アンドリーセンとともに、
このVCを共同創業したのが著者のベン・ホロウィッツだ。

ベン・ホロウィッツはネットスケープなどを経て、
クラウド企業のラウドクラウド社やオプスウェアのCEOを務めた。



起業家時代のホロウィッツには、
これでもかというほどの困難(ハード・シングス)が次々と襲った。

ドットコム不況が襲い、顧客が次々に倒産し、資金がショート。

打開策を見つけてIPO(新規上場)を目指すも、
投資家へのロードショウ中には妻の呼吸が止まる。

上場してもパーティさえ開けないような状況でITバブルが弾け、
株価は35セントまで急落。

最大顧客の倒産、売上9割を占める顧客が解約を言い出す、
3度にわたって社員レイオフに踏み切らざるを得ない状況に――。

しかし最終的には、困難を切り抜け続けて、
1700億円超で会社を売却するという大成功を収めた。

壮絶すぎる実体験を通して、
ベン・ホロウィッツが得た教訓とは何なのか?

リーダーへ、そしてゼロから何かを生み出そうともがき苦しむ人へ、
著者がシンプルで説得力のあるアドバイスを贈る。”

※Amazon本の紹介より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

とのこと。

■顧客が倒産。

妻の呼吸が止まる。

株価が急落。

社員レイオフ。

、、、読んでいくと、

「マジか・・・」

と読みながら絶望してしまいます。。。

この状況ならばほとんどの人が諦め
心が折れてしまいそうな状況です。

その中で、著者のベン・ホロウィッツが
苦しみながら闘い抜く様子が、
描かれていきます。

■書籍の前半では、
ベン・ホロウィッツが起業をしてから、
彼の身に起こった、数々のハード・シングスが
語られていきます。
(相当なインパクトです、、、)

そしてそこには、
よくあるビジネス書では書かれていない、
リアルな難しさが語られます。

例えば、こんな風に。

”本当に難しいのは、
大きく大胆な目標を設定することではない。

本当に難しいのは、
大きな目標を達成しそこなった時に、社員をレイオフ(解雇)することだ。

本当に難しいのは、
優秀な人々を採用することでない。

本当に難しいのは、
その優秀な人々が既得権にあぐらをかいて、不当な要求をし始めた時に対処することだ。

本当に難しいのは、
会社の組織をデザインすることではない。

本当に難しいのは、
そうして組織をデザインした会社で人々を意思疎通させることだ。”
(P146)

、、、と。

体験したことがなければ、
決して語ることができない、
現実の痛みです。

■そして、中盤以降では

その経験を通じて、
ベン・ホロウィッツ氏が体験した
教訓を余すことなく言葉にされています。

例えば、物事がうまくいかなくなったとき、

・人を正しく解雇するには
・幹部を解雇するには
・親友を降格させるには

どうすればよいか?、、、など。

あるいは、

・部下の教育をどうするか
・友人の会社からの採用がよいか/悪いか
・幹部の採用をどのように行うか

など、採用/教育に
まつわる考えにも触れていき、また

・肩書や昇進の上手な使い方とリスク
・企業文化の構築の仕方
・個人面談(1on1)の考え方

など、ソフト面にも触れます。

■しかし、

「企業文化」を語れるのは、
あくまでも”平時”であり、

”平時と戦時の違い”

も語るのです。

今にも倒れそうなとき、
そこには有無を言わせず、
全員が死力を尽くして戦わないといけないこともある。

そうした現実も語られます。

そして、

・CEOとして求められるスキル
・CEOが一番つらいこと(心理的な悩み)
・CEOはどうやって鍛えるのか

と、CEO自身についても
述べていきます。

興味深かったのが
CEOも人間であり、

「うまく仕事をしているつもりなのに、
こんなにも落ち込んでしまう」

「誰にも責任転嫁できない」

「何もかもうまくいかないと感じてしまう」

という心理的な辛さの本音
(しかし社内では決して語ることができない)
についても触れられています。

■これらの語りを読み進めると

率直に、

「ただただ、ずっと辛い」

「ひたすら闘い続けている」

印象です。

そして、事実そうなのです。

曰く、

「CEOでいる間、
一度も心の平和を得られなかった」

とホロウィッツは語ります。

■なぜ、何のためにそこまで闘うのか?

と思ってしまうくらいに、
あらゆる苦難に向き合っていきます。

それは、関わった従業員の幸福のため、
あるいは、自身の挑戦のため、、、

他にも著書の中にも書かれていない
いろいろな気持ちがあるのでしょう。

ただ、ホロウィッツは、
最後にこのように語ります。

『苦闘を愛せ。
そして、成功の鍵はそこにしかない』

と。

■おそらく、この例は
極端かもしれません。

しかし、

何かを成し遂げようとするときは、
これらにも似た苦闘を避けて通れないことも、
きっとあるのだろう、

とも思います。

その時に、この著書からは

”苦闘の意味づけ”

を学ばせてくれるようにも、
感じられました。

(出来ればしたくないのですが)

■とても大変な、
しかし世界を変えていくスタートアップ。

スティーブ・ジョブスや
ラリー・ペイジのような、
有名な人だけではなく

世界中の
スタートアップと関わる
CEOの状態を想像することを
可能にしてくれる本でもある、

と感じました。



最後に、著書への推薦の言葉を
ご紹介させていただきたいと思います。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「本書は、意志の力だけで会社を破滅の淵から救えるという証言」
ーマーク・ザッカーバーグ(フェイスブックCEO)

「シリコンバレーのスター経営者に慕われる
最強投資家からのシンプルなアドバイス」
ーラリー・ペイジ(グーグルCEO)が絶賛!

「ベンのアドバイスはここ数年、私にとって何物にも代えがたい貴重なものだ。
危機のすべてを実体験して切り抜けてきた者のみが持つ権威がある。
ベンの結論はシンプルだが、その説得力は以上だ。」
――ディック・カストロ(ツイッターCEO)

「経営書は、偉大な会社になるための法則があるという。
しかし、イノベーションはコピー不可能なのだ。
ホロウィッツは、成功を保証する法則なんてないことを熟知している。
この本は、起業家が自己満足で自滅するのを防ぐ実効性のある初めてのガイドだ。」
――ピーター・ティール(ペイパル共同創業者兼ファウンダーズファンド共同創業者)

※Amazon本の紹介より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大変勉強になりました。
そして刺激を頂いた書籍でした。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか』

ベン ホロウィッツ (著),
滑川 海彦 (翻訳), 高橋 信夫 (翻訳), 小澤 隆生(序文)/日経BP社

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