メールマガジン バックナンバー

3351号 2023年4月27日

「新入社員を職場になじませる」ために何ができるのか? ー組織で意識したい7つのポイントー

(本日のお話 3156字/読了時間4分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。
その他、研修の企画など。



さて、本日のお話です。

先日に引き続き従業員が

「組織になじむ」

をテーマに、以下著書を参考に
学びを皆様にご共有させていただければと思います。

※『組織になじませる力』尾形 真実哉 (著)
https://amzn.asia/d/1dEF1Di

それではまいりましょう!

タイトルは、

【「新入社員を職場になじませる」ために何ができるのか?
ー組織で意識したい7つのポイントー】

それでは、どうぞ。

■4月も、もうすぐ終わり。

この時期は、

新入社員が配属部署なども決まり、
いよいよ現場の一員として関わるタイミング

という組織もあるようす。

■先日のメルマガでも
お伝えしてきましたが

”組織になじむ”

ためには、
本人の主体的な行動が求められます。

例えば、

・自分自身の心がけで
自らアイデアを提案したり、
問題に向き合ったり、学んだりする
(=自己指向型行動)

あるいは、

・先輩や上司とのネットワークを作ったり
援助を求めたり、フィードバックを求める
(=他者指向型行動)

または、

・仕事のやり方を工夫したり、
その意味を捉え直したりして自らをモチベートする、
(=仕事指向型行動)

などを紹介しました。

※詳しくはこちら
↓↓
『自分から”組織になじむ”ためにできること』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4475607/

■しかし、疑問も残ります。

「組織になじむ」のは
本人だけが頑張ればよいのか?

、、、と。

答えは、

「もちろんそんなことはない」

です。

”受け入れ側の組織ができること”も、
いくつもあるもの。

どれだけ積極的に
新入社員本人がアプローチしても、

受け入れ側が極めて保守的で、
新人の話を聞かない、提案は受け入れない、
個別の支援もしようとしない、なんていう
悲惨な職場であったら、

よほど主体的な人でないと、
多くの心折れ、目の輝きを失う人を
大量に排出することになりかねません。

自ら動いてもしかたないな、と
”学習性無力感”を覚えてしまうのも
職場によってはある意味、起こるべくして起こっているものです。

■ということで、

「新入社員をなじませるために
”組織ができること”」

も整理をしておきたいと思います。

それでは、具体的に、
どんなことが挙げられるのでしょうか?

ご紹介の書籍から
このようなまとめがされていました。

キーワードは組織の

「職場特性」と「職務特性」

の2つの観点です。

ここから新入社員を受け入れ、
なじませる環境づくり見ていくことができます。

以下、まとめてみます。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【新入社員のプロアクティブ行動を促す「組織の環境要因」】

<「職場」の特性 ー4つのポイントー>

(1)コミュニケーションの活発な職場

・上司と同僚と頻繁に、気兼ねなくコミュニケーションを取れる職場は、
同僚との良質な関係を構築しやすく、フィードバックも求めやすいです。
そうした職場であれば、積極的に問題解決行動を取れ、学習行動も促進されます。

※注意点は、ただしコミュニケーションにおいて「情報の信頼性」が大事です。
行き交う情報が怪しいものだったり、仕事関係ない情報では、
むしろ職場に不信感を抱くことにもなりかねないため、注意が必要です。

(2)新しいことを受け入れる(=革新への積極性)

・職場全体が新しいアイデアを積極的に取り入れたり、奨励することは、
職場のメンバー全員が積極的に新しいアイデアを発言したり、
新しいことに挑戦する行動(革新行動)を促します。

※注意点は、職場のルールがあるため守らなければならないこともあることです。
「ルール自体を変更する革新行動」なのか、
「ルール下での革新行動」で工夫をするのか、
求められていることを見極める事が必要です。

(3)職場のみんなが支え合う職場(=支援風土)

・行動を励まし、その行動をサポートしてくれる環境(支援風土)があれば、
人は積極的に行動を起こせるようになります。

※注意点は「同僚が多忙である」と、職場の適応に負の影響があることです。
つまり、同僚が忙しそうにしていることで、
同僚への相談やフィードバックを求めることを遠慮してしまう、ということ。

よって支援風土をつくるためには、ある程度は、職場メンバーの
心理的余裕が生まれる仕事の割当が必要とされます。

(4)学習への積極性

・職場における個人の学習は、
職場の風土や文化から影響を受けることが実証されています。

職場全体が学習に対して積極的であれば、
新入社員の学ぶ意欲も高まるということです。
よって、職場の非公式な勉強会なども有効であるといえます。

※注意点は、強制しないこと、仕事の負担にならない程度にすること
不参加でも評価に何ら負の影響を与えないことです

***

<「職務」の特性 ー3つのポイントー>

:心理学がベースのモチベーション理論を用いた「職務特性モデル」が、
従業員のプロアクティブ行動に影響を与えるとされています。

(1)自分の判断で仕事に取り組める、自律性のある仕事(=職務自律性)

・「職務自律性」とは、仕事の手順や方法、スケジュールを自分で決められ、
自分の判断で取り組めることです。
そのような仕事は、個人の自発的な行動や創意工夫を促進し、
革新行動、積極的問題解決行動、学習行動、ネットワーク構築、
ジョブ・クラフティングなど、多くのプロアクティブ行動を喚起させます。

(2)社会や会社のために、重要だと感じられる仕事(=タスク重要性)

・「タスク重要性」とは、自分の仕事が他者や会社、
社会に影響力を与える積極どの高い仕事のことです。

新卒採用者に、会社や社会のために重要タスクを割り当てるのは
難しいことかもしれませんが、「いかに自分の仕事が重要なタスクに関わるのか」を
丁寧に説明することで、重要性を感じてもらう工夫はできます。

(3)他者からのフィードバックを得やすい仕事(=他者フィードバック)

・フィードバック探索行動は、新入社員に重要な行動ですが、
自分からフィードバックをもらいに行けない人も多いです。

よって、フィードバックを得なければ
進められないような仕事を割り当てることで
フィードバックを得ることを促すことが可能です。

※尾形(2022) 『組織になじませる力』P185-193を引用、著者にて編集
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。

■なるほど。

こう見てみると、
確かに上記のような「職場の特性」、

(1)コミュニケーションの活発な職場
(2)新しいことを受け入れる(=革新への積極性)
(3)職場のみんなが支え合う職場(=支援風土)
(4)学習への積極性

などがあるとすれば、

新入社員も自ら動きやすく、
また動くことが推奨されやすいと、
想像ができそうです。

また「職務の特性」も、
できる範囲内の中だとしても、

(1)自分の判断で仕事に取り組める、自律性のある仕事(=職務自律性)
(2)社会や会社のために、重要だと感じられる仕事(=タスク重要性)
(3)他者からのフィードバックを得やすい仕事(=他者フィードバック)

を調整できたとすると、
さらなるプロアクティブ行動が
推進されそうなのも、納得ができます。

■ぜひ、やっていきたいところです。

ただ、興味深いのが
これらを実行する上では

『職場の上司が、超大事』

と語られています。

企業文化で有名な
エドガー・シャインいわく

「文化は、
リーダーのアクションを通じて生み出される」
(Schein, 2010)

といいます。

つまり、

上司の考え方、価値観、行動が
職場の文化を形成するため、

上司が信念を持って
上記の職場特性、職務特性を
推進することが極めて重要である、

ということ。

■もし上記の話をして
いわゆる上司が

「はい、そうですよね、
わかってますよ」

と”分かっている風”だったとしても、

本当は腹落ちしていない、
めんどうくさいと思っている、

価値感や考え方、
行動が反映されているつもりがない、

などであれば

「新入社員を職場になじませる」ために、
組織ができること

として機能することはない、

と厳しい言葉で言えば、
言うこともできるのかもしれません。

■改めて、リーダーの影響は
とても大きいようです。

そしてとても大切で
責任も大きな仕事だと感じます。

マネジメント、リーダーは
大変であり、希少であり、
誰かの人生を変えうる存在と感じます。

、、、ということで

このあたりのマネジメントについては
また後日、深掘りしてみたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

人生の一番のご褒美とは、
為す価値のある仕事を一生懸命為す機会が与えられることだ。

セオドア・ルーズベルト
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