メールマガジン バックナンバー

2896号 2022年1月25日

「ジョブ・クラフティング」の3つの次元

(本日のお話 1955字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日に引き続き、

「ジョブ・クラフティング」

をテーマに学びを皆さまに、
ご共有させていただければと思います。

※本日のお話は、参考論文

高尾義明(2019)『ジョブ・クラフティング研究の展開に向けて:概念の独自性の明確化と先行研究レビュー』

を中心にお届けさせていただければと思います。

それでは参りましょう!

タイトルは、

【「ジョブ・クラフティング」の3つの次元】

それでは、どうぞ。

■ジョブ・クラフティング。

・ジョブ=仕事を
・クラフティング手作りする、

という意味で、

”個人が自らの仕事のタスク境界
もしくは関係的境界においてなす物理的・認知的変化”
(Wrzesniewski & Dutton, 2001)

と定義されています。

要は、

・自分の持つ知識を活用できるように、
仕事のタスクを自ら変更する

・自分の仕事の意義を改めて内省し、見直す

といったことが、
「ジョブ・クラフティング」である

、、、らしいです。

ただ、この言葉、
人事界隈で注目されており、
紐解いてみることで、色々と気付きになりそうな予感。

ということで、
深ぼっていきたいと思います。

■具体的にお伝えすると、

このジョブ・クラフティングは
以下の3次元の要素で成り立つとされています。



昨日のメルマガの内容とやや重複しますが、
「論文」というアカデミックな方向から見て、
より理解を深めてみたいと思います。

以下ご紹介です。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<ジョブ・クラフティングの3つの次元>

1)タスク境界(task boundary)

=「具体的な仕事の内容や方法を変更すること」

仕事(job)は基礎単位としての課業(task)から
構成されており、課業の量や内容、方法等を変更することは、
仕事の変更、また個人にとっての仕事の経験を変えることに繋がっていく。

例)採用担当が、通常の採用メディアを使う以外に、
ソーシャルメディアを活用して仕事をしよう!とする等

2)他者との関係性/相互作用に関する境界(relational boundary)

=「タスク遂行に関わる相互行為の相手である、
同僚や顧客といった他者との関係性を増やしたり、
その質を変えたりしていくこと」

例)病院の清掃スタッフが、患者やその家族、
訪問者とのコミュニケーションを増やす、等

3)認知的な境界変化

=「個々のタスクや仕事全体について
自分がどのように捉えるかを変えること」

例)ルーティン業務に従事している人事部給与計算係が
担当業務の背後にある仕事の流れに目をやることで
作業に面白みを感じる、等

※引用:高尾義明(2019)『ジョブ・クラフティング研究の展開に向けて:概念の独自性の明確化と先行研究レビュー』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

さて、いかがでしょうか。

一つ一つの言葉は
なんとなく小難しいようにも思えますが、

平たく解釈し直すと、
昨日のメルマガでご紹介した、
『人事のためのジョブ・クラフティング入門』
の言葉を借りるとわかりやすそうです。

要は、

~~~~~~~~~~~~~~~~~
1)仕事そのもの(を創意工夫する)

2)人との関係(を築く)

3)仕事の捉え方(を変え、意味や意義を見出す)
~~~~~~~~~~~~~~~~~

これがジョブ・クラフティングであり
それは確かに、皆さまもそれぞれ工夫をしているものだろう、

と思えます。

■確かにこういった工夫は、
自分の裁量でできる幅が、
仕事には残されているように思います。

私も、10数年前
前前職の仕事では採用のお手伝いをする
求人広告の営業をしていましたが、

その傍ら、自分自身で

「大手の企業を新規で狙うぞ」とか
「ホームページを受注するぞ」とか
「研修も受注してみたい」と、

仕事として求められている責務の合間に、
自分自身の”面白そうな仕事”を組み込むことで、
楽しさをアレンジしていたように思います。

多分、そういうのが

1)タスク境界(task boundary)
→仕事そのもの(を創意工夫する)

3)認知的な境界変化
→仕事の捉え方(を変え、意味や意義を見出す)

ということなのだろう、と思います。

(そしてメルマガをお読み頂いている皆さまも、
それらのことは行っているのでは、、、
と推察しております)

■また、研究者の言葉を借りると、
働く上での重要な概念である、

”「ワーク・アイデンティティ」(Work Identity)は
その多くが認知的”
(Slemp & Vella-Brodrick,2013)、

であり、

”「仕事の意味」(Meaning of Work/以下MoW)も
本質的に主観的なものである”
(Pratt & Ashforth, 2003)

といっています。

めちゃくちゃ平たく言えば

”(自分自身で)仕事をの捉え方を変える”

行為全般が、ジョブ・クラフティングの
根底の考え方のように思えます。

■、、、ということで

ジョブ・クラフティングの3つの次元について
お伝えいたしました。

では、実際に「ジョブ・クラフティング」を行うことは、
どのような”意義”があるのでしょうか。

この点については、
明日のメルマガに続けたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

幸福になる大きな秘訣は、外界の事物を
自分に適応させようともがくよりも、
自分を外界の事物に適応させることである。

ジョン・スチュワート・ミル(イギリスの経済学者/1806~1873)

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