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520号 2015年4月21日

目標の「長短比較」で、目標達成率を高める

■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件の商談。

人事の皆様は、新人研修もいよいよ佳境に近づいているようです。

そろそろ新人研修の育成期間も終わって、
私も打ち合わせの予定が急増してまいりました。

久しくお会いしていない方も、
ぜひ気軽な形で情報交換いたしましょう。

また、先日「7つの習慣」二日間公開セミナーにご参加頂いた、
皆さまもご存じの、某有名な飲食業界の人事部長M様より、
ご感想を頂きましたので、一部ご紹介いたします。


Q,「7つの習慣」セミナーを受講して、いかがでしたか?
A,率直な感想は「楽しかった」の一言です。
テンポ良く進んでいきますので
濃厚な二日間でしたがあっという間でした。
何も難しいことを言っているわけではないのですが
いろいろと考えさせられることが多く、
ワークを通じて自分の出来ていないこと、
それも、そもそもの物のとらえ方、考え方が間違っているかもしれないということに
気付かされました。
私はこのセミナーのおかげで、きっとこれからの生活は変わっていくと感じました。
業務のスキルを向上させることも必要ですが、やはり基本的な姿勢・考え方を
ないがしろにしては前に進めないと実感しました。
まずは社内で一人からでも受講することをお勧めします。
当社でも上から順に受講を検討しています。

K.M様 (飲食業 人事部 部長)



M様、ご丁寧なご感想、ありがとうございました!

M様とは何度かディスカッションをさせて頂いておりますが、
「人を育てる、人が育つ」ということについて、
深い見識をお持ちのM様から、このようなご感想を頂けて、
大変うれしく思っております。
(本当はこの5倍くらいの文量を頂いておりましたが…
一部しかご紹介できず、すみません。また改めて!)

■皆さま、突然ですが、

”目標の【長短比較】”

という心理学の言葉をご存知でしょうか。

私は全く知りませんでしたが(汗)、
先日読んでいた本で、この言葉が紹介され、
「なるほどなあ」と感銘を受けてしまいました。

ちなみに、”目標の【長短比較】”とは、
”目標を実現するための、目標設定のコツ”
のことを表し、
心理学者のガブリエル・エッティンゲン教授が
提唱した言葉だそうです。

今日は、「目標設定」をテーマに、
お話を共有したいと思います。


■当たり前かもしれませんが、
目標を決め、達成するプロセスは素晴らしいものです。

見ている人に、勇気を与えてくれます。

そしてその当人も成長させてくれるものです。

しかし同時に、
「目標達成のプロセス」にはいくつか罠が潜んでいるようです。

例えば、目標を決めて、やる気になったとき。

ポジティブな人ほど、
こんな心境になることがあります。


「目標を決めた!やるぞ。
よし、2か月後の夏がくるまでに10キロダイエットだ!」

はたまた、

「よし、英語を身に付けるぞ!
3か月でTOEIC500点→900点を目指す!」(←これは私の例です汗)

などなど。

なんだかやたら大きな目標を立ててしまう。

皆さまも、こんなご経験お持ちの方、
いらっしゃるのではないでしょうか。


■前向きに目標を考える人ほど、
本やインターネットなどで、
「1か月でダイエット10キロ成功!」とか
「1か月でTOEIC300点UP!」など書いてあると、
「何だかいけそうな気がする!」「俺(私)もできるかも!」

と思ってしまう・・・そんな傾向があるようです。

しかしながら、頭のどこかで

”楽に目標を達成できる”

と考えると、私たちは無意識で、
努力を怠ってしまいます。

そして、いざ蓋を開けてみると、
「あれ、意外と結果がでないぞ…」と
現実が甘くないことを知り、打ちのめされる。

そして、「やっぱりダメだった…」と、
「目標達成へのプロセス」が潰えてしまう・・・

そうして、
目標設定→失敗→目標設定→失敗→・・・
のスパイラルを繰り返してしまう・・・


■このように、
「楽観的に目標を考えて、現実に打ちのめされる」
という罠が、事実、多く存在していることは、
自分達の周りを見渡しても、疑いようがないかと思います。

この罠に陥らないために、どうすればよいか。

それが冒頭に紹介した、

”目標の【長短比較】”

という考え方だそうです。

・・・と、前置きが大変長くなってしまいましたが、
では、”目標の【長短比較】”とは、
具体的にどんなことをいうのでしょうか。

非常にシンプルなのですが、

『1、まず”達成によって得られるもの”(=長)を想像し、
2、次に進路を阻む障害(=短)を熟考する。』

以上、この2つのプロセスのみです。

例えば、自分が学生だとして、
希望する企業に就職したい、とします。

すると、

1.まず内定をもらった時のことを想像し(=長)、

2.次にその障害となるもの(例えば、ライバルである優秀な学生 =短)を熟考する

というプロセスになります。

すると、目標だけでなく、
そこに付いてくる障害もクリアにイメージができます。

すると、なぜ自分がその会社に就職したいのか、
そしてそのためにはどのような行動が不可欠なのかがわかります。


■コロンビア大学の心理学博士、ハイディ氏はこういいます。

「目標が実現した状況を想像するのは、とても楽しいこと。
しかし、想像するだけでは実現はできません。
実現後に得られるものと、立ちはだかる障害を比較すると、
取るべき行動が明確になります。
願望や空想が、現実的な目標に変わるのです。」

と。

前提として、「目標を持つ」「きっとできるはず」と強く信じることは、
素晴らしいことです。

この「長短比較」以前に、何かを成し遂げる上で不可欠なこと、
私自身、そう信じております。

しかし、もしも
”「素晴らしい目標」を何度も掲げては失敗している”、
ということがあるのであれば、

”目標の【長短比較】”

という考え方を元に、
「得られるものと、立ちはだかる障害」を
天秤にかけて、それから目標を再設定してみると良いかもしれません。

きっと、より達成可能な目標が
精緻に計画できるのではないかと思います。

・・・私も、早速やってみます(苦笑)


最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。
今日が皆様にとって、素晴らしい1日になりますように。

【本日の名言】 人間というものは、
わが身のことになればおのれを甘やかし、
たやすく騙されてしまう。

マキャヴェッリ

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