メールマガジン バックナンバー

3186号 2022年11月11日

「上はビジネス、下はスウェット」はリモートワークに悪影響?! 論文からの示唆

(本日のお話 1885字/読了時間2分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。
7件の個別コーチングでした。

夜は公私共にお世話になっている
学び仲間の方との会食でした。



さて、本日のお話です。

会社によってその割合は違えど、
働き方の状態になりつつあるのが
リモートワークかと思います。

私も、対面も増えてきているものの
リモートワークの割合も高い働き方をしております。

そんなリモートワークについて

今月号のハーバードビジネスレビューに
こんな論文が紹介されていました。

『「上半身だけ仕事着」はリモートワークに悪影響』

というお話です。

興味深い内容でしたので、
今日はこのお話についての学びを
ご共有させていただければと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは



【「上はビジネス、下はスウェット」はリモートワークに悪影響?! 論文からの示唆】



それでは、どうぞ。



■オンライン会議システムで
ミーティングをすると、

”カメラで映るのは上半身だけ”

です。

ゆえに、

上はビシっとした
ワイシャツ&ジャケット&ネクタイで決めて

下はお花柄のパジャマ
(極端ですけど)

という状態であっても
オンライン越しの相手にはわかりません。



■このような

トップスはビジネススタイル
ボトムスはカジュアル、という装いを

「ズーム・マレット」

と呼ぶそうな。


そして、ある調査によると
リモートワーカーの75%が
そのような服装をしており、

小売店でも、
トップスの売上にくらべ
パンツの売上が大きく落ち込んでいる、

とのこと。



■確かに、納得です。

実際に、

オンラインミーティングをしているとき、
スーツを来ていらっしゃったお相手の方が
なにかの拍子に立ち上がりました。

その際に、

ワイシャツをボトムスにしまっておらず
かつハーフパンツっぽいものであったとき、

人間臭さを感じるとともに、
そのギャップに驚いた記憶があります。



■さて、
そんな「ズーム・マレット」という服装が
リモートワークに、どのような影響を与えるのか?

を実験した論文があるとのこと。


内容としては、

・177人の被験者に1日過ごしてもらう

・1日目は、”ふだんの服装”でリモートワークをする(これを基準値とする)

・2日目は、”典型的な仕事着”でリモートワークをする

・3日目は、”典型的な部屋着”でリモートワークをする

・4日目は、”トップスが仕事着、ボトムスが部屋着”でリモートワークをする
 
ということを行い、
1日の終わりにそれぞれ調査を行ったのでした。



■その結果、どのようになったのか?

被験者の回答は

「仕事着、あるいは仕事着と部屋着を取り混ぜた服装よりも
 部屋着のほうがより自分らしい」
 
と答えたそう。そして、


『カジュアルな服装のほうが
 自分らしさをより感じ、
 エンゲージメントレベルが高い』


という結果になったそうです。



■この結果を考察としては


・服装は着用者の心理状態に影響を与える。

・服装が状況に適している場合は「調和」を感じ、
 適していない場合は「不調和」を感じる
 
・仕事着と部屋着を取りまぜた服装をしていると
 自宅と仕事の両方が想起され、「不調和」が強まる
 
・被験者にとっては、リモートワークの場合、
 ”自宅”の環境に調和したカジュアルな服装のほうが
 メリットがあったのでは
 

と説明されています。

(参考:ハーバードビジネスレビュー 2022年12月号
 「上半身だけ仕事着」はリモートワークに悪影響 P4)

※元の論文はこちら:
 Bailey, Erica R., C. Blaine Horton, and Adam D. Galinsky. 2022.
“Enclothed Harmony or Enclothed Dissonance? The Effect of Attire on the Authenticity, Power, and Engagement of Remote Workers.”
 Academy of Management Discoveries 8 (3): 341–56.



■なるほど、、、たしかに。


”服装は、着ている人の心理に
 影響を与える”


まさにそのとおりだと感じます。

私も自分を振り返ると

スーツを着ると気持ちが
”よそ行きモード”になりますし、

逆に、リラックスして
アイデアを深めたいとき、
”カジュアルな服装”のほうが
生産性が高まると感じます。


一方、カジュアルといっても
あまりにダラっとした服装だと
気持ちが緩みすぎて、生産性が落ちるように思います。



■こうした研究から思うこと。

それは、服装も含めて


《心理的な環境を最適化すること》


は生産性に直結する
重要かつ抑えるべき要素である、

ということかと。

例えば、

・机周りの環境がスッキリしているか
(=整理がされていない)

・ノイズなどを含め集中できる環境か

・光などの視界を含め、
 自分が集中できる環境だろうか
 
なども、些細なようですが
私達に影響を与える要素であろうと思います。



■身なり、環境含め、

しっかり整えて
日々お仕事に勤しみたいものである、

そんなことを感じた次第でございます。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

大事なことは、些細と思われること、
平凡と思われることも、
おろそかにしない心がけである。

松下幸之助
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