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4598号 2026年9月27日

今週の一冊『イタリアの歴史を知るための50章 エリア・スタディーズ161』

(本日のお話 3436字/読了時間5分)

■こんにちは。紀藤です。

毎週日曜日は、最近読んだ本から一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナーです。

個人的な話ですが、はじめてのスイス&イタリアの旅にきており、
先週はそれにちなんで『スイスを知るための60章』をご紹介しました。
そして今週は、お隣の国、イタリアです。

「イタリアのことを知ろう!」と思って買った本が、
実は「イタリアの”歴史”を知るための50章」をということで、
とてつもなく濃厚すぎる歴史で、
正直、概要や雰囲気しか理解できませんでした(汗)。

……が、せっかくなので、全体像を解説してみたいと思います。

それでは、どうぞ!

===================

『イタリアの歴史を知るための50章 エリア・スタディーズ161』

高橋 進 (著, 編集), 村上 義和 (著, 編集)

===================

■イタリアのイメージを考えてみる

イタリアといえば、まずパスタ、ピザ、生ハム、ジェラート…。
なんだか食べ物ばかり浮かんできます。

パパミラノ(ミラノ)、ジェノバピザ(ジョノバ)、
ナポリタン(ナポリ)、ふとおもえば、
なんだかイタリアの地名由来の食べ物やお店、
たくさんある気がします。

そういえば、大学の頃のアルバイト先も
「イタリアントマト」だったな…と思い出してみたり
(どうでもよいですね)。

また歴史的なイメージでも、イタリアは古代ローマ、
ルネサンス、ヴェネツィア、
そして近代ではムッソリーニやファシズムなど、
世界史の授業で聞いたことのある言葉はたくさんあります。

しかし、それらがどうつながっているのかと言われると、
私自身、正直なところほとんどわかっていませんでした。

実際にこの本を読んでみると、
「それはわからなくても仕方がないかも」と思えるほど、
イタリアの歴史は複雑であることが、わかりました。

さまざまな国、民族、都市、宗教、外国勢力が
登場しては去っていく。

そんな長い時間の積み重ねの上に、
現在のイタリアがあることが見えてきます。

■イタリアの、超絶長い歴史

この本の内容を無理やり一言でまとめるならば、

ーーー
「古代にはローマを中心とした巨大な文明が生まれ、
その後、さまざまな都市や勢力に分かれながら長い歴史を歩み、
現在のイタリアという国家が誕生したのは、
実は19世紀になってからである」
ーーー

というお話でした。

大きな流れだけ追ってみると、
イタリア史は以下の流れです。

・古代ローマが地中海世界を支配する
↓
・ローマ帝国の崩壊後、イタリア半島がさまざまな勢力に分かれる
↓
・都市国家やローマ教皇が力を持ち、ルネサンスが花開く
↓
・外国勢力の影響を受けながら、国家統一を目指す
↓
・1861年にイタリア王国が成立する
↓
・ファシズムと第二次世界大戦を経て、現在の共和国になる

という流れです。

こうして並べるとシンプルなのですが、
その間に起きていることが、とにかく多い!
登場人物がとにかく多い!という感じでした。

なので、正直、途中から流し読みになってしまいました。
(著者の歴史研究者の皆さま、ごめんなさい)

■「イタリア」という国は、意外と新しい

個人的に印象に残ったのが、
現在のような「イタリア」という国家が生まれたのは、
「1861年」だということでした。(知らなかった…!)

まずイタリア半島には、ヴェネツィア共和国やフィレンツェ、
教皇領、ナポリなど、それぞれ異なる政治や文化を持った
地域が存在していました。

おおおまかにまとめてみます。

◯古代(ローマの成立~5世紀頃)

「古代」は、ローマの時代です。
ローマは一つの都市国家から、
やがて地中海世界を支配する巨大な帝国へと成長します。

その後、キリスト教の普及や、
ゲルマン系諸民族をはじめとするさまざまな集団の
移動・侵入などを背景に、
古代ローマ世界の秩序が大きく変化していきました。

そして476年、西ローマ帝国が滅亡します。

◯中世(5~15世紀頃)

「中世」では、イタリア半島は一つの国として
まとまっていたわけではありません。

北部や中部では自治都市「コムーネ」が発展し、
ヴェネツィアのような港湾都市は
地中海交易によって繁栄しました。

一方、ローマ教皇も宗教的な存在にとどまらず、
大きな政治的影響力を持っていました。

現在でもイタリアの都市ごとに非常に強い個性がある背景には、
こうした長い歴史もあるようです。

◯ルネサンス(14~16世紀頃)

「ルネサンス」の時代には、
フィレンツェをはじめとする都市で、
人文主義や芸術、建築が大きく発展しました。

レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロなど、
現在でも知られる人物たちが活躍したのもこの時代です。

文化が華やかに花開く一方で、
イタリア半島そのものは、
一つの国家として統一されていたわけではありませんでした。

◯近代(18世紀末~20世紀初頭)

フランス革命やナポレオン支配などを経て、
19世紀になると「リソルジメント」と呼ばれる
イタリア統一運動が進みます。

マッツィーニ、カヴール、ガリバルディらの活動を経て、
1861年にイタリア王国が成立しました。

現在のイタリアにつながる統一国家の誕生は、
意外なほど最近の出来事なのだな、と思います。

■現代とイタリアのファシズム

そして20世紀に入ると、
イタリアはファシズムの時代を迎えます。

第一次世界大戦後の社会的・政治的混乱の中で
ムッソリーニが台頭し、ファシスト政権が成立しました。

その後、第二次世界大戦では、
ドイツや日本とともに枢軸国側として参戦します。

しかし、戦況悪化の中で1943年7月に
ムッソリーニ政権が崩壊。
9月には連合国との休戦が発表され、その後のイタリアは、
ドイツ軍が支配する北部・中部と、
連合国側についた南部に事実上分断されます。

北部ではムッソリーニを首班とする
「イタリア社会共和国」がつくられる一方、
反ファシズムのレジスタンス運動も広がりました。

1945年にはドイツ軍・ファシスト勢力からの解放を迎えます。

そして戦後の1946年、国民投票によって王制が廃止され、
現在につながるイタリア共和国が成立します。

ここで私が興味深かったのが、

「同じ枢軸国だったドイツや日本と比べて、
なぜイタリアには『敗戦国』というイメージが
それほど強くないのだろう?」

という疑問でした。
(イタリアも第二次世界大戦で敗北した側の国なのに)

ただし、1943年にファシスト政権が崩壊したあと、
イタリアの一部は連合国側に立ち、
国内でもドイツ軍やファシスト勢力に対する
レジスタンスが展開されました。

そのため戦後のイタリアでは、「敗戦」だけではなく、
「ファシズムからの解放」「レジスタンス」という物語も、
国家の記憶の中で大きな意味を持っているようです。

このあたりは、日本やドイツとの違いを考えてみても、
とても興味深いところでした。

他にも、世界最小の国であるバチカン市国が、
なぜイタリアのローマの中に独立国家として存在しているのか。

こうしたことも、
イタリア国家とローマ教皇との長い関係を知ると、
少し背景が見えるように思えて、興味深いものでした。

■まとめ:旅で歴史がちょっと身近になった

正直なところ、私は歴史がそれほど得意ではありません。
そして、お恥ずかしながら、
すごく興味があったわけでもありません。

ローマといえば古代文明。
イタリアといえばルネサンス。
そしてレオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、
芸術や文化が花開いた場所。

恥ずかしながら、そのくらいのイメージです。

今回の旅では、
ミラノにあるレオナルド・ダ・ヴィンチ国立科学技術博物館を
訪れました。

レオナルド・ダ・ヴィンチはミラノ公ルドヴィーコ・スフォルツァに仕え、
長くミラノで活動していました。

そうした背景を知ると、
「なぜミラノにこれほど大きなダ・ヴィンチの博物館があるのか」
ということにも意味が見えてきます。

そしてヴェネツィアでは、
東西交易によってもたらされたさまざまな文化の影響が刻まれた
サン・マルコ寺院を見ることができました。

妻が「この建物は、なぜ色の違う柱がたくさんあるんだろうね?」
と言っていたのですが、調べてみると、
サン・マルコ寺院にはコンスタンティノープルなど東方から
もたらされた大理石や柱、柱頭などが数多く使われているそうです。

ヴェネツィア共和国が地中海交易によって繁栄し、
東西世界を結ぶ存在だったことを知ったり、
こうした歴史の「サイン」や「シンボル」を
一つひとつ見つけられるようになると、
きっと旅はもっと面白くなるのだな、と思いました。

まとめると、今回の旅の一番のハイライトは
「イカスミのリゾットが超絶うまかった」
「ジェラートの種類がたくさんで嬉しかった」でした。
(なんとも浅い…汗)

もうちょっと、芸術や文化を語れるようになりたいものだ、
そんなことをぼんやりと思った旅路でございました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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