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3368号 2023年5月14日

今週の一冊『急成長を導くマネージャーの型 ~地位・権力が通用しない時代の“イーブン”なマネジメント』

(本日のお話 2764字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、
独立・起業を目指す方の勉強会に参加しました。

今後副業・独立支援みたいなことを
私自身やりたいな、と考えています。

実際自分が参加者になることで
一つのことを収益化するためのプロセスを
改めて考えていました。

結局思ったのは、

「アイデアより行動」

です。

やって見て、手数を打つこと。
まずこのことから再度始めたいと思います。

私も色々と
試していきたいと思った1日でした。



さて、本日のお話です。

毎週に日曜日はお勧めの一冊をご紹介する、
今週の一冊のコーナー。

今週の一冊は

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『急成長を導くマネージャーの型  ~地位・権力が通用しない時代の“イーブン”なマネジメント』

長村 禎庸 (著)


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です。

■「マネジメント」について
調べている中で出会った書籍です。

結論、「めちゃ勉強になりました」です。

内容としては、

”大企業ではなくベンチャーのマネジャーが
どのような「型」を持つとよいのか?”

が書かれています。

■さて、本書籍を読む前に、
『note』にて著者の長村さんが書かれた、

”【スライド300枚】ベンチャーマネージャーのマニュアル”

なるものを、ぜひ見てみていただきたいです。
(検索頂くと出てきます)

2023/5/14現在、noteで
「4000いいね!」を集めている素晴らしい記事。

私も読みながら非常に勉強になりつつ
「こんなレベルのものを無料で共有しているのか、、、」
と驚愕いたしました。

■さて、本書のテーマと対象は
「ベンチャーマネージャー」としていますが

必ずしもベンチャーではなくとも、
マネージャーに必要な考え方や行動が
まとまっていると感じます。

一方、ベンチャーの特徴としては

・役割の範囲が広い
(ベンチャーはその成長に合わせて
役割の範囲が目まぐるしく変わる傾向があり)

・意思決定が柔軟かつスピーディー
(大企業は既存のルールに従って行うことも多いが
ベンチャーはそもそものルールがないこともある。
迅速かつ柔軟な意思決定を求められる)

・リスクをとる
(ベンチャーはより新しいアイデアやイノベーションを求められ、
高リスクな行動を求められる傾向あり)

・リーダーシップスタイルがフラット
(メンバーをストレッチさせるために、
目標設定も仕事の意義を語る必要がある。
また大企業に比べてよりフラットな組織構造である)

などがあると言われています。

ベンチャーは勝つ必要がある。

そして変化が早いので
柔軟かつスピーディーに動くことが求められます。

大企業に比べて
待遇よりも仕事の成長に魅力を感じ、
働く人も多いです。

ゆえに仕事の意義を語る必要もあり
マネージャーとしての人間力がなければ
辞められてしまうリスクも高いです。

そんなベンチャーでは
その文脈の中でのマネジメントが求められるのが
難しいポイントでもあり、

それを考慮されているのが、
本書の特徴とも言えます。

■では、具体的にどのような行動が

「マネージャーの型」として
本書語られているのでしょうか?

以下、ポイントをお伝えします。

まず、

『マネジャーの役割を認識する』

というマネジャーとはなにか?という
役割定義について語られます。

ここでは

「マネジャーは経営のメンバーである」
「成果を出すこと」

へのコミットが重要といいます。

■次に

『現状を把握する』
『チームの「役割、目標、意義」を設定する』

ことの重要性が語られます。

現状と目標を理解し伝えることは
当然重要です。

加えて、より大きい目的(意義=ミッション・ビジョン)も
ベンチャーならではで伝える事が必要と述べます。

ベンチャーでは
「弱きものが絶対勝たねばならない」
という文脈に置かれている事が多いです。

ゆえに、大変な仕事もある中で、

「なぜ/なんのために仕事をするのか?」

という”数字を越えた意義”を伝えることが、
メンバーのモチベーションにも影響します。

■そして、その次は、

『チームの「戦略(方針・KPI・重要アクション)」を決める』
『チームの「体制」を決める(体制、アサイン、権限設定、採用、相互理解とルール)』
『チームの「推進システム」をつくる』

というより具体的な戦略や
運営のためのルールが語られます。

目標も大きすぎると
何をしたら良いかわからなくなります。

ゆえに、この3ヶ月、1ヶ月で何をするのか?
というKPIを設定することが必要です。

しかし、目標より一段レベルが下がった
KPIを統合する「方針」がなければ
なぜこのKPIを追いかけているのかがわからなくなります。
ゆえに「戦略」が重要になります。

あるいは権限委譲や意思決定などの
「体制」が整っていないと

マネジャーの前に行列ができて
なかなか仕事が進まない、、、

ということにもなりかねません。

■そのように

マネージャーの役割を理解し、
チームの状態を整えたら、次には

『初期の成果とモメンタム(勢い)をつくりだす』
『改善を続け、継続的成果を続ける』

ことが必要になります。

初期設定後、

チームが勢いをもって動き続けること、
それに対する成果を実感できなければ、
段々と走り続けることに疲れてしまいます。

■そのためには、

メンバーにとって最も大きな関心事である
「目標設定と評価」も重要です。

そのためには、

『個人目標設定と評価』
『フィードバックの重要性』

を理解し、メンバーに誠実に考えていること
納得解が得られるようなアプローチが必要です。

ここをきっちりと抑えることで、
メンバーは評価を通じて納得し、
また成長を促されていきます。

■書籍の後半では、
ピープルマネジメントの技法が語られます。

特に、

『ティーチング/コーチング/フィードバック』

という3つのスキルを使って
1on1を実施する方法は必見です。

それぞれのスキルの使いどころ、
どんなシーンで何を使うのかを、
具体的な事例と共に詳しく語られています。

ここは特に「なるほど!」とわかりやすく
かつ整理されている感覚を覚えました。

■、、、とざっくりと
書籍のポイントは上記のような形です。

「そりゃそうだ」で終わりそうですが、

この本の特徴は、
著者ご本人がベンチャーにて

広報、人事、マーケティング、経営企画等
あらゆる部門のマネジャーを経験していること、

またその上で取締役や代表など
更に上のレイヤーから見ている経験を

”「経験知」を「型」として
洗練してまとめているところ”

が魅力的かつ説得力を
感じさせられる内容となっています。

是非詳細は読んでいただくと、
一般論より、もっと踏み込んだことが
書かれている事に気づきます。

■以下、著書のご紹介です。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【マネジメントは経験でもセンスでもない、フレームワークを実行するのみ】
数字の話ばかりで、仲間も自分も疲弊させてしまう。メンバーを犠牲にして残した成果は、持続性のない、偽物ではないか?
数々の失敗から学び、小さなベンチャー企業を上場まで導いたプロフェッショナルマネージャーのノウハウを一挙公開。

<こんな人におすすめ>
・急成長を指向する組織(ベンチャー/スタートアップ、新規事業)のマネージャー/経営者

<目次>
序章 マネジメントは経験でもセンスでもない、「型」を身につけ実行するのみ

1章 マネージャーの役割を認識する
・マネージャーの4つの役割
・組織のステージごとにマネージャーの役割は変わる

2章 正確で素早い現状把握でロケットスタート
・変化の激しい環境では現状把握力が求められる
・現状把握の具体的手法

3章 チームの役割、目標、意義を設定する
・チームの役割とその先にある意義を「自分で」決める
・役割に基づき野心的な目標を掲げる
・無機質な目標に意義をつける

4章 チームの戦略3点セット[方針・KPI・重要アクション]
・人もお金も少ないベンチャーで立てるべき戦略とは
・方針に実現度を測る計器をつける
・KPIを達成するための重要なアクションだけを実行する
・方針・KPI・重要アクションはフレキシブルに変更する

5章 強いチームをつくる
・体制パターン
・アサインメント
・権限設計
・リクルーティング
・相互理解とルールでチームを強くする

6章 戦略と組織を動かす「推進システム」を作る
・チームを推進する5つの仕組み
・ミーティングマネジメント

7章 初期の成果とモメンタムをつくりだす
・初期の成果を早めにあげる
・モメンタムを生む

8章 改善で継続的に成果を出し続ける
・答えのないベンチャーでは、変化し続けるチームが勝つ
・良い答えを生むための方法

9章 個人目標設定で成長のきっかけを与え、評価で努力に報いる
・個人目標設定と評価こそがメンバーのエネルギーの源泉
・評価活動のプロセス
・コメントは「事実に基づいて」おこなう

10章 ピープルマネジメントでメンバーを動かす
・人は感情の生き物
・見る
・指示する
・関与する

11章 3つのコミュニケーション技術を使いこなす
・コミュニケーションの3つの技術
・ティーチング
・コーチング
・フィードバック

12章 マネージャーの立ち位置と心得
・立ち位置
・心得
・慢性的に退職が起こり続ける理由

終章 マネージャーにとって一番大事なこと

※Amazon本の紹介より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

■会社によって
求められるマネージャーのスキルも
違うものです。

ただこうした「型」があることで

できていることできていないことを
皆が語り合い、学ぶことを可能にしますし、

一定のスキルを
マネージャーとしての共通認識にすることも
できるのだろう、、、

そんなことを思わされれる書籍でした。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『急成長を導くマネージャーの型  ~地位・権力が通用しない時代の“イーブン”なマネジメント』

長村 禎庸 (著)

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