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2450号 2020年11月5日

フィードバックの技術(2) 〜自分の姿を見つめることが、何よりも成長のきっかけになる〜

(本日のお話 2405字/読了時間4分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は4件の個別コーチング。
また1件のアポイント。

その他、筋トレ、
研修の企画などでした。



さて、本日のお話です。

先日より「コーチングの技術」を
テーマに皆様に届けしておりますが、
本日も続けてまいります。


タイトルは、



【フィードバックの技術(2) 〜自分の姿を見つめることが、何よりも成長のきっかけになる〜】



それでは、どうぞ。




■自分の姿は自分で見えない。

ゆえに、

”第三者からの
「あなたはこう見えていますよ」という事実(フィードバック)”

を伝えることによって、

フィードバックを受けた側が発見・気付きがあり、
自分で行動をより望ましい方に変えていく作用がある、


そんなコーチングの技術が、
『フィードバック』と呼ばれるものです。



■ちなみに、フィードバックは、
2種類に分けられる、と言われます。

まず、

1)客観的事実を伝えるフィードバック

そして、

2)主観的事実を伝えるフィードバック


この2種類です。

簡単に特徴を説明しますと、
まず前者はどういうものかというと、

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

1)客観的事実を伝えるフィードバック

・クライアントの状態を事実として伝える

例/「”ちゃんと“、と5回言いましたね」
「声のトーンがいつもより低いですね」
「1週間のうちに2日10分遅刻していますね」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

というものです。



■ちょっと分かりづらいと思うので、
1つ、私(紀藤)の事例をご紹介します。


私がクライアントとして
コーチングを受けていた時に、
コーチの方からある”フィードバック”を受けました。



「やすさん(私のこと)、
コーチングが始まって10分の間に、
”ちゃんと”って5回いいましたね」


、、、とのこと。


聞いた時、自分では
「??」が浮かびました。

全く気づいていなかったのです。
あれ、そうなの??
でも、そうなのか、、、

はて、なぜだろう?


そう自分の頭の中で
疑問符が浮かび、理由を探します。

すると、気づきが生まれます。


・まだ足りないと思う気持ちが常にあるのでは

・凄い人、尊敬する人への比較が
常に自分の中に渦巻いているのでは

・自分の無意識の完璧主義のでは


などなど。

自らの内面に光をあて、
意識していない自分を理解できる。

そこから自分自身の隠れた思いにも
気がつくことができるのです。


フィードバックによって、
もたらされた「気づき」なのです。



■あるいは、もう一つの話。

これまた私(紀藤)の話です。
数年前、ある研修講師の方に、


「紀藤さん、プレゼンの時に、
笑いながら喋る癖があるよね。
その時、何言っているかわかんないんだよね」


と言われたことがありました。


これまた、「!!」が頭に浮かびます。

自分の中では、
「柔らかい空気を出しながらプレゼンをしたい」
などという思いがあったものの、

実際は、意図したものと
違っていたことを突きつけられたからです。

(というのも、そのコメントをくれた方は、
実に分析的に語っていただく信頼おける方だったので、
事実と認識し、すぐ受け取ることができました)


そして、すぐ行動の修正を行って
形にすることができました。

これも、

”第三者からのフィードバック”

があったから、気づけたわけです。


フィードバック、パワフルなのです。



■そして、もう1種類のフィードバック、
(前者が長くなってスミマセン)

後者の

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2)主観的事実を伝えるフィードバック

・クライアントの言動からコーチが感じる主観を伝える。

例/「あなたの行動が周りを元気付けていたように見えました」
「あなたがアクションプランを実行されずに寂しく思っています」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

についてです。


これまた私のエピソードですが、

この「2)主観的事実を伝えるフィードバック」を、
しばしば妻から受けます。


例えば、こんな具合です。


「話しながら、スマフォを操作していると、
聞いてもらえていないようで、寂しく感じるよ」

「今のは言葉が冷たく感じて、
なんだか距離を感じた、、、」


というイメージ。
というか、実際の話です。
(妻もコーチングを学んでいるので、、、)


■ただ、このように伝えられると、
実際そういう意図がなくても、

”自分の言動は、相手にこう捉えられていたのか”

と気付きになります。

そして、私自身
長く続く関係性を考えた時に
望ましくないとわかりますから

やっぱり変えないとな、
行動を修正をしないとな
という気持ちになるのでした。
(できているかは別として(汗))



主観的事実のフィードバック。

”相手の感情”を含めて伝えられると、
実にインパクトがあるのです。


やはりフィードバック、パワフルです。




■そして、加えて言うと
別の形のフィードバックもあります。

例えば、

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ビデオを使ったフィードバック」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

などもそう。


これは、コーチングだけではなく、
ファシリテーションなどの練習でも、よく使われる方法です。

やり方はシンプルに、

”自分のコーチングの姿、
あるいは講義をしている姿を撮影して、見る”

というもの。

これも”第三者の視点で見るフィードバック”の1つです。


自分の映像を見ると
おそろしいほどのたくさんの
”気づき”があります。

例えば、

・自分が熱く語っているつもりが、
実はものすごく無愛想に聞こえる

・自信を持って話しているつもりが
ただ威圧的、説得的になっている

・愛想よく笑顔を浮かべているつもりが
ふにゃふにゃして軸がないように見える

などなど。

人によって気づきは千差万別ですが、
ほぼほぼ、自分の意図と、
客観的に見た自分の像は違っているはず。


ゆえに、

自分の感覚からみた視点と、
客観的に他者からみた視点を

すり合わせていくことが
より目的・目標に向けて適切な
コミュニケーションをする上で
重要になってくるのです。


自分の姿は、自分で見えない。

ゆえに、意識して自分の姿を見ると、
大きな気づきになるし、

これを意図して相手に届けることで、
相手にも大いなる気づきを渡すことができるのです。

フィードバックが、大切な理由です。



■ただ、それくらいインパクトが
あるということは同時に、

フィードバックは、
正直、もらう方も、渡す方も、
ちょっとこわかったりする、ということ。

それは見たくない自分の姿が
明らかされるからです。

ゆえに、心理的な抵抗感も、やっぱりあります。
そしてそれは誰でもそうです。


でも、それでも受け取る勇気をもち、
フィードバックを他者から受けることを
習慣にすることができれば、

あるいは、相手の姿を直視するきっかけとなる
フィードバックを渡すことができれば、

自分も相手も成長を何倍にも早められる、

これもまた事実だと思います。


ゆえに、


『自分のために、フィードバックを取りに行く』
『相手のために、愛あるフィードバックを渡す』


このことをぜひ心がけ、
実行していくこと、

これは自らが目標とする姿に近づくために、
とても重要なことである、

そんなことを思っている次第です。



、、、とはいいつつ、
何でもかんでもフィードバックすれば
受け取ればよいものでもありません。

ということで明日は
フィードバックシリーズの最後として、

「フィードバックをする際の注意点」
(紀藤の失敗談より)

をテーマに、
皆様にお届けできればと思います。

ぜひお楽しみに!


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

傷つきやすい人間ほど、
複雑な鎧帷子(よろいかたびら)を身につけるものだ。
そして往々、この鎧帷子が自分の肌を傷つけてしまう。

三島由紀夫(小説家/1925-1970)

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