メールマガジン バックナンバー

3117号 2022年9月3日

ライフ・キャリア・レインボーとは何か ー役割×時間軸でキャリアを考えるー

(本日のお話 2754字/読了時間4分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。
また研修プログラムの準備など。



さて、本日のお話です。

今日は「キャリア」についてのお話を引き続き。

有名なキャリア発達理論で

『ライフ・キャリア・レインボー』

という考え方がありますが、
このお話を紹介させていただきつつ、
学びと気づきをご共有させていただければと思います。

それでは、早速まいりましょう!

タイトルは

【ライフ・キャリア・レインボーとは何か ー役割×時間軸でキャリアを考えるー】

それでは、どうぞ。

■何事にも「基礎」のごとき、
考えがあります。

そして、その基礎を土台として
様々な考え方や研究が広がっています。

ボクシングで言えば、
ジャブ、ストレートが基本で

そこからフックやアッパーや
コンビネーションが生まれた、

みたいなイメージです。

(あっているかわかりませんが
おそらくそんな感じかと・・・)

■そして、

「キャリア」についても同じです。

キャリア発達の考え方を発展させて、
打ち立てた色々な人がおり、

その中でも特に有名な
”建国の父”的な人も存在しています。

その一人が、スーパー(1910-1994)です。

スーパーは

”キャリア発達は、
自己概念を実現するプロセス”

と考えました。

つまり、キャリアとは

・自分で思う自分(=主観的自己)
・他の人から見える自分(=客観的自己)

を自らの中で統合して、

それが人により肯定的なものであれ
否定的なものであれ、

”自分はこんな人である(=自己概念)”

という考えを形作っていく道のりが、
キャリアである、、、

と話かと思います。

(私の解釈が入っております)

■そして、その

「キャリア発達の道のり」も
誰もが通る5つのステップがある

と考えました。

それが「職業的発達理論」と呼ばれ、
キャリアを『時間軸(ライフステージ)』で捉えたものになります。

以下の内容となります。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「職業的発達理論(1974)」Super,D&E

1、成長段階(児童期~青年前期)
:自分がどういう人間であるかということを知る。
働くことの意味についての理解を深める

2,探索段階(青年前期~成人前期)
:職業についての希望を形作り、実践していく。

3,確立段階(成人前期~40歳代中期)
:30歳頃まで/職業への方向づけを確定し、その職業に就く
40歳代中期まで/経験を積み、その地位を確立する

4,維持段階(40代中期~退職まで)
:達成した地位やその有利性を保持する

5,下降段階(65歳以上)
:諸活動の減退と退職。

※参考:木村周(2018))『キャリアコンサルティング理論と実際』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

もちろん、様々な動きがあり、
60歳になっても探索を続ける人もいますし、

そういったことが健康寿命も伸びた
現在のキャリアの考えにもなっているかと思います。

ゆえに、上記はあくまでも

「時間軸(ライフステージ)」の大きな流れ

として考えるとよいのでしょう。

■また、スーパーは
「時間軸(ライフステージ)」だけではなく、

『役割(ライフロール)』

という視点でも捉えました。

役割とは以下のようなものとなります。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

◯子供:
親に育てられている。面倒を見てもらっている。
あるいは子供として親の面倒を見ている。

◯学生:
学校に通って学習をしている。
義務教育やそれに続く専門教育、高等教育も含む。
学校だけでなく、技術やスキル、語学力を獲得するために教育/研修施設に通ったり、
通信教育を受けるというのも含める。

◯余暇人:
自分の興味や関心を満たす時間、期間。
一人で趣味やレジャーを楽しんだり、サークルやバンドなどで
仲間と過ごしたりしている。

◯市民:
地域や社会から要請されている役割を担っている。
周りから割り当てられることもあるだろうし、
自発的に地域活動や社会活動などに参加するものも含む。

◯労働者:
会社などで仕事をする。
あるいは仕事を得るための活動をしている。

◯家庭人:
配偶者とともに、あるいは単身で家庭を築き、それを維持する活動。
親として子供を育てること。住居を維持することも含む。

※上記以外にも、その他のさまざまな役割を
スーパーは改変、提示しましたが上記が代表的なものになります

※引用:小野田博之(2015)『自分のキャリアを自分で考えるためのワークブック』.日本能率協会マネジメントセンター
P48
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

■そして、上記の

『時間軸』×『役割』の2つの次元を捉えて、
それを視覚的に表したものが

【ライフ・キャリア・レインボー】

というものになります。

ここではメルマガなので
ご提示することはできませんが、
調べていただくと画像が出てくるかと思います。

スーパーいわく、

・変化のたびに、成長→探索→確立→維持→下降の
小さなサイクル(ミニサイクル)が発生する

・大きな生涯の一連のライフステージ(マキシサイクル)と合わさって
らせん状にキャリアが発達していく

・それぞれの段階における役割を果たし、
満足できる場合はそれでよいが、そうでない場合は、
バランスや役割を見直すとよい

と言っています。

■こうした

「時間軸」×「役割」

で現在、あるいは
今後の事を考えてみると、

確かに、自分が今集中していること、
あるいは今後集中しそうなことを
見通すきっかけになるなあ、

とユーザーとして感じました。

■一方、時代が変わるにつれて

これまでの一般的な「時間軸」に対応する「役割」も
少しずつ変わってきているのでしょう。

これまでの

”40歳くらいまでに頑張って
ぐぐっと今の地位を確立する、
その後は維持する”

というのは比較的
一般的だったかと思います。

しかしながら健康寿命が伸びると、

自分の時間をどう使うのかというのもそうですし
(余暇人だけだと手に余る、という考えもあります)

90歳、100歳まで生きたときの
生計をどうするかというのもあります。
(労働者をもう少し長くする必要がある)

ゆえに、

「40歳中期頃までに確立して維持」

というだけではなく、

・これまで積み上げたものを原資にしつつ、
少し観点を替えて取り組んだり、
(例:管理職経験を元に、社内の教育者になる)

・あるいは自分の関心があった
全く別のことを学んでその道について新たに確立する
(例:趣味のカメラを展開して、仕事にする)

という人もいたりしますし、
実際に見聞きしたりもしますし、

今後もそういったケースが
ますます増えてくるのだろう、

とも感じます。

■いずれにせよ、

キャリア発達のこの基礎的な考え方

「時間軸」×「役割」

とは、自分のキャリアを考える
非常によい2つの次元だなあ、

と改めて考えさせれると思い、
ご共有させていただいた次第です。

ご参考になれば幸いです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

物事を始めるチャンスを、私は逃さない。
たとえマスタードの種のように小さな始まりでも、
芽を出し、根を張ることがいくらでもある。

フローレンス・ナイチンゲール(イギリスの看護教育学者)
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