メールマガジン バックナンバー

478号 2015年2月23日

「長い概念」を、「短い比喩」に置き換える

■おはようございます。紀藤です。

週末は、土曜に午前に祖母の1周忌に、
午後には友人の結婚式、
そして日曜日はセミナーへ参加。

日曜日は、私が大変影響を受けた本、
『影響力の武器』のロバート教授、
またマーケティングで有名な神田昌典氏さんの講演で、
とても勉強になりました。

その道に精通した人の言葉は、
具体的で深みがあるなあ、そんな風に思った次第です。

■さて、本日のお話です。

人材教育において、
「言葉(キーワード)が大事」
と、私自身もよくお話させて頂くのですが、
「教育×言葉」の重要性について、
なるほどな、と感じさせられるお話が、
ある本に紹介されています。

では、まずこちらをどうぞ。



「情報の三角測量」

東京大学大学院教授・山内昌之先生から、
「情報の三角測量」という言葉を聞いたことがあります。
(※注:三角測量 ・・・たまに道路などで見る、子供の背丈くらいの、
  黄色い三角形の機材を使って行っている、距離の測定法のこと)

私達が受け取るすべての情報には、
それを発信した人があり、発信者が意識する・しないにかかわらず、
発信者によって必ず「歪み」が生じた形で発信されています。

そこで、受け取った情報を100%真に受けるのではなく、
客観的に捉えるように努めるという
「バイアスの補正」を常に心がけなければ、
世界を正しく理解することができません。

自分の進む方向を判断することもできないでしょう。

だからこそ、「情報の三角測量」をしなければならない、
と言われていました。

短く説明しても、
これだけの言葉を使って説明しないと伝わらない”概念”が、
いったん「情報の三角測量」という言葉に置き換えてしまえば、
今後、同様の概念を伝える時には、その一言で表現すれば伝わるでしょう。

「情報の三角測量」のような”メタファー(比喩)”
を持つことには、大きな利点があります。

たとえば、自分の部下や会社のスタッフに
「情報の三角測量」の説明をし、お互いの共通言語にしておけば、
その後は、「ちゃんと情報の三角測量はしましたか?」
と、ひと言たずねるだけでよくなるでしょう。

「情報の三角測量」という共通言語をスタート地点にして、
より速く、より深いコミュニケーションを図れるようになります。

『変われる人』/著:鮒谷周史 より引用


■いかがでしょうか。

長い概念を一言で表せるのが、「情報の三角測量」のような”比喩”を使う効果である。

そして、それを共通言語にすれば、
部下・上司間、同僚の間のコミュニケーションなども、
「何を言わんとしているか」をたった一言で伝えたり、
また理解したりすることができる、

そんなお話でした。


■そしてこのような”比喩の効果”は、
「情報の三角測量」、という言葉のみに当てはまることではありません。

恐らく、私たちが使っている、
あらゆることに言えるのではないかと思います。

良く聞く言葉だと、
・ホウレンソウ (報告・連絡・相談が大事)
・5W1H  (何か企画を考える時など、why,when,where,who,what,howを教えるが大事)
などがありますし、
武道に精通する方であれば、
・守破離  (何かの道で熟達するには、基礎の教え・型を「守り」、そして基礎をマスターできた時、その型を「破り」、そして破った後に自分の独自のやり方を創り出す、すなわち「離れる」というステップ)
という言葉もなじみ深いのではないでしょうか。

たったの数文字ですが、
その言葉の中に、多くの”概念”が含まれているわけです。


■そして「7つの習慣」も、多くの概念を、
”比喩”として表しています。

例えば、
・”パラダイム”を変える (ものの見方が万人によって違う。だから、独りよがりの見方になっていないかを客観的に見つめることが働く上でも大切)
・”影響の輪”に集中する  (できないことをグチグチいうのではなく、自分が出来ること、
             影響を与えられると思う事に集中していくことが、仕事でも人生でも大事)
また、
・”第二領域”で行動する
・ Win-WinまたはNo Deal
・”第三案”を見つける
などなど、まだまだあります。
(多いので、こちらはぜひ書籍をご参照ください)


■では、このような概念をまとめる”比喩”を持つこと、
これには、どんないいことがあるのか?

色々あると思いますが、上記のお話にもあったように、
その一つは、

【コミュニケーションの上で、時間の節約になる】

という事になるでしょう。

このような概念を、皆で共通して持てば、
「”情報の三角測量”はしましたか?」
「私の”パラダイム”は〇〇だったので、●●の行動をしました」
「キミの”影響の輪”は何かな?」
というように、深くて実りある会話を、
一言でズバリと切り込んで話をすることが出来るのだと思います。


■もちろん、一つの手法ではありますが、
仕事をする上で大切な概念を”比喩”として持つこと、
これは忙しい私たちの生産性も上げてくれたり、
チームのコミュニケーションを深めてくれたり、
様々な効果があるのではないか、
と強く思う次第です。


最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。
今日が皆様にとって、素晴らしい1日になりますように。

【本日の名言】 X+Y+Z=成功、で、
Xが仕事、Yが遊び、Zは沈黙。

              アインシュタイン

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す