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3542号 2023年11月5日

今週の一冊『マンガでよくわかる1on1大全』

(本日のお話 3155字/読了時間4分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、大阪―奈良―和歌山の
3県にまたがるダイヤモンドトレイルなる
関西で人気のトレイルランニングに参加。

「楽しんできます」とゆるく宣言したものの、
実際は予想以上に大変で、己の準備不足を悔いた1日でした(汗)
(詳細はまた明日のメルマガに記載したいと思います)



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は

=========================

『マンガでよくわかる1on1大全』

世古詞一 (著), 英賀千尋 (著)


=========================

です。

■「1on1」の気になるところを
わかりやすく言葉にしてくれた一冊。

この書籍を拝読して、最初に思った感想です。

1on1はだいぶ浸透しつつあります。

”ただ、浸透し始めたゆえ、
新たなる疑問も生まれてきている”

というのが現状ではないでしょうか。

そんな

幅の広い”1on1”という概念に含まれる、
整理されていなかった抽象的な知識やスキルを、
具体化(言語化)し、網羅的に整理された、、、

そんな印象を受けました。

■さて、少しの話になってしまうのですが、

私もコーチングや1on1について
組織の管理職の方を対象に、
お伝えする機会もあります。

その際に出てくる意見として
いくつかご質問いただくことがあります。

それは

「そもそも1on1では何を行えばよいのか?」

という、”1on1で対話すべき内容”について、
あるいは、

「1on1はコーチング的な関わりのみで
ティーチングや業務のことを話しては
いけないのだろうか?」

など、”対話のお作法”的なものあります。

あるいは

「フィードバックや承認も必要だけど
耳の痛いことをどう伝えればよいのか?」

などについて聞かれることもあります。

■また、対話に関係内容ですが頻出なものが

「1on1のような働きかけを試してみたものの、
部下が受け身で口を開いてくれず、
どうしたらよいかわからなくなった」

という”部下自身のスタンス”にまつわるもの
(あるいは上司・部下間の信頼関係かもしれません)

に関する内容です。

■まさに、こうした疑問は、

多くの企業が導入はしてみたものの、
なかなかうまく定着しない障害の理由でもあり、

逆に言えば、こうした疑問に対して
明瞭に答えて、補助線としての考えを示すことができれば
「1on1」を現場と経営にとって役立つものとして
継続、発展させることができる、

とも言えそう。

■しかしながら、

「1on1のエントリー本」のようなものはあるのですが
(傾聴や質問が重要等)

1on1を試して、上記の疑問にぶつかった人には
もっと具体的な全体像を示してほしくなります。
さらに詳細の情報が知りたくなります。

個人的に、本書をおすすめしたい方がいるとすれば
・これまで1on1を試してみたものの、
なかなか手応えを感じられない、とか

・関わり方のレパートリーが増えない、
複数回行うと冗長になってしまう、とか

・キャリアや業務、フィードバックやティーチングなど
色々な内容の使い分けが整理できていない

、、、そんな障害やもやもやを感じる方です。

■そんな中で、道を示してくれるのが
まさに今回ご紹介させていただく

『マンガでよくわかる1on1大全』
https://amzn.asia/d/7FaxG0r

が大いなるヒントになると思います。

上記の疑問をクリアにしてくれる
整理された考え方と知識・ツールが
本書には大いに含まれています。

■個人的に感じた、本書の特徴を3つ、
以下、書き記してみたいと思います。

まず本書特徴的な部分の1つ目が、

”1on1における「部下側の役割」に焦点を当てている”

ところです。

1on1施策の導入目的は様々ですが、
本書で紹介されている調査によると

1位:社員の主体性・自律性の向上
2位:自律的キャリア形成の支援
3位:評価の納得性の向上
4位:エンゲージメントの向上
5位:離職率の低下

(リクルートマネジメントソリューションズ 2022年1月)

と続きます。

1on1の目的は各社、
あるいは提唱する立場によっても様々でありますが、
企業の現場ベースでのキーワードは

「従業員の自律性」

というのがポイントになっているようです。

■こうした

「従業員の自律性の向上」を
上司全てに責任を任せるのは、
現実的ではありません。

そこで、

「支援型上司」&「自律型部下」

という役割認識がそれぞれを持って、
1on1の場を共創していく。

このスタンスから始まっているところが
最も新しいところだと思います。

■そして本書の特徴的な部分の2つ目ですが、

それは、

”「1on1」において語られてきた
様々な知識やスキルを整理されていること”

です。

たとえば、具体的には、
以下のような項目で整理をされています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<組織に1on1が浸透するための全体像>
(How/What/Why)

◯Why:
・1on1ミーティングの5つの目的

◯What:
・何を対話するのか(『すり合わせ9ボックス』)
※詳細『対話型マネジャー』https://amzn.asia/d/7FaxG0r

◯How:
・上司の7つのコミュニケーション
(=対話・支援型コミュニケーション ← → 指示・解決型コミュニケーション
コーチング/フィードバック/相談/アイデア/情報交換/アドバイス/ティーチング)
・1on1ミーティングの流れ
・部下の1on1での役割
(=テーマ準備、自ら考える・話す)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

詳細にについては、
是非本書をみていただきたいところ。

1on1を進める上で、
巻末の全体像の整理の枠に沿って
上司-部下の目的や役割の認識をすり合わせてみれば

「1on1」の場が広がり、
双方にとって有益な場になるはずだと、
想像させられました。

■そして、本書の特徴の3つ目。

書籍のタイトルにもあるように

”マンガでわかる”

という点です。

マンガでわかるといっても、
内容をただマンガにするのではなく、

”人と人の対話で流れる微妙な機微”

を表現できるところが
魅力のポイントだと感じます。

例えば、
1on1でも使われるコーチングの技法の1つに
『スケーリング』(数字にして現状を見える化する)
という方法があります。

これを、イケていないやり方をすると

「今の現状は10点中何点?
6点なんだ。なんで?理由はなにかな?」

と矢継ぎ早に質問をしてしまい、
”質問ではなく、詰問”のように感じさせられ
うまく対話の深掘りが機能しないことがあります。

これは、言葉だけでは、
なんとも伝えづらい「雰囲気」の部分です。

こういうシーンで
例えば、上司はどのように立ち止まって、
相手の思考を深ぼるために関わるのか、
という世界観もイメージすることができるようになるのが
マンガを活用して魅力の一つです。

(ちなみに本書では、
「集中力がないと言っても60%はあるよね。
自分の中で基準みたいなものはあるの?」
と足りないところではなく、背景を深ぼる関わりをしています)



またもう一つ、
マンガで表現することを通じて

・3人の部下と、複数回1on1を重ねていくことで、
その内容や質感がどのように変化していくのかがイメージできる

・各ステージでどのようなスキルを
上司ー部下双方が持ち寄るのかがイメージできる

という流れにもなっています。

例えば、以下のようなイメージです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<本書のストーリー>
【1回目:啓蒙期】
◯目的と役割確認
・1on1の目的共有
・1on1の対話の9つのテーマ
・1on1における部下の役割

【2回目:探求期】
◯質の高い対話作り
・メモの取り方
・効果的なフィードバックの方法(上司=承認、部下=フィードバック探求)

【3回目:日常期】
◯部下のための時間へ
・1on1で使う上司の7つのコミュニケーションスキル
・1on1で自律型部下が使う上司へのコミュニケーション
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

■著者の世古さんは、

日本の様々な企業10万人以上の方に、
1on1を伝えてこられていますが、

そうした日本の管理職のリアルと、
そして1on1のメカニズムを理解されているからこそ、
こうした内容を表現にできたのだろう、

と想像いたしました。

とても丁寧かつ、作り込まれた内容で
たいへん勉強になりました。

「1on1をやろうとしたけど
なかなか上手く行かない」

そんな人や組織に、ぜひおすすめしたい一冊です。

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<今週の一冊>

『マンガでよくわかる1on1大全』

世古詞一 (著), 英賀千尋 (著)

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