「ジョブ・クラフティング」の3つの次元
(本日のお話 1955字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日に引き続き、
「ジョブ・クラフティング」
をテーマに学びを皆さまに、
ご共有させていただければと思います。
※本日のお話は、参考論文
高尾義明(2019)『ジョブ・クラフティング研究の展開に向けて:概念の独自性の明確化と先行研究レビュー』
を中心にお届けさせていただければと思います。
それでは参りましょう!
タイトルは、
【「ジョブ・クラフティング」の3つの次元】
それでは、どうぞ。
■ジョブ・クラフティング。
・ジョブ=仕事を
・クラフティング手作りする、
という意味で、
”個人が自らの仕事のタスク境界
もしくは関係的境界においてなす物理的・認知的変化”
(Wrzesniewski & Dutton, 2001)
と定義されています。
要は、
・自分の持つ知識を活用できるように、
仕事のタスクを自ら変更する
・自分の仕事の意義を改めて内省し、見直す
といったことが、
「ジョブ・クラフティング」である
、、、らしいです。
ただ、この言葉、
人事界隈で注目されており、
紐解いてみることで、色々と気付きになりそうな予感。
ということで、
深ぼっていきたいと思います。
■具体的にお伝えすると、
このジョブ・クラフティングは
以下の3次元の要素で成り立つとされています。
*
昨日のメルマガの内容とやや重複しますが、
「論文」というアカデミックな方向から見て、
より理解を深めてみたいと思います。
以下ご紹介です。
(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<ジョブ・クラフティングの3つの次元>
1)タスク境界(task boundary)
=「具体的な仕事の内容や方法を変更すること」
仕事(job)は基礎単位としての課業(task)から
構成されており、課業の量や内容、方法等を変更することは、
仕事の変更、また個人にとっての仕事の経験を変えることに繋がっていく。
例)採用担当が、通常の採用メディアを使う以外に、
ソーシャルメディアを活用して仕事をしよう!とする等
2)他者との関係性/相互作用に関する境界(relational boundary)
=「タスク遂行に関わる相互行為の相手である、
同僚や顧客といった他者との関係性を増やしたり、
その質を変えたりしていくこと」
例)病院の清掃スタッフが、患者やその家族、
訪問者とのコミュニケーションを増やす、等
3)認知的な境界変化
=「個々のタスクや仕事全体について
自分がどのように捉えるかを変えること」
例)ルーティン業務に従事している人事部給与計算係が
担当業務の背後にある仕事の流れに目をやることで
作業に面白みを感じる、等
※引用:高尾義明(2019)『ジョブ・クラフティング研究の展開に向けて:概念の独自性の明確化と先行研究レビュー』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)
さて、いかがでしょうか。
一つ一つの言葉は
なんとなく小難しいようにも思えますが、
平たく解釈し直すと、
昨日のメルマガでご紹介した、
『人事のためのジョブ・クラフティング入門』
の言葉を借りるとわかりやすそうです。
要は、
~~~~~~~~~~~~~~~~~
1)仕事そのもの(を創意工夫する)
2)人との関係(を築く)
3)仕事の捉え方(を変え、意味や意義を見出す)
~~~~~~~~~~~~~~~~~
これがジョブ・クラフティングであり
それは確かに、皆さまもそれぞれ工夫をしているものだろう、
と思えます。
■確かにこういった工夫は、
自分の裁量でできる幅が、
仕事には残されているように思います。
私も、10数年前
前前職の仕事では採用のお手伝いをする
求人広告の営業をしていましたが、
その傍ら、自分自身で
「大手の企業を新規で狙うぞ」とか
「ホームページを受注するぞ」とか
「研修も受注してみたい」と、
仕事として求められている責務の合間に、
自分自身の”面白そうな仕事”を組み込むことで、
楽しさをアレンジしていたように思います。
多分、そういうのが
1)タスク境界(task boundary)
→仕事そのもの(を創意工夫する)
3)認知的な境界変化
→仕事の捉え方(を変え、意味や意義を見出す)
ということなのだろう、と思います。
(そしてメルマガをお読み頂いている皆さまも、
それらのことは行っているのでは、、、
と推察しております)
■また、研究者の言葉を借りると、
働く上での重要な概念である、
”「ワーク・アイデンティティ」(Work Identity)は
その多くが認知的”
(Slemp & Vella-Brodrick,2013)、
であり、
”「仕事の意味」(Meaning of Work/以下MoW)も
本質的に主観的なものである”
(Pratt & Ashforth, 2003)
といっています。
めちゃくちゃ平たく言えば
”(自分自身で)仕事をの捉え方を変える”
行為全般が、ジョブ・クラフティングの
根底の考え方のように思えます。
■、、、ということで
ジョブ・クラフティングの3つの次元について
お伝えいたしました。
では、実際に「ジョブ・クラフティング」を行うことは、
どのような”意義”があるのでしょうか。
この点については、
明日のメルマガに続けたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
==========================
<本日の名言>
幸福になる大きな秘訣は、外界の事物を
自分に適応させようともがくよりも、
自分を外界の事物に適応させることである。
ジョン・スチュワート・ミル(イギリスの経済学者/1806~1873)
==========================