メールマガジン バックナンバー

832号 2016年5月25日

屋久島の「自然派パン工房の女店主」が教えてくれた、”流れを変える方法”

(今日のお話 2753字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。

昨日も朝から屋久島探索。

そして、屋久島の自然に囲まれながら、
不安定な通信環境と共に、仕事をしておりました。

やっていることは、
都内のカフェでやるのと変わらないのですが、
木々に囲まれた環境で仕事をしていると、
それだけで贅沢な気持ちになりますね。

今日からはまた都内にて、
色々なお客様とお会いしていきます。

ちなみに早速本日は、とあるお客様にて
「7つの習慣」のフォローも兼ねた1日研修の実施。

良い気付き与えられるよう、
全力を尽くさせていただきます!



さて、本日のお話です。

昨日は、1日目の
「縄文杉を巡る旅(20キロ)」と打って変わって、

屋久島の”ゆるカフェ”や、
”自家製パン屋さん”
”手作り土産のお店”など、
地元のお店を巡っておりました。

そこであるパン屋の店主さんから聞いた
お話が、非常に印象的でした。

それは、屋久島の問題点について、
そしてそれと戦う人のお話です。

今日はそのお話を紹介すると共に、

「流れを変える人」

というテーマで、感じたことを
皆様にご共有させて頂きたいと思います。

それでは、どうぞ。

■屋久島は綺麗な丸型の島。

直径は約30キロ。
車で1周をすると、103キロ。
2時間くらいで一周できる計算になります。

ちょうど、私が先日参加した、
ウルトラマラソンと同じくらい。
(朝走り始めれば、夜には一周できることになりますね)

と、いうのは余談ですが、
ゆとりある、自然豊かな屋久島。

世界自然遺産にも登録されており、
豊かな観光資源に恵まれています。

が、この島は、地元の人から見ると、
その特徴と共に、課題があると言うのです。



私が妻と訪れた、
島の南部に位置する山の中のあるパン屋さん。

そこの40代と思しき
エネルギッシュな女性店主が、
こんなお話を聞かせてくれました。


■ちなみに、このパン屋さん、
非常にこだわりがあるお店のよう。

大通りから面しているわけでもなく、
草木生い茂る荒れた小道を進んだところを抜けた、
奥まった山の中にあります。

目的を持ってこなければ、
たどり着けない場所。

しかし、そこでは、

・手作り酵母の自家製パン
・ミツバチを自前で育成し作った手作りの化粧品
・無農薬栽培で作った果物

など、オリジナルかつ、
こだわりのものを作っています。

普通、平日の昼間であれば、
他のお店がほとんど空席な時間帯なのにも関わらず、
お客様が席いっぱいに埋まっていました。

そんな様子を見て、
私の妻(=無農薬野菜にハマリ中)が、
こんな質問をしました。

妻「屋久島の方々は、やっぱりこのお店みたいに、
  ”無農薬”、”手作り”のようなこと、
  大切にされていらっしゃるんですか?」

すると、女性の店主さんは、
こう答えます。

店主「そうだといいんですけれどね(苦笑)

  やっぱりそういう意味では、まだまだ遅れていて、
  一部の人だけがやっている、という感じだと思います」

そんな言葉から始まり、
次のようなお話を、聞かせてくれたのです。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(以下店主の方のお話の内容)

屋久島は「世界遺産の屋久杉」という観光資源で、
潤うことができました。

でも、正直なところ、
実際は財政赤字がひどい。

それは甘えすぎていたからだと思います。



豊かな自然に囲まれた町ということで、
本来出れば、もっともっと町を上げて大切にし、
屋久杉周辺だけでなく、自然と共存できる屋久島町、
を目指すべきだと思います。

しかし、皆、自分のお店なり、
御土産屋なりが上手くいけばよくて、
「皆でよくする」という発想は、そんなにない。



結果として、海も綺麗だといわれているけれど、
私からすると、昔よりもずっと汚くなった。

だから、ホタルイカの産卵も、
飛魚の産卵も、全然なくなってしまった。

それも、多分農薬とか、
川から流れる水が汚れているせい。



もし「屋久島町」が、屋久杉だけでなく、
”無農薬栽培”、”自然とともに生きる町”
というイメージだったら、もっともっと栄えると思うんです。

だから、私は自分のお店で
「無農薬」「自然栽培」など、
環境に優しい商品を売って、成功させようとして、
今6年経ちます。

そして、結構上手くいってくると、
面白い事に、周りも注目し始めるんですよ。

「無農薬、別に興味なかったけど、よう売れるみたいね。」
という風に。

それをしたたかに狙っているんです(笑)



今は、『屋久島ユネスコパーク』といって、
「水と共生する町」ということで、
世界遺産と別の団体に登録をしているんです。

これは、剥奪されうる資格で、
皆で水環境を良好に保ち続けなければいけない。

これを、北や南、
それぞれ意識の高い有志が集まって、
今も、働きかけをし続けています。

そうやって、
屋久島町がよりよくなればいいな、
そう思っています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


■そんなお話でした。

もちろん、
店主の方のお話のみ聞いているので、
必ずしもそれだけが真実とは限りません。

しかし、思ったのです。

それは、

・自分の店だけでなく町のあるべき姿(ビジョン)を描き、
・そのために自分ができる「小さな行動」を愚直に続け、
・人と協力し、ビジョン実現に向けて動いている

その姿勢。

それに静かな感銘を
受けておりました。

これぞ、リーダーシップでないだろうか、と。


■往々にして、範囲が大きい話になると、

「いや、町なんて変えられない」
(=会社なんて変えられない)

「政治が変わらないとムリ」
(=トップの方針が変わらないとムリ)

「自分が動いても大したことはできない」
(=自分の力なんて組織からしたらちっぽけ)

というように、やる前に、
「どうせムリ」と諦めてしまうこと、
よく聞く話ではないでしょうか。



しかし、無理かどうか以前に、
どうこうできない理由を語る以前に、

このパン屋の店主さんが言ったような、


「自分がまずやってみせること。
 そして、”上手くいっているようだ”と興味を持たせるんです。
 そうなることを、したたかに狙って行動している」


といった行動。

これが、できているのかどうかこそが、
重要なことなのではないか、

そのように強く思ったのです。


■「7つの習慣」においては、
”第一の習慣 主体的である”において、

主体的な人は、

『流れを変える人になる』

ことができる、と言っています。

これは、まさしくこの店主のように、
そしてこの言葉の通り、


”自分ができる事に働きかけ続ける。
そして結果として、周りの考えや行動を変える”


ということではないだろうか、
そのように感じます。


■些細なことでも、
見ている人は見ています。

そして、同じ志を持つ人は惹かれあい、
そしてどこかで共鳴するもの。

もし、皆様の中に、

「これこそが進む道だ」と信じるものがあり、
そしてそれが誰かを幸せにするものであれば、

周りがどうこうでなく、
”その想いに従い、動き続ける”こと。

そうすることで、

屋久島のパン屋の店主が、
いくつもの団体をまたがって、
有志と繋がり合い、影響を広げているように、

心強い仲間ができ、
そして”大きなうねり”に繋がっていくのではないか、

そのように思うのです。



『流れを変える人』になる。

私たち一人ひとりが、そんな意識を持てたら、
きっと世の中は益々良くなっていくのでしょうね。

屋久島にて、自然とともに、
大切なことを学ばせて頂きました。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本日も皆様にとって素晴らしい一日になりますように。

【本日の名言】 決然たる意志の持ち主は、
世界を自分に合わせて形作る。

ゲーテ

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す