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1562号 2018年5月28日

今週の一冊『夜と霧』

(本日のお話 2026文字/読了時間2分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、
オフィスにて、終日お仕事でした。

ありがたいことに、5月の企業後、
諸々、成すべき仕事が増えており、
ありがたいことだな、と思います。

と同時に、きちんと
価値提供しなければいけないな、
と身を引き締めている次第。

精進してまいります。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、おすすめの一冊をご紹介する、
今週の一冊のコーナー。

今週の一冊は、

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『夜と霧』(著:ヴィクトール・E・フランクル)



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です。


■『夜と霧』。


今更ながら、と言っても過言ではないほど、
世界を代表する、名著中の名著。

きっと、すでにお読みの方も、
多数いらっしゃるのではないか、と思います。


私も数年前に読んだのですが、
先日、何気なく手にとって、
改めて読み返したところ、
数年前と全く違う景色が見えて、
その奥深さに衝撃を受けました。


■この『夜と霧』は、
第二次世界大戦に、ナチスドイツ政権の元、
強制収容所に入れられた、
著者(医師)の体験談が書かれています。

内容の紹介を引用すると、

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

著者は学者らしい観察眼で、極限におかれた人々の心理状態を分析する。

なぜ監督官たちは人間を虫けらのように扱って平気でいられるのか、
被収容者たちはどうやって精神の平衡を保ち、または崩壊させてゆくのか。

こうした問いを突きつめてゆくうち、
著者の思索は人間存在そのものにまで及ぶ。

というよりも、むしろ人間を解き明かすために
収容所という舞台を借りているとさえ思えるほど、
その洞察は深遠にして哲学的である。

本書の読後感は一手記のそれではなく、すぐれた文学や哲学書のものであろう。

(『夜と霧』Amazon商品説明より引用)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

とされています。


■実際に読んでみて
素晴らしく秀逸だと思うのが、

心理学者であり、医師である著者が、
強制収容所の体験を、「ただ残酷だ」「悲惨だ」
と書き連ねるのではなく、


”人間が極限の状況下で、
 どのように感じ、何が最後に残るのか”


ということを、
冷静に、分析的に記載しているところでした。


例えば、残酷な話のように見えますが、

・飢餓状態のとき、人の死に対して極めて無関心になる

・骨と皮、死人同然の状況下なのに、
 歯茎は健康、何十時間も寝なくても生きていられる

・2×2,5メートルの板に9人がひしめく、
 ベッド(台)であったとしても、人は眠ることができる

・寝る前に電気が消える前に、シラミ退治ができただけで幸せ

、、、


など、どんな極限状態でも、人は、

・わずかなユーモア、
・ごく小さな幸せ、
・愛する人を思う気持ち

など、残された、
ほんの少しの希望を拡大して、
幸せを感じることができる生き物なのだ、

そんな精神状態を持つ存在を、
「人間」として切り取っていること、

それが「手記」ではなく、

「哲学書」

とさえ感じさせられるものである、
そのように感じるのです。



■また、その中でも特に、
感銘を受けた話があります。

それは”劣悪”という言葉ですら、
生ぬるい環境にも関わらず、
著者のヴィクトール・E・フランクルが、
極限下で気づいたことが、


「絶望的な状況で、人を支えるものは『愛』である」


という気付きだった、ということ。


以下、本文より引用をいたします。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

人は、この世にもはやなにも残されていなくても、
心の奥底で愛する人の面影に思いをこらせば、
ほんのいっときにせよ至福の境地になれるということを、
私は理解したのだ。

収容所に入れられ、
なにかをして自己実現をする道を断たれるという、
思いつく限りでもっとも悲惨な状況、
できるのはただこの耐え難い苦痛に耐えることしかない状況にあっても、

人は内に秘めた愛する人のまなざしや愛する人の面影を
精神力で呼び出すことにより、満たされることができるのだ。

(引用:『夜と霧』(著:ヴィクトール・E・フランクル)より)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


今の現実に、希望は皆無である。

悪夢ですら、幸せに思える現実。

妻も強制収容所に送られている。

愛している相手が、生きているか、
死んでいるかはわからない。

、、、

そんな絶望的な状況下でも、


”「その人を愛している」という気持ちを
  精神力で、心に思い浮かべるだけで幸せになれる”


というのです。


■よく、「心」が大事、などと、
今の現代社会でも言われますが、

上記の事実を聞くと、

・人の精神の偉大さ、

・心が現実を凌駕すること、

そんな世の中の「原則」と
呼ばれているようなことが、
質量を持つような、そんな気がするのです。



人とは何か、

最後の最後に、人の中に残るものは何か、

生きるとはどういうことか、

心の持つ力とは、、、


そんなことを探求してみたい、
人間という存在を、今一度考えてみたい、
そんな方に、ぜひお読みいただきたい一冊です。


何度読み返しても、
色褪せることがない名著です。
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『夜と霧』(著:ヴィクトール・E・フランクル)



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