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3418号 2023年7月3日

トランザクティブ・メモリー・システムってなんだ? ーチームで強みを活用するための3要素ー

(本日のお話 3096字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日より妻の実家の茨城へ。
今週は茨城にてリモートワークでございます。

今週も月曜日、健やかに
楽しく参りたいものです。



さて、本日のお話です。

今日は、改めて先週に引き続き、
「強みの活用」のお話を続けたいと思います。
(お伝えしたいネタがまだまだございます・・・!)

ということで、早速まいりましょう!

タイトルは、

【トランザクティブ・メモリー・システムってなんだ?
ーチームで強みを活用するための3要素ー】

それではどうぞ。

■先日までのお話から、
だいぶ日数が空いてしまいました。。。

ちょっとだけ
おさらいをさせていただくと、
こんなお話でした。

<先日までのお話>

・強みを活用することで、様々なメリットがあるよ
(幸福度、エンゲージメント、ストレス軽減、パフォーマンス向上etc・・・)

・でも、研究の中心は「個人」を対象とした
ポジティブ心理学の観点が多かったようす

・ゆえに、「チーム」という組織レベルでの
「強みの活用」の研究はまだまだ少ないのが現状である。

・それでもって「個人の強みの活用」は
”本人が自分の中で卓越性を感じていることにフォーカスをする”
ことをすれば、幸福度など高まるから、割とシンプル。

・でも「チーム」だと”強みの活用”の難易度が
ぐっと変わってくる、

、、、というお話でした。

■では、

”「チーム」だと強みの活用”の難しさが変わる、

ということですが、

・具体的にどういうことなのか?
・何をどうすれば、難しいのが易しくなり得るのか?

このことについて、

ヒントが書かれている内容が
今日のお話となります。

論文のパートがありましたので、
以下、引用させていただきます。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<チームにおける強みの活用の難しさ>

チームで働くということは、

様々な個人が共通の目標を共有し、
タスクの相互依存関係を示し、
社会的に相互作用することを意味する。
(Kozlowski& Bell,2013)

自分の強みを自分のニーズに
最適な方法で使用するチームメンバー個人は、
その行動によってチームタスクの一部が放置されたり、
人員過剰になったり、その分野に強みを持たない他のチームメンバーに
引き継がれたりする可能性がある。

すると、(その人の強みは)
チームパフォーマンスに利益をもたらすどころか、
むしろ害を及ぼす可能性がある。

この状況を
「ジャズ・アンサンブル」に例えることができる。

たとえば、一緒に演奏するとき、
全員がそれぞれの強みを発揮しようとすると、
ひどい音になってしまうかもしれない。

このような理由から、
集団的な強みの使い方を理解するためには、
個人レベルの強みの使い方をユニットレベルに集約するだけでは
不十分なのである。

※Woerkom, Marianne van, Maria Christina Meyers, and Arnold B. Bakker. (2022).
『組織における強みの活用の考察:マルチレベルの構成要素』
「第3章:個人の強みをチームで活かす:集団的強みの活用に向けて」より

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。

■ふーむ、なるほど、、、

「ジャズ・アンサンブルのたとえ」

確かにわかりやすいですね。。。

どれだけ優れた
サックスや、ピアノがいても、
その演奏だけを我先にと一方的に主張すると
全体としてはまとまりが無くなってしまうこともあり得る。

ジャズはあまり詳しくないですが
なんとなく、想像ができます。

そう、チームとは

1,様々なメンバーがいて
2,共通の目標があって
3,相互作用する

という要素があります。

ゆえに、

「個々の強みの発揮」を、
一人ひとりが勝手にすると、

文脈によって「強み」ではなく
「害」になってしまう恐れがある、、、

もっともな話です。

■もう少し具体的に考えると
たとえば、チームでは

”確実でミスがない仕事”

を今は求められている状況なのに、

あるチームメンバーが

「自分の強みは”創造性”なんで!」

と突飛なアイデアを思いつくままに
行動をしていたとしたら、

それはその本人にとっては
「強みの発揮」でエンゲージメントや
幸福度が高まるかもしれませんが

周りにとってはいい迷惑、
むしろチームとして生産性が下がってしまう、

なんてこともありえます。

そうして、

個人は「WIN」でもチームは「LOSE」

という状況は決して望ましくないし、

個人もチームも「WIN-WIN」になれる状況こそが
望ましいのではないか、、、

と思えます。

■では、上記の

チームでの強み活用の壁を乗り越えて
「個人とチームの双方がWIN-WIN」になるように

私たちはどのような知識と意識を持ち、
行動すればよいのでしょうか?

その一つのヒントとして
キーワードが

『トランザクティブ・メモリー・システム(略してTMS)』
(Lewis, 2003)

と呼ばれる先行研究にある、

このように論文では延べています。

TMSの研究では

「専門性、信頼性、協調性という3つの特徴が、
チームが持つ知識を最適に活用する」

と述べています。

■TMSの3つの特徴を
もうちょっと補足すると、以下の通り。

◯専門性(awareness):
メンバーの誰がどのような専門知識を持っているかという
チームメンバーの意識のこと。

◯信頼性(credibility):
チームメンバーがその知識(誰かが持っている専門知識)に
信頼を置くこと。

◯協調性(coodination)
チームのタスクを達成する際に、
それぞれの知識の違いを効果的に扱うこと。

です。

■平たく言うと、TMSとは

・個々のメンバーが、
特定の情報を覚え、その情報の専門家となっている

・他のメンバーは、
その情報が誰によって保持されているかを知っている

・グループ内で、
「誰が何を知っているか」の共通認識を持っていて
相互補完できている

この状態により、情報の効率化が進むんだよ、
というわけです。

でも、これも現場を考えると
結構当たり前の話に思えます。

職場で付き合いが長くなると

「新規営業だったら、
◯◯さんに聞いてみたら?
彼、スゴいよ~」

とか

「テレアポのやり方だったら、
△△さんが上手だよ。
マジ、神」

みたいに、

”誰が何の専門家なのか
お互いが知ってくる”

ものです。

そしてそうすると、情報の獲得も
よりスムーズになってくるわけです。

■そしてそして!

大事なポイントが、

”チームにおける強みの活用”

はついても、まさにこの

”トランザクティブ・メモリー・システム(TMS)に
基づいて実行される”

と述べられているのです。

すなわち、

1,誰がどんな「強み」を持っているのか
(強みの専門性の相互認識)

2,その「強み」についての信頼しているか
(強みの信頼性)

3,「強み」基づいたタスクの割り当てと実行ができているか
(強みの協調性)

これらのチーム内での強みの

専門性
信頼性
協調性

を意図的に高めることが大事である、

というのです。

そしてそのためには
「強みに基づいた対話」が必要になります。

■、、、しかしながら、

「強み」は、

仕事の個別具体的な情報や
その本人が得意なタスクより
より抽象度が高いものです。

加えて、「強みの種類」もさまざま。

たとえば、

「分析・戦略」みたいに

業務のコンピテンシーにも
組み込まれるようなわかりやすい「強み」もあれば

「ユーモア」のように

直接的にタスクに影響を与えるわけではないけれど
”チームの風通しを良くする”等で
間接的にチームの成果に影響を与える「強み」もあります。

■また、他の観点では

「相手の強みを認めやすい人と
そうではない人がいる」

(”肯定的な特性を持つ人”は
人の強みを認めやすい)

という個人間での

”強みを認識する能力・特性の違い”

も現れてきます。

■ゆえに一筋縄ではいかないのが難点。

TMSのパワーワードで万事解決!
とはいかないようです。

ということで、この

「チームにおける強みの活用」

において気をつけるべきことについては
また明日以降に続けたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

性に合わない人たちとつきあってこそ、
うまくやって行くために自制しなければならないし、
それを通して、われわれの心の中にあるいろいろ違った側面が刺激されて、
発展し完成するのであって、やがて、誰とぶつかってもびくともしないようになるわけだ。

ゲーテ
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