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3717号 2024年4月28日

今週の一冊『汝、星のごとく』

(本日のお話 2056文字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

沖縄に来ております。
そして、昨日は12kmのランニングでした。

沖縄はあつすぎて(28°)、20km走ろうと思っていたのが
とても無理と思い、断念しました。

3週間後は100キロマラソンなので、
とはいっても60km走など何処かでやっておきたいところ。
がんばります。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日はおすすめの一冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、

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<おすすめの一冊>

『汝、星のごとく』

凪良ゆう (著)/講談社
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です。

■「最近読、めっちゃ面白い本があったんですよ」。

仕事先のある方が、ふと紹介してくれました。
どうやらその人も、後輩に紹介されて読んだらめっちゃよかった。良い本というのは誰かに言わずはおられない。溢れた感情が別の人に伝達されて、バトンのように次の人に渡っていくようです。

ちなみにその本は『汝、星のごとく』という小説です。読んだら、めちゃくちゃ素敵な本で、心がキレイになったような気がしました。

ということで、今日はこの本について(ネタバレしない程度に)ご紹介させていただければと思います。

■あらすじ

こちらの本は「2023年本屋大賞受賞」を始め、様々な賞にノミネートされており、評価も高い小説です。

そのあらすじは、以下のように表現されています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その愛は、あまりにも切ない。

正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。

ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

※ Amazon本の紹介より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

■ストーリーの詳細

(以下、若干のネタバレが含まれますので、気になる方はお読み飛ばし下さい)

本小説は「愛の物語」と書かれているように、ある男女の物語です。

男女の物語というと、恋愛と連想するかもしれませんが、もっと複雑に絡み合った、深い愛情の物語という方が近しい印象です。

紹介文にある「心に孤独と欠落を抱えた二人」というのは、この物語の主人公の2人に共通している”親の十分な支援を受けられずに育ってきたことによる孤独、そして常に感じている欠落”を意味しています。

恋愛に自由で、常に子どもを半分放置してしまうシングルマザーのもとで育った人。また家庭内の不安定さの影響を受けて選択肢を持てなかった人。

そんな二人が、お互いに欠けているパズルのピースを埋め合うように、惹かれ合って姿がとても繊細です。

かつ、社会的なメッセージも豊富。
子どもと親の関係、世の中に存在する選択肢がある者とない者、大人と子どもそれぞれが抱える葛藤、想い合ってもすれ違う人の心などを、とても緻密にかつ心揺さぶられる表現で描かれていました。あっという間に読み切ってしまいました。

■ただただ表現がすごい

そして、著者の表現に、ただただ感服しておりました。
心が震える、心が揺さぶられる、心が弾ける…言葉は、その組み合わせて無限の世界を描きます。
似ているようでニュアンスが微妙に違う言葉たちは、その時代背景や、使われる言葉などで、読者の心が共鳴してしまうような表現をされたとき、その登場人物の気持ちが自分に乗り移るかのような感覚を覚えます。

例えば、こんな文章がありました(以下引用です)。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「さあ、行きましょうか」
最終の飛行機に間に合うよう、北原先生が車を走らせる。
安全運転が信条なのに、今日は頻繁に車線を変更して追い越しをかけていく。
乱暴な運転が少しも怖くない。
逆にわたしの内側が野蛮に躍る。次々と扉が開き、閉じ込められていたものが飛び出していく。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

またこんな表現もありました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
けれどわたしとこの人はつながっている。
嵐の海の中で、遥か遠く、自分と同じく一羽で飛んでいる鳥が見えたような心強さ。
ひとりでも、けっして孤独ではないのだと。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

何と言い表したらよいかわからない、ちょっとした感情の動き。

それらをこんな表現方法で比喩することができるのだ…
と著者の感性とそれを表す技量に驚くばかりでした。

物語に惹き込んでくれる言葉に触れて、最近、論文をひたすらまとめ続けていた自分に対して、言葉がもつ「情報を伝える」以上の「感情を揺さぶる」という側面を見せてくれた小説でした。

物語も本当に素晴らしく感動的なもので、読後のしばらく続く余韻と、家族をもっと大事にしようと思わせてくれる教訓のようなものも感じました。

生きることへの勇気をほしい人に、特にお薦めの一冊です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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