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『信頼学の教室』

今週の一冊『信頼学の教室』

2950号 2022年3月20日

(本日のお話 1853字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、友人たちと
5月の100キロマラソンに向けて
山道を30キロほどランニングの練習でした。

神奈川県秦野市のヤビツ峠という
始めていく場所でしたが、
気持ちよく走れるなかなかよい峠でした。

ランニングのよいところは、
肉体を鍛えると同時に、
人間関係も広げ、深めることが
できるところだと感じます。

また、午後からは大学院にて
「グループプロセス介入」をテーマにした
オンライン授業でございました。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、オススメの一冊を
ご紹介させていただく「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は

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『信頼学の教室』

中谷内一也 (著) /講談社現代新書

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です。

■「信頼」とは

仕事においても、
友人関係や、夫婦などの関係においても、

重要な要素の一つであることは
否定する方は少ないのでは、と思います。

■、、、というのも、
相手のことを「信頼」できなければ、

仕事においても
相手に安心して任せることはできないし、
そうすると仕事も前に進みづらい。

また、友人関係でも、信頼がなければ
「いつ裏切られるのか」等の疑念がつきまとい、
良好な関係を維持するのが難しいのかもしれません。

あるいは、夫婦やパートナー関係においても、
相手への信頼がなければ、毎度のように

「今日はどこで何していたの?」と質問(詰問?)が
繰り広げられて、窮屈に感じるかもしれません。

(このケースは信頼以外も関わっていそうですが)

■加えて言うならば、
「信頼」はビジネスにも影響を与えます。

その「企業」に信頼があるから
消費者がその企業の製品を買う、

という行動にも繋がりますし、

あの「国」はちょっとリスクがありそうだから
取引をやめておこう、

というより大きな単位での
「信頼」もあるでしょう。

そしてそれはビジネス上の利益に
直接影響を与えるものです。

■ゆえに、
「信頼」を獲得することは、

私達個人がより社会生活を過ごしやすくする上でも、
あるいはビジネス上で、成果を得るためにも、
とても大切な要因である、と言えそうです。

■では、そんな「信頼」は
どのような特徴があるのか?

このことについて、
今回ご紹介の書籍『信頼学の教室』において、

「信頼の仕組み」をわかりやすく、
かつユーモラスに紐解いてくれています。

著者の中谷也さんは、
同志社大学心理学部教授
博士(心理学)。 専門は社会心理学とのことで、

「信頼」を「信頼学」として
論理的に解説してくれています。

実際にあった調査や、研究のデータから
「信頼」を成り立たせている要素を因数分解して、

それぞれどのような影響を
与え合っているのか?という相関について、
調査方法やデータを用いて
明快に(でもわかりやすく)説明をしてくれています。

■、、、かといって、

小難しいかというと、
全くそんなことはなくスイスイ読むことができます。

場面設定として、

企業の広報部門に配属された若手社員シンジ君が
「社会における信頼向上」をミッションして与えられ、

大学時代の心理学の先生
ナカヤチ先生(おそらく著者)に相談するという、
架空の設定で話が進んでいきます。

そして、このシンジ君と
ナカヤチ先生のボケとツッコミのやり取りが
くすりと笑えるものが多く、

結構真面目な話をしているのに、
ちょっとした漫才をみているような、
気楽な気持ちで読み進めることができます。

科学知を盛り込んだしっかりした内容。
一方、ユーモラスで面白い。

そのバランスがこの著書の最大の魅力だと
私は感じさせられました。

■内容については、
実際に書籍を読んでいただければと思いますが、

例えば、「信頼」について
このようなお話が書かれています。

◯「信頼」とは3つの要素から成り立っている

1)価値の共有・・・自分にとって大切なことを相手も大切にしているか
2)能力・・・専門性、経験・実績がある
3)人柄・・・一生懸命さ、熱心であるなど

◯相手との「信頼が低い」場合、「価値の共有」を示すことが効果的。
相手との「信頼が高い」場合、「能力」を示すことが効果的である

◯「信頼」はネガティブなバイアスがかかりやすいため、
失うのは一瞬であるが、築くのは相当な労力を必要とする

など。

■上記のように書いてしまうと、
単純な話のようですが、
なぜそのように言えるのかという背景に
読み応えがある著書となっています。

信頼について探求してみたい方に、
お勧めの一冊でございます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『信頼学の教室』

中谷内一也 (著) /講談社現代新書

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